平成筑豊鉄道の観光列車「ことこと列車」に乗った話。
1回目「豪華な車両」、2回目「驚きの食事」に続き、3回目は「おもてなし」等。
【1】のどかな車窓
「ことこと列車」から見える風景は、田園風景が中心です。
天気がイマイチでしたが、のどかな田んぼの中を、ことこと走っていきます。
終点の行橋駅が近づくと、山の中を走ります。
先頭かぶりつきだと、橋を渡るのは、ちょっと怖い感じがします。
線路を渡って参拝する神社の前を通ります。
食事が終わったら時間帯に、車窓案内が多いのは、バランスがとれています。
このような観光案内をするのは、主に運転士さんです。
景色が良い場所に着くと、列車を停めて、運転士がマイクで案内をするのです。
人員が限られたローカル線で、全員でおもてなしをする姿勢は素敵です。
アテンダントさんによると、この日は話が一番面白い運転士さんだったとのこと。
新型コロナが収束したら、また乗りに行きますので、車窓の案内は、その時にでも詳しくまとめます。
【2】車内販売
食事が終わった頃に、アテンダントさんが、車内販売にきました。
グッズのカゴを抱えて、回ってきました。
車内販売マニアと名乗るだけあって、「買うか買わないか」ではなくて、「何を買うか」考えました。
クリアファイル500円、ランチクロス800円、ポストカード800円。
その中で、わたしはピンバッジ800円を買いました。
敬意を込めて、購入したバッジを、早速服につけました(^^)/
【3】直方駅ホームで手ぬぐい販売
ことこと列車は、始発の直方駅を出発してから、一度また直方駅に戻ります。
戻った直方駅では、ホームで手ぬぐい販売が行われていました。
この店の御主人は、お笑いタレントのようなノリ。
50過ぎのオヤジである私に、ピンク色の派手な手ぬぐいを「いかがですか」と勧めてきた。(^^)
「おう、良く似合いますね・・・、何て言うわけあるかいな」という、突っ込みを期待してたようです。
色々な手ぬぐいが売られていました。
手軽なのは、ハンカチ510円です。500円で売っていたのに消費税アップで510円になったのが、よくわかります。
私はピンクの手ぬぐい攻撃をかわして、こちらを買いました。↑
SLの動輪が描かれた手ぬぐいを購入しました。
【4】田川伊田駅マルシェ
田川伊田駅では、15分停車します。
この15分間、ホームでマルシェが開かれます。
ほぼ全員の客がホームで品物を見ていました。
販売していたのは、黒酢、にんにくドレッシングを始めとする地元の特産物。
品物の横には、写真が置かれていました。
渥美清、とらさんが映画の撮影に来たときの写真のようです。
私が買ったのは、チロルチョコ100円です。
福岡県田川市に、チロルチョコの工場がありますので、地元の品ということになります。
【5】分かりやすい案内
「ことこと列車」では、案内を分かりやすくする工夫がされていました。
天気によっては見えにくい景色を紹介するのに、写真を用意している場合があります。
「ことこと列車」では、炭鉱地帯の昔の山の形を写真で示していました。
今は山が削られて、形が大きく変わっているのです。
「ことこと列車」から降りた後、平成筑豊鉄道で戻る客のために、割引切符の案内です。
言葉で説明するより、複数の情報を比較できるようにしてあります。これは分かりやすいですね。
私は、終点行橋駅で降りた後は、日豊本線で小倉方面に行きましたので、買いませんでした。
石炭の他に、近くの山で石灰石が採れるという案内もありました。
石炭と石灰石の実物が置いてありました。
普段なかなか手に取ることはありませんので、これは良い取り組みです。
【6】沿線から歓迎
直方駅を発車する際には、観光協会のハッピを着た人たちが、手を振って、送り出してくれました。
料理のひとつ「枡パルフェ」の酒枡に書かれていた日本酒が「九州菊」。
この酒蔵の近くを通ります。
わかりますか、酒蔵の前に手を振ってくれている人がいます。
拡大すると、こうです↓ (写りが悪くてすみません)
そして!
最も感激した「手振り」は、こちら↓
油須原駅では、小さい女の子が、旗を振ってくれました。
当然、私も大きな「手」を振り返しました。
【7】車内イベント
アテンダントさんは、車内の乗客の気持ちを一体化する取り組みを行っていました。
平成筑豊鉄道に関するクイズを出して、反応が良さそうな客をいじって(?)、車内を盛り上げるのです。
旅行会社のツアーので一緒に乗るのでない個人客ばかりです。
一緒に笑えば、周りの客を「性格良さそうな人たちだな」と感じます。
話しかけたりしやすくなるわけです。
誕生日を迎えた乗客が乗っていました。
これに対して、アテンダントさん総出で、ハッピーバースデーのお祝いです。
私を含めた周りの乗客何人かも、一緒に拍手です。
このように、周りを巻き込むのは、満足度を上げられますので、見事だと思います。
ふつう、豪華な車両と料理が自慢のハイレベルな列車では、一歩間違えるとイメージダウンになりかねません。
でも「ことこと列車」では、親密な雰囲気を出すのに役立っていました。
【8】傘の用意
油須原駅では、トイレ休憩があります。
その時には、小雨が降っていました。
私なら、傘を広げるのが面倒なので、このくらいの小雨なら、ホームまで小走りに走ってもいいなと感じるくらいの雨でした。
アテンダントさんは、傘を用意してくれました。トイレは、この傘をお使いください、というわけです。
せっかくなので、私は傘を借りました。
全員車内に戻り、11分のトイレ休憩が終わり、あと1分で発車となりました。
すると、アテンダントさんは、少し濡れた傘を束ねて、しまおうとしました。
傘をしまう場所は、カウンター付近のようです。
別の駅でも、降りる時に濡れないように、傘を差しだしてくれました。
【9】客の気持ちを先取りした応対
「ことこと列車」では、感心した接客が続きました。
「石灰岩の実物を持って回る」というような、一律に全乗客に行うなら準備しやすいのですが、個々の乗客の気持ちを察して動くのは、なかなかできません。
すべき仕事を着実にという「守りの仕事」ではなく、状況判断を間違えるとマズイ「攻めの仕事」が多いのです。
いくつか紹介しますと・・・
■漫画に出ています
私は見るからに鉄道ファンです。鉄道ファンだろうと思われましたので、こんなことを言われました。
「ことこと列車が、漫画雑誌に出てます」
初老の女性に伝えても、わざわざ買って読もうとは思わないでしょうから、ピンポイントの対応ですね。
■旗をもらえた
私が「大きな手」を持ち込んで、ホームの人に手を振っていました。
すると、アテンダントさんが、旗を渡してくれました。
これは、嬉しいです。
■記念撮影
終点の行橋駅では、全員降りた後で、順番に記念撮影タイムとなりました。
私は1人だし、乗り継ぎの普通列車まで時間があったので、最後にお願いしました。
私の時だけ、アテンダントさん6人のうち、男性責任者が「女性陣と一緒に撮りたいでしょ」と席を外してしまったため、このような写真になりました(笑)
私はマジな話、凄腕アテンダントなら男女関係ないですが、ここまで「客を喜ばせようという」気持ちには感激しました。
初期のころの「伊予灘ものがたり」と「ろくもん」は、今回の「ことこと列車」に似ていました。
2つの列車とも運転開始して間もない時期は、今ほど洗練された上質な接客ではありませんでしたが、「何とかして客に満足してもらいたい」という強い気持ちを感じ取ることができました。
私はアマノジャクですから、粗削りでも、頑張る姿に感動するタイプです。
今回の「ことこと列車」では、「コーヒーのミルクと砂糖を出し忘れた」ような若干抜けている点はありましたが、そんなことより頑張っている姿に感激したのです。
現在は運休中ですが、また乗りに行きたいです。
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「ことこと列車」の内容は、今回まで3回です。
写真は全部で60枚くらいで、内容も多いので、5回に分けてもいいくらいです。
ですが、1回の中身を充実させるため、このスタイルを続けます。
1回の中身を少なくして毎日更新すれば、とりあえずアクセス数は上がりますが、2~3日に1本のスタイルが好きなもので。