山形新幹線つばさ | 車内販売でございます。

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車内販売を15年半で11000回を利用してきた「車内販売大好きな乗客」が書くブログです。 多数の観光列車に乗り鉄しています。

 今回は山形新幹線「つばさ」を取り上げることにした。
 この6月に山形鉄道フラワー長井線で車内販売を利用するために、「つばさ」

に何度か乗った。当然のことながら車内販売を利用した。



 山形新幹線つばさは、東京から福島までは東北新幹線を走る。そして福島から在来線に入り、米沢を通り、山形、新庄まで運転されている。
 山形新幹線の車両は、在来線も走るため、車体はやや小さい。東北新幹線の座席が2列+3列なのに、山形新幹線は2列+2列だ。3列座席よりは座りやすいのは事実だ。

 3月ダイヤ改正後のJR時刻表によると、現在「つばさ」の全列車で車内販売が行われている。山形7:01発の新庄行「つばさ171号」も、短区間なのに車内販売アリだ。唯一深夜の山形20:25発の上り臨時列車だけは、車内販売がないそうだ。

 今回の往きは、東京発6:12の「つばさ121号」に乗車。この列車は、珍しく仙台行の「やまびこ」と併結していない列車だ。節約のため自由席を利用したが、平日で朝早いためか、東京駅発車時点で窓際にも空席が少しあった。日差しが入りにくい進行方向左側は、埋まっていたけど。

 「つばさ」の車内販売は、最後部のグリーン車付近から回るのが基本。自由席は一番遅くなる。「やまびこ」は、最後部の1号車・自由席にワゴンが乗り込み、自由席から回ることが目立つのとは異なる。

 今回は、小山付近走行中に自由席にワゴンが来た。出発して40分なら、遅いとは感じない。

 今回買ったのは、ホットコーヒーのセットで400円だ。

 コーヒーが310円というのは、やはり高い。だから、ビール280円が相対的に安く感じて朝っぱらから手を出す日もあるが、ただでさえ睡眠不足の時期で、眠気を誘うビールではなく、目を覚ますコーヒーにした。

 こんな時に使う手が、コーヒーセット400円だ。90円増しで、食べ物がつく。ワッフルだったり、カステラのようなお菓子だったり、その時によって異なる。この日は、山形のラスク類だった。美味しかったから、帰りにも頼んだ。


 帰りに乗車した米沢駅には、人気ある駅弁が多い。駅弁だけを売る専門の売店が2店もあるくらいだ。2店は別の会社だ。数年前、つばさの発着時にもかかわらず、売店のイスに座りながら大きな口を開けて寝ている店員がいて、「この人からは買いたくないな」と思い、もう一つの店から買おうとしたら、「その弁当はウチの品ではなく、お隣さん。ウチのお勧めは人気の××弁当」と説明されたことがある。

 今回は2店とも、好感が持てる接客応対をしていたので念のため。

 東京行に乗る復路は、今は完全な車内販売マニアなので、弁当は車内販売で買う予定だった。もし売り切れで良い弁当がなかったら、竹輪とジャガリコで降りてから牛丼でも食べようというスタンスだ。

 私は車内販売マニアではあるが、駅弁にこだわるマニアというわけではないのである。

 復路で買ったのは、「牛肉どまん中」1150円。かなり有名な弁当だ。味がしみ込んでいて、実に美味しい。上野駅構内の店で「牛肉どまん中」を買った時があるが、その時よりも数段美味しい。地元で買って食べたという気分の問題なのか、調理してすぐ食べたという理由なのかは分からないけど。

 山形新幹線「つばさ」の車内販売のワゴンは、「はやぶさ」「やまびこ」よりも一回り小さいそうだ。パッと見ただけでは気づかないが、よく見ると少し左右の横幅が狭いような気がする。

 行き東京発は普通のワゴンだったが、帰りの上り列車のワゴンは山形デスティネーションキャンペーンの装飾がなされた可愛いデザインだった。

 このワゴンは素敵だ。ビジネス客が多い東海道新幹線だと違和感がある装飾だが、山形新幹線だと温かみがあって良いと思った。
 このワゴンで気づいたのは、何がワゴンに載っているか、分かりにくい点だ。品物が横の客席から見えにくいのが欠点だ。腕が良い人なら、

乗客「えーと、何にしようかな」

販売員「お弁当、お酒、ソフトドリンク、お菓子、お土産品がございます」

乗客「冷たい飲物が欲しいのですが」

販売員「ソフトドリンクでしたら、コーラ、お茶、スポーツドリンク、リンゴジュースがございます」

このように、選択肢を的確に示して、何が欲しいのかを引き出せる。ただし、経験の浅い人なら、大変だ。


 山形新幹線の車内販売員は、有名なカリスマと呼ばれる人が二人いた。斉藤泉さんと、茂木久美子さんだ。山形新幹線に2人というのは偶然なのだろうか?

 もし必然だとすると、考えられるのは、主に次の3つだと思う。

(1)他の路線に比べて、ビジネス客の割合が少なく観光客が多い。

ビジネス客は売店で、少し安いビールと、品数が多いおつまみを選んで買う傾向にある。観光客は、比較的車内販売を利用する傾向がある。ということは、弁当や土産品の需要が高いことになる。

(2)本数が少なく、常連客は顔を覚えられる

東京から山形に行く定期「つばさ」は1日に15本。盛岡に行く「はやぶさ・はやて・やまびこ」は34本と倍以上だ。(仙台までなら更に多い)  だから、何回も乗る客は、販売員と顔見知りになりやすい。

(3)乗車時間が比較的長い。

「つばさ」の東京~山形間は、約2時間44分。

「やまびこ」の東京~仙台間は、約2時間4分。

「はやぶさ」の東京~盛岡間は、約2時間13分。

もちろん、新青森までの「はやぶさ」や、「こまち」と比べると短い。しかし、案外乗車時間が長い、ということは何回も回れることにつながる。