ラッセルJr vs ロマチェンコ 考察・予想 | ボクシング原理主義

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「・・・そろそろ遂に、待ちに待った

ゲイリー・ラッセルJr


                    対


                              ワシル・ロマチェンコ


ハードコアサウスポー対決。

構図は
ラッセル先生がアウトボクシング
機動戦士ロマチェンコがインファイト



予想ですが、
文字の色のようにラッセルが鉄火の如き連射で長めのインゲージを死守したい怒れるアウト。
ロマチェンコが冷静に忍び寄るように計画的な接触を図り相手を仕留めたい冷徹イン。

ラッセルはいつも通りそのボクシング界随一のハンドスピードで相手をアウトパンチして距離を置く事で出来るだけ12ラウンド丸々使いたい筈。

ロマチェンコはこの距離を潰してその精密・緻密な接触で相手をスマザーして崩したい。


ロマチェンコはスタイル的にタイソンのように初っ端から攻め入ってもいいが、お互いにリズムを殆ど取らないために様子見の展開が発生する筈。お互いよっぽどパンチを効かされるまではリズムを崩すようなレベルではないからこの場合は距離が欲しいラッセルが断然有利。よってロマチェンコとしては出来るだけ初めから飛ばしてラウンドを掻っ攫った方が得策なのだが、それを防ぐための練習をラッセルもしてきたはずでリゴンドー対ドネアのように初回とった方が断然有利な試合のように思われる。」


スペックとしては、


接近戦での差し合いはロマチェンコが上。

パンチを繰り出し続けるラッセルのフットワークも凄いが、移動しながらの攻撃・機動力ではロマチェンコのほが幅が広く柔軟。


つまりフットワークもロマチェンコが上だと思う。」


「これが今回の考察・予想の難解な点で、つまり、リングジェネラルシップの不透明さである。

モチベーションと経験でいえば、ロマチェンコはサリド戦で素晴らしいものを得たと思う。そしてそれはオブザーバーも同じで我々は



ロマチェンコが動きの中での差し合いでサリドにパンチを容易に効かせながらも

               
               平然とそれを誤魔化されたり

  ボディに対する集中攻撃に対して反撃出来ずにいるのを目撃したのである。

これは明確な弱点であるが、ラッセルにはこの弱点を突く事がおそらく出来ない。

インファイトの精度と相手を追いつめる足ではロマチェンコであるから、ラッセルは相手を下がらせたい。そうするとラッセルはアウトパンチャーであるからリング中央を取ってそれを行わねばならない。跳び込んでも腹に追いつけないからである。

しかし、教科書的な上体のフォームと機動性を誇るユーロの白い悪魔(ロマチェンコ)相手となると流石のラッセルも一か所に留まるような危険は冒せない。井岡対アムナットのように中央を陣取るリングジェネラルシップが仇となる可能性があるからである。」


「サリドは、

                     構えが相手よりも低いクラウチで


   さらに頭を相手に向けるという攻防一体性を持っていて


その頭突がくるのかパンチがくるのかわからない構えから

本当に頭突きしてくるという荒業(*注:ローブロー付き)で
ボディ打ちまで持ち込んでガンダムの足を止める事に成功したわけで、サリドに出来たといってラッセルに出来る事ではないと思える。」



「こう見ると勝機はどう動いてもリングジェネラルシップを取れそうなロマチェンコの足にあるように思える。

が、逆にラッセルはどうせ下がれば極端に不利なのとリスクがあってもそれを埋めることができる手数にハンドスピード、ここまでの戦歴であえて培った強引にでも戦局を圧して流れをつくる心構えがあるので予想はラッセルの判定勝利。

12ラウンドをフルに使っても最後強引にKOを狙えばアウトパンチしすぎてメルドリック・テイラーのような戦術的な打たれ弱さを見せるかもしれないが、それもこの試合の見所だろう。



メインのゲレロvs亀海。

普通に考えればゲレロ。

ムニョス戦ではジャブ、シルバ戦では東洋ならパンチが飛んでこないところでパンチが飛んでくるというボクシングの性格の違い、ペレス戦ではフットワークで相手のリズムに完全にはめ込まれるという感じで最近はショルダーロールが空回り気味の亀海。しかもサウスポーなのでショルダーローはあえて封印すべき相手。

ただゲレロもメイウェザー戦以来の試合で亀海がフットワークとジャブといった基礎を上げてボクシングで前進ができるようになっていて近距離に持ち込めば案外善戦するのでは。亀海のパンチ力に期待。」





おまけ