狼少年が狼と暮らすことによってしだいに狼になっていくように、
われわれもまたこうしてゆっくりと機能的になっていく。
-ボードリヤール
お前は詩人に、希望、若さ、生命を注ぐ。
―そして傲慢という、あらゆる売淫の宝を注ぎ、我々を勝ち誇らせ、
神々に等しい存在にする
-ボードレール
「人間を人間の家畜足らしめようとする徳の不在化や形骸化、果たしてDNAのようなミームなのかマグマのような集団や個人、生命のイドなのか。
徳の不在というのは、文化の喪失から起こる事なんだろうが、生れ付いた社会の様式、仕来りが文化的であるより経済社会的というか物質文明的な面から不十分に学ばれているということだけでなく、実際そうした外見よりも中身としての文化的教育の過程での仕方の問題かもしれないね。
南米などの血で血を洗う革命の歴史故に、東洋のような文化を持たない人達にも人間として尊敬せずにはいれない徳、品性、文化性を有した方が沢山いる。
・・・なかなか歯ごたえのある、
重要であると同時に浮薄な問題だ。
よく複雑さというのは深遠さと間違われがちだからね。」
ロマチェンコはやはり特別な選手だね。
いや、
特別だ。」
「彼の異常さを説明する前にその他の試合内容をひっくるめて説明してしまおう。
今回のポストファイト考察はいつもながら抽象的だが、ボクシングはスイートサイエンスという位だから具体的にってわけにはいかない。実はサイエンスほど抽象的なものなんですよ。
先ず、ブラッドリーに関しては、予想の回で考察、そして期待したような変化が現れ素晴らしかったが、さすがに悪い癖がしっかり残ってるのでパワーを殺す要因になる。が、このままアトラスとやっていけばますますご清栄ですかな。」
「リオスは計量から
試合当日の一日で23ポンドの増量というのは、もうあんちきしょうにとっても危険であるし、そもそも階級生というのはフェアでスクエアに同じ階級の者同士で試合しまひょっちゅう事であるわけやから、んなインチキ誰かがやっとったら皆やらなまともな勝負ならへんっちゅう事で、そろそろコミッションとか承認料団体が本格的に前日計量設けたみたいに追加の処置を積極的にもっと取らんと治まらないでしょう。
それか、ネットワークがそういう風に持っていく努力するのが一番現実的なのかも。」
「同日に同じアメリカで村田と小原の日本勢も試合。
地域タイトルクラスなので世界王者級のロマチェンコやブラッドリーに比較して日本勢と括ってしまっているが、なかなかどうして面白い内容の試合を両者演じた、勿論、結果も含めて。
日本が誇る金メダリストである村田は、
当ブログを読んでいる方はお判りだろうが、
ボクシング原理主義が唱えていた、ゴロフキン、ロマゴンを筆頭とする新しいファイタースタイルの時代の到来 aka ボクシング版シュトゥルム・ウント・ドラングの極東の担い手として注目していた。
現在も勿論そうだが、
最近は自身も気を落としたように、
同じように金メダリストであり予想を超えた実力を発揮しているロマチンやジョシュアなどに比べると、圧倒するという意味では確かに見劣りしてしまう。
ただ、試合自体は面白い内容である。
やはりフットワークが弱いために、ガード主体であるにもかかわらずダメージを殺せないタイプである。スタイルとしては、キトロフやその他のオリンピック勢を見てもわかるように村田が金メダルを獲った時点からのアマチュアボクシングはガード主体のボクシングであり、パンチも相手のガードの上からでも通る、通すという類の型である。
今回村田のパンチは相手のガードに対してX字型の照準を定める南米チックなオフェンスとロマチェンコやキトロフも多用する相手のガードを打たない方の手で操作するガードマニピュレーション。相手のジャクソンが、次のパンチを肩で隠す事で繋げる村田の方法をそのまま返して来たり、それをよく当て意表を突いたりできたので、隙があるのはそうだが、しっかりそれで競り勝っているので村田の型の基礎力の高さが覗えた。
しっかりと自分を支えている村田のボクシングは相手に支えてもらったりもたれかかってくる事で距離が不規則な相手には手を焼くようである。」

「小原は序盤相手に後れを取るが後半には大多数が小原リードという流れをつくったので、安全運転したのが裏目に出て引き分け判定。ジャッジの一人が小原支持で二人が引き分けのマジョリティドロー。
支持したジャッジも僅か2~3点差というのも驚かれている。
pbc公式ツイッターでも大体が小原支持であった。
ここで、前回に引き続き待ち拳の問題性と要領性を記述したいが、
待ち拳とは大体は相手に試合を作ってもらいおいしいところをインターセプトする形で
ダメージ換算の要領性で勝つという物である。
この時、相手にも大きなパンチを当てさせてしまっては実際のダメージはともかくとして、自身がインターセプトという非常に効率的なアプローチをとったために採点はファイトよりはボクシング的に取られてしまう。この時、足だけでなくジャブを使わないと移動が逃げ腰に取られる危険性などで相手に攻勢点を譲る形に陥る。
この良い例が、ガルシアと試合したピーターソンや、かの有名なジュダーのアウトボクサーパンチャースタイルである。」
「今後アメリカで試合する選手は、やはり敵地であるという事を忘れないでリードしたと思って安全運転をする事はリスクと隣り合わせというおを肝に銘じておく必要がある事を教えてくれた試合だったね。
アメリカで日本人とニカラグア人が試合したのだから中立かと思いきや、思わぬ政治力が働いたのか。これが同じ日本でも帝拳などだったら違っていたのか?というのもなんだか考えさせられるところだね。
・・・さて、
やっとこさ、ロマチンの話ですが、
常に攻め続けながら被弾しない。
多彩で的確そして膨大な手数、フットワークに角度、出入りの多様さ。
相手をロープに閉じ込め、最終的にはどの試合も相手に戦意喪失させて試合放棄にまでおちいらせるリングジェネラルシップ。
今回上記した事で目指すべきとされる事は全部やってのけている・・・。」
「なんというか
理想の完成に向かって絶えず努力してるのが分かるね。」
「目的も手段も見えてる人なんだろう・・・。
リゴンドーとやったらサウスポー対決で直線上ならリゴンドーがクイックネスや踏み込みやボディ打ちとその技術で優りそうだが、現在吾々としてはロマチン推しにならざるをえないね。
階級が違うし、戦法も違うが、現代のハグラーとでもなりえそうな完成度です。
全く素晴らしい選手ですな。」
おまけ