エートス | ボクシング原理主義

ボクシング原理主義

ボクシングの原理原則に則っとりながら技術論や方法論を分析考察。技術や意識の向上を目指したい、いちボクサーの見識メモ。
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「ロゴス、パトス そして エートス。


そこに答えがあるかないかよりも、その問い自体が正しいかどうかという事の方が問題なのですなぁ。


フォーク。

風習、伝承という風に多くは口伝に、人から人に語り継がれる最も素朴な芸術とその学問。
音楽などでは他の伝統的なものに比べると正当な基礎を持たない分敷居が無く、誰にでも習得・親しみやすいものでその交配・包容力と柔軟性で世界的な流れである。

それは吟遊的、抒情的。

ボクシングにおいてもジャズのように上質なものほど理解されにくい状況とフォークのようにそういう壁を越える表現力を持つものとがある。




リゴンドーvs天笠

マット・コロボフがアンディ・リーに大番狂わせのKO負けを喫しましたが、あの試合では両選手含めて誰もがその一発しかリーにチャンスは無いとわかっていた状況で当てた一発。

それは大きな試合で勝った試合は全部このパターン、序盤は相手に自分を弱いと感じさせておいての突然の一発、で勝ってきたが不発の時は打ち合いというリーのプレーンなクオリティとその中にある闘志を体現していたように思える。コロボフも優しさなのか下心なのか、妙に格好つけた闘い方をしていた。

リゴンドーと天笠の間のボクシングの開きはコロボフとリーのそれよりも大きい。

ボクシングの種類で見ればリゴンドーは彫刻のような精密さと大胆な自在さ兼ね備えたクラシックやジャズといった感じだが、その人間にはブルースやラテンフォークを感じさせるリアル・ワーキングクラスヒーローという雰囲気がある。

天笠のボクシングはプレーンなフォーク。

体もしっかりまとまっていて思い切りや勢いがあるし、出来る事とできない事が明瞭な分逆に相手に翻弄されなさそうだが、ポジショニングがどうかというところ。攻めるか逃げるか。止まったら負けだろう。

やはり鍵となるのはリゴンドーので方で、
リゴンドーはコロボフと違って相手にデイフェンスが無いと思ったらすぐに終わらせに来る隙を遊ばない勝負師なので、天笠が変わった事をしたら直ぐに攻め入りそうである。

コルドバ戦、マロキン戦を観てもリゴンドーは火力がやはり高く、あのディフェンスも半分はオフェンスによるものである。


予想はリゴンドーKO勝利





大晦日に格闘技、ボクシングがバンバンやってるのは世界広しといえど多分日本くらいでしょうが、今回のボクシング・イブでダントツ一番の注目試合はやはり井上vsナルバエスの兄貴対決。

井上は階級あげていきなりナルバエスというのは果敢なマッチメークで恐れ入る。
が、個人的にはナルバエス有利予想

井上は身体能力をとってもボクシングをとってもオールラウンドな感じですが、プロでは今までやってきた中でナルバエスのようなタイプは今回が初めて。

つまりナルバエスのプライオリティはディフェンスなのである。
クオリティはそれだけでなくオフェンスも巧で忙しくボクシングの勝ち方を知っているという感じのものである。

井上得意の左フックやボディはナルバエスも注意してくるだろうから、お互い相手のジャブにクロスなどパンチを被せ合う展開が予想される。

井上が突破口を見いだせるかというのと、ナルバエスが後半どうなるかというのが見所か。
若くてフィジカルのある井上が初回から圧力と迫力でナルバエスを驚かす事が出来れば相手をこじ開けたり後半失速もあるかもしれませんが、ナルバエスはテクニックという保険つきなのでなかなか難しそうですな。ただ、井上がこれに勝てば価値のある事である。




少し前にはヘレーラがガルシア戦に続いてべナビデスJr戦でロブされて、
ブラッドリーがチャベスに頭突き合戦でいわされてまさかのドロー判定。

カーンは圧倒的でサーマンのブンドゥ戦はあんな事されたら仕方ないというかサーマンも無難にカウンターを使ってほぼフルマークで文句は無い。が、カーンだったらブンドゥこじ開けていたかもしれない。

スペンスは強いがおそらく距離感が良くないのであのスタイルという疑いが確信に変わった。

マレスは巧いし強いし面白いしで感心してしまう。

それにしてもボクシングは噛めば噛むほど味が出ますなぁ。」




おまけ