【東大寺七重塔発見についての考察】
去る四月二十七日のネットニュースに、このような記事が載っておりました。
奈良文化財研究所が行なってきた約100年に及ぶ研究結果により、『東大寺の七重塔』の全体像が解明されつつあります。
『東大寺の七重塔』は“日本の建築史上最大級の塔”だと云われ、焼き討ちや雷等で焼失したとされていました。
復元図では、ずっしりとした佇まいで、安定感と力強さを感じさせる七重塔でした。
七重塔の『東大寺東塔』は、奈良時代の764年に創建され、焼き討ちによって1180年に焼失。その後再建されましたが、1362年に雷に打たれ再び焼失したとされています。
奈良文化財研究所の復元調査によりますと、七重塔は高さ約68mで、日本の建築史上最大級の塔だということです。(目黒新悟研究員談)
わたくしは東大寺の境内に、七重塔があったことさえ知りませんでした。先月25日に出版された書籍、『目覚めよ日本人』の文中にも書きましたが、日本最古の多重塔は、『大官大寺の九重塔』でした。
それに匹敵するほどの大きさを誇る、今回の『七重塔』には、どのような意味があり、仏教では『七』をどのように解釈しているのかを解説します。
そもそも多重塔とは、卒塔婆(ストゥーパ)と呼ばれ、仏教の開祖である釈迦が、荼毘に付された際に、残された仏舎利を納めた塚のことをいいます。そのストゥーパは、中国を経由し日本に伝播しますと、日本では一重塔、三重塔、五重塔と、木材(檜など)を使って建てられるようになります。
ストゥーパとは、サンスクリット語で「高く顕れる」という意味があるようで、仏教の世界観である悟り(涅槃)の境地を象徴しています。
そのような理由から、多重になればなるほど悟りが深くなっていき、七重塔はその最高の境地を顕しているのです。
そこで七重の塔の「七」には下記のような意味があるのではないかとも云われています。
仏教においても、例えば「初七日」や七日毎の七回法要の最後の供養としての「四十九日の供養」という形で「七」は特別な数字と捉えられています。また極楽浄土の荘厳さを表現する際の喩えとして、七種の宝「七宝」があります。それは『無量寿経』に出てくる、「金、銀、瑠璃(るり)、玻璃(はり)、硨磲(しゃこ)、珊瑚(さんご)、瑪瑙(めのう)」とされ、『法華経』においては、「金、銀、瑪瑙、瑠璃、硨磲、真珠、玫瑰(まいかい)」とされています。
このように仏教の思想観では『七』にこだわりを表しています。
さらに一重、三重、五重、七重は、全てが奇数でもありますね。これは日本では奇数が縁起がよいとされていたためだと考えられます。
また、7世紀から8世紀にかけて、日本国内で、1000に近い寺院が建立されましたが、大半は三重と五重だけでした。その為、日本で現存している木造建築の塔は、三重と五重が多いのです。
七重塔は、「国華」と称された国分僧寺に造られたもので、九重塔は、東大寺や大官大寺(奈良県明日香村)、吉備池廃寺(別名百済大寺「奈良県桜井市」)など、天皇家などが威信をかけて造った、超巨大寺院にのみ建てられたようなのです。
七重塔や九重塔が現存しないのは、先に述べた、高い建物は雷の被害を受けやすかったことと、高層建築を維持できないような構造上の欠陥があったからだといわれています。
例えば、全国の国分寺の七重塔は、高さ60m程で、現代のビルでいえば20階以上に相当するそうです。
これだけの高層建築を、1000年以上も維持するのは、現代の技術をもってしても不可能かも知れないのです。
近年、定説の古代史を覆えすような発見が相次いでいます。悠久の古代日本史に浪漫を感じます。
合掌
釈 正輪 拜
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