「人は、愛ゆえに憎しむのである。 愛故に・・・。自他共に認めるアンチ・ブローナーであるこの私が、始めのダウン以降ブローナーを応援していたのである!
ブローナーよけろーーーっ!!」

「クローン・メイウェザー街道を突っ走って来たエイドリアン・ブローナーがマルコス・マイダナに敗北。
ウェルター級の洗礼、階級の壁。
スコアは109-117、109-115、110-115
三者一致でマイダナを支持。
ブローナーは2回と8回にダウンを喫する。」
「意外な形で個人的に希望していたジュダー対ブローナーに近づいた感じである。
マイダナはサーマン戦、或いは、ミスマッチだがストーリー的にはメイウェザー戦も可能性が出てきた。勝てる見込みは限りなくゼロに近いだろう。
・・・
エイドリアン・ブローナーは幼少の頃よりボクシングに親しみ才能を発揮、それと裏腹にアマチュアのトーナメントなどではトップに立てず。
学業においては、16歳で大学に入学するほどの俊才であったらしく、これを数ヶ月で退学になる。
18歳の頃には犯罪を犯しムショにぶち込まれ、出所。
生まれながらの舎弟肌とでもいうか、何でもこなす要領の良いタイプだが、何でも一番にはなれないタイプなのかもしれない。プロボクシングも要領が大切だが、それだけでは良くて中堅止まりという事だろうか。
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スタイルとしては、体のテコを使う半身であるブローナーのスタイルは正面突破方のスクエアであるマイダナのスタイルに対してはとても有利だ。ところが試合の結果をみれば、スタイルを扱う選手の能力自体が拮抗していなかったという事だろう。
Showtimeのコンピュボクススタッツでは
Broner [149/400, 37%]
Maidana [269/964, 27%]
となっている。
試合も数字通りの消極的内容だったように思う。
今更ブローナーの能力の欠陥に驚く事もないだろうが、実際に負けるのを観てしまうと結構悲しいものです。
それでは、
以下はボクシング原理主義的採点結果。」
勢い良く飛び出して来てブローナーを圧倒。そのまま2ラウンドに左フックでダウンをスコア!
10-9、10-8、マイダナ。」
「ダウンをスコアしたのは角度を取っての左フック。
ボクシングにおけるフィニッシュブローは実に洗練されている。
ソトカラスを倒したサーマンの相手の反応を見越してのサイドへのステップを見てもそうだが非常に角度というものを重宝するのである。
今回マイダナが使った角度の取り方は到ってベーシックなもので、
何度か突進してから右オーバーカットや左フックで相手を充分仰け反らせてから、次の突進でフェイントなどを利用して半歩でいいから左右の角度を取ってからのフック。
これはL字ガード崩しの常套手段だろう。
戦前に予想はされていた展開だろうが、こうも上手くいくものかという感じである。
練習でなら自分でつくらねばならない角度だが結局はポジションニングであるので、実戦では相手が動く事で相対的に目標とする位置関係が始めから出来上っているのであればそのままフィニッシュを行える。
パンチ自体はフェイントからのフック。
そのフェイントとは、マルケスやジョニゴンなどのメキシカンが使うボディを打つ動きと目線から両腕を翼のように広げる動き。
ボディジャブをフェイントしてから左フック、続けて右。
相手を追いかけた時に角度が見えたのでそのまま膝を落とす事でボディブローと見せかけて、更に、右の手を引く事でこれもフェイントにしたまま最初に曲げた前膝で飛び込んで左フックをスコア。
途中マイダナの後ろを取って卑猥なパフォーマンスをしたブローナーだが、苦し紛れのペース支配への試みとでもいうか必死のパッチ!」
10ー9でブローナー。」
「ブローナーがリング中央を取り始め、スタイルの有効性を利用し始める。逆にマイダナは失速。スタミナ配分とか言われていたが、疲れただけという風にも見えた。ボディを打たれた時の反応やスタミナの無さなど、この分かり易さがマイダナ最大の穴だろう。アクションをプレスする事が出来る相手ならパンチが無い選手でもマイダナを終わらせる事ができそうである。」
10-9、10-9でマイダナ。」
「ブローナーの手数よりマイダナのパワーを取っての採点。
ブローナーがスタイルの中に隠れてマイダナの穴を付き盛り返してきている感があったが、リング中央を簡単に出てしまう。この事でスタイルの優位性を発揮できないところにブローナーのフットワークと、何より世間では声高に叫ばれ勘違いされている彼のパワーの問題があると思う。それでも冷静にアクションを起こすブローナー。
6ラウンドはドローをつけた。10-10。」
「出だしは良いマイダナ。しかしスタミナがなく、ボディもとても打たれ弱い。
ところで、この試合はマイダナが絶え間なくローブローを放っていて、その多くがベルトライン、中には脚を打っているブローもあった。いつもならレフェリーを叩くのですが、これまでの試合で反則行為を何度も見逃されてきていたり試合前のレフェリーのインストラクションを聴く態度や試合前後の行儀が完全にパフォーマンス化してしまっているブローナーにはあまり適応されないのかも知れない(気持ち的に)。
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問題の第8ラウンド。
又も左フックでダウンを奪うマイダナ。
ディフェンスワークの中に潜り込んだ状態からのパンチにブローナーが対処できなかった形。
その後、しがみ付くブローナーを解こうと頭突きを食らわすマイダナから減点。
結局1ポイント差の9-8でマイダナというラウンド。
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9、10ラウンドはマイダナ。
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11、12ラウンドはブローナー。
マイダナも大きなパンチを数発ヒットさせるがブローナーのラウンドを通しての手数とピンポイントさを取った。」
「ケンカに負けたブローナーは病院に搬送されたそうですが、階級を無闇に上げた先のウェルター級での二戦目で猛獣マイダナを相手に負けたんだから(無謀だったかもしれないが)勇敢だったんでは無いだろうか。
素晴らしい才能・カリスマであるし、又強くなって復活してもらいたい。
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アンダーカードの初期クリリン、ベイブット・シュメノフは3回TKOで快勝。
1、2、3回それぞれの回でダウンを取り、WBAライトヘビー級スーパータイトルを獲得。
熾烈さを増すライトヘビー級において、バーナード・ホプキンズとの対戦が期待される猛者中の猛者。
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レオ・サンタクルズはユナニマス判定勝利。
WBCスーパーバンタムタイトルを防衛。
相手のシーザー・セダはフットワークが良かったがリゴンドーのような独特のバランスの運びをする部分があり、5回にトリップでダウンを取られてしまう。ブローナーやディブのように手に能動性が無く、中途半端という意味でバランスが取れている。
サンタクルズはこれから誰と絡むのやら。
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キース・サーマンはへスス・ソトカラスを9回TKO。
WBAウェルター級暫定タイトルを防衛。
今回見事正規王者になったマルコス・マイダナとの統一戦が行われるのではないだろうか。
サーマンのパワーはやはり本物だろう。
前回のチャべス戦に続いて危うく見えるアウトボクシングを後半まで繋ぎ、自分が疲れているように見えたところでKOに仕留めてしまった内容。
アウトボクシングの技術は『ある様で無く、無い様である』といった掴めない印象である。
これは、サーマンがパンチを捨てないのが理由だろう。
・・・サーマンはパンチの的中率が非常に高い。
基本的にあらゆるベーシックとテクニックを身に付いている感じだが、相手を倒して試合に勝つとうというメンタリティーが見て取れる程に全弾当てるつもりのボクシング。アウトボクシングの時も之なので、リードはリバースなどのカウンター、クロスも叩き込むカウンターという風にパンチを捨てないで当てるつもりなので相手を引き込みすぎる。
これは流行の省エネボクシングをする選手の多くが陥る抑止能力の欠落を招くが、サーマンはこの状態でも強豪相手にアウトボクシングを続けて自らも被弾を受けながらでも着実に相手を崩す事ができる様だ。
ソトカラスの一定だが休まないペースとそれぞれ別々の伸びとタイミングを持つ事で把握し難い諸々のパンチを何度も肩越しや腹に当てられていたが、それには良い意味であまり気を取られないで自分のペースを保っていた。
動き続けることが出来る脚と技術、打たれ強さとスタミナ(少し不安)、後半でも相手をワンパン出来るパワーはやはり本物のようだ。
・・・
ウェルター級はこれからまだまだ注目選手が出てくるようだ。
この興行の前日にピピノ・クエバスJrを初回内臓破裂ストップしたエロール・スペンスJrも今年8試合を消化して順調に上昇している。勿体ぶって時間をかけて雑魚と試合する路線で世界王者をつくってからは実力の関係で相手を選ぶんではなく、王者になってからはガンガンビッグマッチを行えるように積極的な下積みを積ませるアメリカンホープ育成方針は素晴らしいですなぁ。
高速台風ダニー・ガルシアが通りすぎて静まりかえっていたスーパーライト級も、カリム・メイフィールド対ヘンリー・ハンク・ランディーの対戦がハイプアップされている。実現せよ!」
おまけ
