JR九州の「或る列車」は、1回3時間ほどの乗車で、26000円~36000円とる豪華スイーツ列車です。
2020年4月現在、新型コロナで運休していますが、3月に乗車してきました。
豪華な車内は、先日の記事にまとめました。
今回は、スイーツについて。
【1】メニュー
メニューは、季節によって変化を持たせています。
また、主に地元の食材を使うこともあり、大分コースか長崎コースかによっても違うようです。
九州の食材、なかでも今回走っている佐賀県・長崎県の食材が中心に使われているのが分かります。
「春うらら」と大きく書かれていても、文学的素養がない素人には分かりません。
(競馬を連想してしまいます)
【2】乗り込んだら
「或る列車」に乗り込んだ時の、個室のテーブルです。
おしぼり、メニュー、そして軽食が用意されていました。
そして、はじめの1杯をアテンダントさんが持ってきてくれました。
ソフトドリンクでなく、スパークリングワインを選びました。
隣の個室の男性は未成年ということで、ソフトドリンクでした。
【3】3種類の軽食~春うらら
初めにテーブルに用意されていた、3種類の軽食をいただきました。
3つとも、自然の素材を活かした、カラダに優しい料理という印象です。
1点目は、大分県かきと、ふきのとうの御飯です。
かきは私は好きではありませんが、美味かったです。
素材を活かしており派手な味付けをしていないのに、なんででしょ?
長崎県産ふぐの唐揚げです。これも素敵です。
メニューがなければ、ふぐとは気づきません。
長崎県産和牛の炙り焼き、佐賀県産春キャベツと佐賀県産アスパラガスの胡麻あえです。
最初に、このハイレベルな軽食が出されましたが、この先に「主役」が、控えています。
十分メインディッシュに値する料理ですが、次からのスイーツがメインと言えるでしょう。
【4】ポタージュ~朗らかに
佐賀県産 太閤ごぼうのポタージュです。
器には、或る列車のロゴマークがついています。
温かい料理が入ると、料理全体の満足度が上がります。
【5】トマトとパプリカのカクテル~ひだまり
「佐賀県トマトと 佐賀県パプリカのカクテル バジルの香り」というスイーツです。
まず目を引くのは、鮮やかな色どりです。
赤・緑・黄色の3色のスイーツです。
真ん中の薄緑は、冷たいアイスです。
角度を変えて眺めると、美しさが引き立ちます。
香りのある食材、冷たさの食材も混ぜて、五感を刺激します。
【6】スイーツ~そよ風
メニューでは「佐賀県柑橘のミモザ風」となっています。
一言で何とまとめたら良いか、わかりません。
まあ、名前はともかく、美味しくて、見た目でも楽しめれば良いのですが。
白い部分は、クリームというよりは、やや硬い状態です。
オレンジ色は、かんきつ類です。
特別な造りのガラスで、天井の光によって、テーブルに光の模様が映ります。
美しいです。
【7】桜のスイーツ~桜吹雪
「桜と佐賀県 長崎県の苺パフェ仕立て 甘酒の香り」です。
桜の花びらの形をしたチョコが、雰囲気を醸し出します。
このスイーツは、円柱の側面が、透明な飴で囲んでいます。
こんなスイーツが、あるとは。驚きの連続です。
【8】最後のスイーツ3品~萌える
左は、「佐賀県干し柿とチョコレート」です。
柿とチョコが何層にも重なっているのです。
中央は、「赤しそと梅酒の琥珀寒」です。
赤と黄色の2色です。
右は、「バスク風チーズケーキ」です。
このお皿が、楽しいです。3つの皿は、或る列車のロゴが、入っています。
その3つの皿が、或る列車で多用される模様の柄の木に、乗っているのです。
【9】飲み物
「或る列車」の飲み物は、別料金が必要ありません。
約3時間の乗車時間の間に、何杯飲んでも無料です。
まあ、10杯も飲むような人は、前回も今回も見たことがありませんが。
飲み物は、上のメニューにあるように、11種類です。
「スパークリングワイン」「白ワイン」「赤ワイン」「梅酒」「紅茶」「緑茶」「コーヒー」「日向夏ジュース」「完熟みかんジュース」「ミネラルウォーター」「炭酸水」の11種類です。いずれも、地元九州の飲み物です。
私は5杯、いただきました。
《1杯目》スパークリングワイン
最初のスパークリングワインは、軽く飲むことができた。
《2杯目》梅酒
軽食と共に飲んだのが、梅酒です。
写真は半分飲んだ状態です。おかわり自由ですから、量が少なくても関係ないですが。
《3杯目》コーヒー
ホットコーヒーは、すごく良い香りがしました。美味しいです。
本当は、もう1杯コーヒー飲みたかったのですが、多くの飲み物を飲むために他の飲み物にしました。
《4杯目》炭酸水
口の中をスッキリさせるために、炭酸水をお願いしました。
グラスの底に、或る列車のロゴが記されています。
こういうグラスなら、水でも美味いや。(厳選された大分の天然水だから当然とも言えますが)
《5杯目》赤ワイン
最後に赤ワインをいただきました。
ロゴ入りのグラスで、豪華列車から車窓を眺めながら、更に追加料金無しで飲めたのですから、これは美味く感じます。
【10】洗練された接客だけど・・・
実は、今回の九州乗り鉄で、4種類の観光列車に乗ってきました。
その4つの列車の中では、
「車両の豪華さ」、「料理の華やかさ」、「洗練された接客」は、「或る列車」が圧倒的に優れていました。
26000円以上の高い料金を取るだけのことはあります。
「車両の豪華さ」、「料理の華やかさ」は、写真で伝わりますから、理解しやすいと思います。
「洗練された接客」ですが、熟練したアテンダントが、丁寧に応対して、ミスしない、失礼に当たらない接客をしてくれました。
新型コロナの影響のためか、2両編成で乗客は8人ほどと少なく、アテンダントやパティシエが5人ですから、余裕を持った人員でした。
他の観光列車では、コーヒーが出たのに砂糖が無いといったミスがありましたが、「或る列車」では完璧でした。
でも・・・期待しすぎたせいか、満足できませんでした。
前回2016年8月に乗った際は、ベテランアテンダントさんは、1人で乗っている鉄道マニア風の私に、色々と話をしてくれました。
「テーブルの下にライトがあります。足元も明るくするよう社長が提案したのです」
「格子天井には四葉のクローバーがついていますが、違う形の場所があります。探してはいかかででしょうか」
「お皿を置く紙のマットは、1号車と2号車では少し色が違うのですよ」
このような話を、いくつもしてくれました。
2016年8月に乗った話は、こちら→「車両」「料理」「接客」
ところが今回は、格子戸を上げられる造りになっていると案内されただけ。
わたしだけでなく、隣の個室の鉄道マニア風の男性に対しても、同様でした。
乗客が少ない状況だっただけに、失礼のない接客だけで終えずに、もっと「攻めの接客」をして欲しいと感じました。
今回の九州乗り鉄で乗車した他の3本の観光列車は、3本とも積極的な「攻めの接客」の連発で、感激しつづけましたから、その落差を感じてしまったのです。本来は最高峰の「或る列車」なのですが。
でもこんな光景がありました。乗客の一人が記念日だったとのことで、シェフが1品持ってお祝いに来ました。やることは、やってるんですね。
私も加わって、一緒に拍手しました。「伊予灘ものがたり」をはじめ、多くの観光列車では、乗客全体の一体感を高めるために、軽く「みなさんもよろしければ一緒にハッピーバースデーを歌いましょう♪」と呼びかけるのが定番となっていますので。
まとめると、車両と料理は抜群。接客も悪くない。
でも高い料金を取るのだから、ミスしない応対・失礼のない接客だけでは物足りなかったということです。
他の感激した3本3の観光列車は、また近いうちに。
どっちにしろ、5月末までは車内販売の利用は難しいので、じっくりまとめます。