車内販売をする列車では、車内販売を行っていると放送で案内することが多い。多くの場合、車掌が列車の行先や到着時間などの案内を放送した後に、車内販売員が自らマイクを握る。
新幹線の車内販売のアナウンスは、原稿ができており、原稿を読むことになっている。現場の販売員が「こんな放送を流したい」という文も、チェックの上で利用できるそうだ。(齋藤泉氏の「またあなたから買いたい」より)
朝っぱらからビールを飲む客はごく一部だろうし、暑さ寒さも違うので、その時々に応じたアナウンスは、大切だろう。
普通列車グリーン車でも、原稿は決まっているようだ。決まっているのか直接質問したわけではないが、毎回同じアナウンスだ。
『本日は、総武線・グリーン車をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。NREより車内販売のお知らせをいたします。
ただいまグリーン車では、グリーンアテンダントのお勧め品として、クッキーサンド・マルコロを販売しております。東京駅・丸の内駅舎の復元を記念して、赤レンガをデザインした箱に詰め合わせました。
ご訪問先や御自宅へのお土産品として、どうぞご利用くださいませ。』
このアナウンスは、正直言って、上手い人と下手な人がいる。大勢の乗客が聞いているので、読み間違えたら大変と、緊張するものだ。
更にやっかいなのは、気持ちを込めすぎる放送は、買わない客から見ると「うっとうしい」と思われかねない。
気遣い最高の凄腕アテンダントさんの中にも、アナウンスだけはさほど上手ではない人もいる。才能が占める部分が多いのかもしれない。
それでも、使える技がある。「文節切り」である。
「ごほうもんさきやごじたくへのおみやげに」ではなく、「ごほうもんさきや ごじたくへの おみやげに」のように、ひと呼吸空けるのだ。車内の場所によっては騒音の関係で放送が聞き取りにくいが、これなら無理なく聞き取りやすい。
発声練習をするような大掛かりのものでないので、第一歩として活用できる。