音楽史における古典派時代とは1750~1820年頃までを指し、バロック時代とロマン派をつなぐ変革期である。最大の特徴はこれまで貴族や教会のモノであった音楽が一般民衆に広がりを見せたこと。ルネサンス期やバロック期においては、教会や貴族の為に宮廷に雇われて音楽を作るのが音楽家の仕事であった。

 しかし、貴族の力が弱まり市民の力が強まるにつれ、音楽は教会の為ではなく、民衆の娯楽の為、芸術の為の音楽に変化していきます。それに伴いクライアントの為に曲を書くいわばサラリーマン音楽家は終焉の時を迎え、各々の表現が重視される「アーティスト」に変化した。

 それに加えて、フランス革命やイギリスの産業革命といった欧州情勢の劇的な変化により、音楽家という職業も大きな影響を与える。

 

 

時代背景

・産業革命

・フランス革命

 

 

音楽の特徴

 音楽は長い間、教会がミサなどで使う楽曲であったり、王侯貴族がサロンやオペラで楽しむものであったり、一般市民が音楽を耳にすることは極めて難しいものであった。しかし、18世紀後半から始まる産業革命などで市民層が力を持ちはじめると、教会や王の力が低下し、市民が社会を動かす時代になる。そうすると、市民はお金さえ出せばコンサートに行くことができ、楽譜や楽器を買い、贅沢な嗜好として音楽を楽しめるようになった。

 また、市民が社会中心になるということは、世の中の嗜好も市民層の好みに変わってきます。バロック時代に王宮で流行ったシリアスで高貴であったオペラも、古典派時代になると、庶民にもわかりやすい喜劇的なオペラが流行るようになった。

 この時代は市民によって音楽が生まれ、市民のために音楽が存在し、市民が楽しみ、心へと訴える音楽へと進化していったことが最も大きな特徴です。

 

ソナタ形式の誕生と交響曲の誕生

 交響曲の原型は、バロック時代からできており古典派の時代になって完成を見せるのだが、ソナタ形式は古典派に入ってからはじめて登場する。

 そして、楽器も大いに発達し、声楽曲中心から器楽曲中心へと移りかわり、交響曲以外にも、協奏曲、弦楽四重奏等といった音楽スタイルの楽曲が数多く生み出される。この頃は作曲家の世代交代の時期で、バロック音楽は時代遅れと評価されるようになります。バッハでさえも同様で、再評価されるまで100年以上の月日がかかりました。

 

ピアノの誕生

 チェンバロ(ハープシコード)の楽器が進化し、フォルテピアノ(現在のピアノの前身)が開発され、後の音楽に大きな影響を与えました。

 

わかりやすいメロディの音楽へ

 バロック時代や前古典派の音楽は、通奏低音に支配される低音が目立った上でのメロディなので、主役のメロディはあまり自由感がない。古典派の時代は、通奏低音が衰退する。メロディと低音の比重が変わり、メロディの比重と独立性がかなり高くなった。また、対位法的な技巧も最小限にとどめられるようになる。

 その結果、気持ちよく歌えるような軽快なメロディがたくさん生まれた。メロディに低音や伴奏がつくという現在の音楽スタイルとなるのが、この古典派音楽の時代である。

 

シンフォニア

・交響曲のルーツ

・イタリア・オペラの序曲のことでオペラとは音楽関係がなかったので切り離しやすく独立して演奏
・イタリアのシンフォニアがドイツに輸入され、大きく発展