平成筑豊鉄道の「ことこと列車」に乗った話、
先日の「車両」に続き、今回は「食事」について。
非常に水準の高い食事で、驚きの連続でした。
【1】はじめのテーブル
初めのテーブルには、このようなものが置いてありました。
右には、地元のミネラルウォーターがあります。
左には、メニューの紙の上に、石炭が置いてあります。
そして、飲み物が揺れる車内で動かないように、茶色いゴム製の滑り止めのマットが置かれています。
【2】地ビールを注文
直方駅を発車して、料理が出されるまで、少し時間がかかります。
その間に、地ビールを頼みました。
頼んだのは「福智リッチビール あまおう苺」です。(330mL 700円)
その土地独自の珍しいビールを頼むことにしていますが、やや甘いイチゴ風味で、単独で飲むのには実に美味しいです。
アサヒスーパードライ350mLも500円で頼めますが、ここでは地ビールでしょう。
【3】ことことBOX
初めに出された食べ物は、こちらの「ことことBOX」です。
「ことこと列車」のロゴが描かれた風呂敷に、料理が包まれていました。
中には、料理が入っています。
この料理は、地元の名産を集めたものです。
「ことこと列車」が走る地元の料理を、この「ことことBOX」に詰め込んだのです。
次の写真にあるように、たとえば④「ホルモン鍋コロッケ」は、田川名物ですし、
⑥「竹の子と玉ねぎのキッシュ」は、香春町産です。
特に気に入ったのは、①と⑨です。↓
①は「日向夏釜サーモンと春菊のタルタル」で、イクラがミカンの中に入っています。
⑨は「スモークサーモンとチーズのベーグルサンド」で、右のロゴ入りパンは、味も良いですよ。
イキナリ地元の料理が結集して、襲ってきたぞ。
【4】地元産かぶのブランマンジェ
この料理は、器で驚きました。
カブの料理ですね。器と調理の斬新さで、味は忘れてしまいました。
【5】帆立と数の子のフリット
次の料理は、真黒な揚げ物です。
上の写真の石炭と同様の真黒な料理です。
これもすごく美味しいのですが、味よりも見た目のインパクトの方が、より大きいです。
なお、お皿も黒でぶつけてきました。黒い料理のバックを黒にして映えるなんてよく考えたものです。
画像の明るさを最大限に調節すると、ロゴが分かるようになります。
【6】福智町あまおうソーダ
地ビールがなくなったので、次の飲み物を頼みました。
珍しい物を探したら、ありました。
「福智町あまおうソーダ」700円です。
福岡県産のイチゴリキュール+福智町あまおうソルベ+トニックと書いてありましたが、やや甘いイチゴのお酒です。
冷たいジェラート状態のものが入っていて、これは美味しいです。
【7】メインディッシュ
「ことこと列車」のメインディッシュと言えるのが、こちらです。
「和牛頬肉のパピオット ~上野焼を感じながら~」です。
金田駅に停車中に、パピオット(包み焼)料理が出されました。
包みを開くと、和牛が入っているではないですか。
シチュー状態で、これが何と柔らかいことか!
隣のパンと一緒にいただきました。
お皿は、地元の上野焼(あがのやき)です。
そして、もう一品も↓。
こちらも熱々です、感激してしまいました。
【8】最も感激した料理
私は今まで多くのレストラン列車に乗ってきました。
50万円以上する3つのクルーズトレインは乗っていませんが、
全国の9割近くの観光列車に乗ってきて、様々な料理を食べてきました。
その多数の料理の中で、この牛肉料理は、最も感激しました。
非常に美味しいのに加えて、熱いんです。
ほんのり温かいではなくて、すごく熱いんです。
金田駅に調理場を作って、「ことこと列車」が着いたらすぐ熱々の料理を、乗客に食べてもらう流れを作ったのです。
1日の運転は片道1本、基本的に土曜日曜だけの運転ですから、月に8回だけのために、専用の施設を作ったのです。
カネもかかるし手間もかかるのに、ここまでしてくれた姿勢に脱帽!
多くのレストラン列車では、施設の関係もあり、温かいのはスープだけになることが多いのです。
熱い料理をそのまま提供するのがいかに大変かは、多くのシェフ並びに鉄道会社が感じてきたことだと思います。
でも、熱い料理を提供したいという気持ちがうれしいですし、その気持ちが乗客を温かくするのです。
(「或る列車」で、丁寧な接客だけで物足りなさを感じた直後だっただけに、一層嬉しく感じました)
これは一度乗ったら、また乗りに行くリピーターが多くなるでしょうね。だから満席の日が多いのに納得しました。
【9】枡パルフェ
日本酒の枡に、春らしく桜のスイーツを入れました。
中には、イチゴと冷たいアイスが入っています。
熱い牛肉の後に、冷たいスイーツ、いいですね(^^)/
もちろん、見た目も美しく、季節感を感じることができます。
【10】コーヒー
最後に、ホットコーヒーが出されました。
これで本日のメニューは終了です。
素晴らしい料理の数々でした。
無難な定番の料理は、最後のコーヒーだけと言っても良いくらいです。
客を満足させるために、どんな料理にするか、よく考えられている創作料理だと思います。
海原雄山も満足するかも。
ことこと列車は、アテンダントさんたちの「おもてなし」も、素晴らしかったです。
「おもてなし」等は、次回の記事へ。