メイウェザー対マイダナ:ポストファイト考察 | ボクシング原理主義

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「今更ですがメイダナのポストファイト考察。

マイダナの戦法力が輝やき、メイウェザーのはオールラウンドなケイパビリティー故に翳げった陰陽な試合。


マイダナはしっかり準備し、ショルダーロールを崩すのに必要とされる変則的なパンチの角度手数フェイントといった全てを一つにしていた。アルゼンチ二アンなのにまるでメキシカン・ファイト・ボクシングを体現したような動きであった。

マイダナの具体的な戦法ですが、

メキシカン特有の(アルゼンチ二アンですが)体を倒す事でパンチに距離と威力を付加するパンチをエクイス(相手にバッテンを描くマキシカンのコンビネーションメソッド)で打っていた。目のフェイントもあり、顔を見ながらボディー・腹を見ながらテンプルなどと巧妙で距離を潰した際のメイウェザーの状態に合わせて攻め方が訓練されており素晴らしかった。これがこうも上手くできるのもロバート・ガルシアに付いてから確立したジャブのおかげで、フォーリングステップから打つそれには中々の距離があり更にはその後に上体を倒しながら相手に接触することを可能にしている。



つまりマイダナはただパンチを振り回していたのではなくて、そこには一つ一つの動きが持つ距離を大事に扱うというボクシングの緻密さが大胆過激に確立されていた。


まぁ目に余ったのは反則行為。
頭突き・ローブローにラビットパンチ、二人で縺れて転倒した際に殴り続けたり膝蹴りしたりと見え見えの故意。
最悪だったのは肘を巻き込んで折ろうとした事。
(*ムラットがホプキンズに同じ事をした時、倒れこんでそのままホプキンズの腕を折ろうとしたがそれを一瞬で見切ったホプキンズが一緒に倒れて回避し更に加撃。そのまま相手コーナーに歩いて行って「どんな教育しとんねん」と目で言ったシーンは見ものです)

ただ、このダーティさというのもメイウェザー攻略の要素みたいに当たり前のように言われていて・・・なんだかなぁという感じです。」



「メイウェザーの方はあまりに受け身で、

確かになんでも対処出来るような能力は素晴らしいが、だからと言って終始受動的に試合をしたんでは能力があってもペースを支配できない。」



「ただ、それでも負けないところが凄いところでもある。

この試合は引き分けもありとかマイダナが優勢だったとみる意見も多いが、マスト採点では大きく有効なラウンドを少なく取った方よりも紙一重でも上回ってラウンドを多くとった方に軍配があがるので、まあ文句なしでメイウェザーである。ただ能動性とダメージでみれば明らかにマイダナのほうが攻勢だったし終始リズム、ペースとも支配していた。

戦法・戦術・方法論的な内容としては決して褒められたものではないが、結果としてはメイウェザーはペースを取られて普通なら倒れているようなパンチを何発も貰っていたのに勝つという離れ業をやってのけた。ボクシングにあってリズムとペースを相手に取らせていながらもクリーンに勝つというのは大変変則的な勝利過程であり、メイウェザーの保険的な技術力とバイタリティが垣間見えた。

逆に、コレで倒せないならどう倒すのか?

マイダナの戦法は対メイウェザーとして非常に素晴らしく、そのなかでも最も完成さえれていてメイウェザーの方もその戦法がめっぽう効果的になるような受け身の状態であったのにもかかわらず倒せなかったのを見ると、やはり打倒メイウェザーはアウトボクシングで優る必要があり、カーンかなという感じである。

マイダナと再戦すれば普通にメイウェザーの方から動けば終わりそうだし、戦法には戦法をと、ブローナーだってそうすればマイダナに勝てそうだと思える。」



ところで来週はもうコットマルチネスですが・・・




流石にサイズの違いがあるので難しい予想です。

コットは金的クラウチを封印することで手に入れたフットワークにモビリティ、アジリティがあるのでコットが難なくマルチネスの動きに反応して追いつめる展開になりそうですが・・・



わかりません。



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