「或る列車」其の2 繊細な車内 | 車内販売でございます。

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車内販売を15年半で11000回を利用してきた「車内販売大好きな乗客」が書くブログです。 多数の観光列車に乗り鉄しています。

JR九州の豪華な観光列車「或る列車」に、長崎駅から乗り込んだ。その豪華さと、繊細な造りには、驚かされた。今回は「或る列車」の車両について。

 

【1】輝く車体

「或る列車」は、2両編成の気動車だ。金色と黒を基調とした、まぶしい車体と言える。

中途半端な列車を金色にすると、違和感が出ることもある。しかし、この「或る列車」は、華やかな金色で埋めるのに相応しい列車だろう。

車体の横には、「或る列車」のマークがついている。ハート形と星形の2つのロゴだ。

「JR KYUSHU  SWEET  TRAIN」という表現だ。

こういう凄い列車に乗れるなんて。ワクワクしてしまう。

豪華な車両だが、昭和53年に作られた古い車両を、全面的に改修して、作った車両になる。ここまで見事に生まれ変わるとは!

 

【2】1号車のテーブル席

私の席は、1号車のテーブル席だ。

1号車に一番乗りすると、すぐ写真を撮影した。

開放的なテーブル席が並んでいる。2人用テーブルと、4人用テーブルがある。

軽食と食器類が、すでに座席にセットされている。

私は2人用のテーブルを、1人で利用する。贅沢だなあ。

この日は、陽が沈んでからの走行は無かったが、トンネルを通過している時だけ、窓の外は当然真っ暗。照明で内装が大きく違った雰囲気になる。

 

【3】2号車コンパートメントの座席

隣の2号車は、仕切られた2名用の個室(コンパートメント)となっている。どちらが先とは言いにくいが、しなの鉄道の「ろくもん」に似ている。

コンパートメントは、通路の左右に並んでいて、障子を開いて入る。

雪見障子というようだが、木材を複雑に組み合わせた工芸品で、非常に手間がかかっている。

 

空いている席が一つあったから、中を撮影した。壁や座席は、1号車テーブル席と、ほとんど変わらない。完全に密閉される扉ではないから、さほど密閉感はなさそうだ。

もっと広角のレンズが使えれば、分かりやすい写真が撮れたのだが、ヨドバシカメラで3万円台で買った普通のデジカメだから、仕方ないか。

 

【4】組小細工の木の装飾

2号車コンパートメントの仕切り扉は、やはり見ていて細かく作られている。

「或る列車」のパンフレットには、「10歳未満のお子様はご乗車いただけません」と書いてあった。これを見て納得できた。小さい子だと、隙間に指を入れて、体重かけて、破損しそうな繊細な装飾だ。

1号車テーブル席の窓にも、繊細な木の装飾がなされている。

 

1号車のカウンター(厨房)前にも、ステンドグラスと組合させた装飾がある。これは、素晴らしく綺麗だ。

 

【5】カウンター

1号車の「厨房」の様子。ここで、更にスイーツをお皿に盛りつけをする。乗客が前を通っても、中の様子が見える。

 

2号車の「ドリンクカウンター」が、こちら↓。

黒を基調にしてまとめてある。コーヒーやワインは、追加料金なしでいただける。無料だと車内販売の利用にはならず、車内販売の「利用1回」とカウントできないので、困ってしまった。(贅沢な悩みだけど)

客室乗務員に「ホットコーヒーよろしく」と頼むと、この「ドリンクカウンター」に無線で連絡を取って、迅速な対応をしてくれる。

 

【6】棚の展示品

車両には、何か所も棚が設置されている。

列車の模型が、棚に飾られている。これは、「或る列車」のモデルとなった原鉄道模型博物館の模型だそうだ。

カウンターの隣の棚には、ワインなどのグラスが並んでいる。照明を効果的に使用して、棚のグラスが装飾になっている。

 

【7】洗面所

1号車の先頭には、洗面所がある。

トイレが2か所あるから、並ぶ必要はほとんどないと思われる。

トイレは、ガラスの扉を開いて外に出て、客室から全く目の届かない場所にある。さすが高級な列車のつくりだ。

大きな鏡もついた洗面所もある。木材でできているから、手入れは大変だと感じる。

 

【8】車内の灯り

車内の豪華な座席や装飾を、効果的に魅せているのが照明だ。

通路側の丸い光は、当初の設計には無かったものだそうだ。JR九州の社長がチェックして、もっと明るい方が良いのでは、と要望を出した結果、設置されたとのこと。

 

テーブルの下にも、灯りがある。ここまで、細部にこだわるのだから、感心してしまう。

 

【9】凝った天井

1号車のテーブル席の天井の様子は、写真のようになっている。一部が、灯りと、スピーカーが埋め込まれている。灯りは、料理が置かれるテーブルの丁度真上になっている。料理がおいしく映えるように工夫されている。

各区画の中央には、「四葉のクローバー」の形をした金属板が並んでいる。ところが、一部区画だけは、葉の枚数が7枚になっている。良く探せば他の枚数の区画もある。客の様子を見て、客室乗務員が「四葉のクローバー以外も、あるのです」と話を盛り上げるのに使う話題のようだ。

 

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「或る列車」を作るのにかかった費用は、6億円だそうだ。2両編成だから、1両3億円になる。これだけの費用をかけて造った「或る列車」、今まで乗ったどんな他の列車よりも上の、豪華さと繊細さに満ち溢れているのは間違いない。素晴らしい車内だった。

36000円払っても、高くはないと感じた。

 

次回の記事は別の列車になるが、近いうちに「或る列車」の料理と接客についても、まとめる。料理と接客も、車内の造りに負けない凄いものだった。