ゴール:パッキャオ対リオス考察 | ボクシング原理主義

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ボクシングの原理原則に則っとりながら技術論や方法論を分析考察。技術や意識の向上を目指したい、いちボクサーの見識メモ。
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 「たった幾つかの敗北が致命的であり、ただ勝利し続ける事の積み重ねだけがキャリアであるボクシング。
 
人は、人生の途上においてゴールを設置し、そこに向かって邁進する。
いくら努力しても潜在的な何かによって軌道を反れてしまったり、時として、思わぬゴールをスコアする事もあるだろう。」


「週末は遂にマニー・パッキャオブランドン・リオス

 




リオス戦の向こうにメイウェザー戦というゴールを見据えているパッキャオ 

VS
 

この試合に勝利する事が現在最大のゴールであるリオス

パッキャオがリオスというゴールキーパーを通過しゴールを決めるのか、リオスがパッキャを叩き落としてしまうのかという一戦。

アンダーにゾウ・シミンアンディー・ルイズJrの試合があり、セミにはエフゲニー・グラドビッチビリー・ディブの再戦がある。

英国ではカール・フロッチジョージ・グローブスが激突し、アンダーにはヘビー級注目株であるアンソニー・ジョシュアの試合がある。」






 「パッキャオ対リオスの考察ですが、

今回はボクシングにおける打たれるメリットについて考えてみたい。





一般にボクサーとファイターが対峙した場合、

普通ボクサーは『打たれないよう』に意識して
ファイターは『パンチを当てよう』と意識する。

パンチを闇雲に振ってでも当てに行くファイターとそれを避けて隙を突くボクサー。
この意識を理解する事でペースを支配する事が可能となる場合がある。


例えば、
額を相手に向けて突き出す『とても前傾姿勢のボクシングスタンス』の選手がいる。
彼は、試合開始とともに相手に駆け寄り相手のパンチの届く距離で『今にも走り出しそうな』構えをとる。彼の目的は『パンチを当てられる事』で、『パンチの当たるタイミングと距離を知る』事だからである。

相手の頭や立ち位置が一定であり、こちらは『どうせ打たれても良い部位を打たせ避けるつもりがない』のであれば、相手のパンチの出所の変化に翻弄される事なく勝負できて、フットワークが無くて普通にボクシング出来なかったり、ラフファイトする分にも肉体的に強靭でもなくパンチを普通に打ってもまず相手に当てられないレベルの者でも、『相手に打たせてそれに被せれば』リスクを制御しつつもより計画的に自分のパンチを当てる事ができるのである。」


「要するに、

 頭を相手にワザと打たせてあげて、それが当たる瞬間タイミングにして頭を動かしてディフェンスにしたり、カウンターを入れてオフェンスにしてしまうという方法で、相打ちを辞さない精神の持ち主にはもってこいの戦法だな。」




 「最も原始的で効果の高い方法ではあるが、正直、本当のボクサーを相手にした時には通用しにくい計略的な部分が多く根本解消されやすいためにテクニックとは呼べない代物だ。
 

タイプを問わず誰にでも出来るけども、どちらかというとファイターやボクサーファイターと呼ばれるタイプが好む肉を切らせて骨を絶つ戦法である。結局、前傾姿勢でパンチをいつでも発射できる状態のボクサーファイターの原理は相手がコチラに体重をかけてくる事が前提のカウンター(支え合い)なのであって、相手がそれに付き合ってくれる限りはこの方法がタイプを問わず万人に可能なただの計略であるのを考えれば、これ以外に頼れるものが無い状態の選手を捌くのは非常に容易だ。


この計略を破壊する方法は幾つも存在する。

それは肉だけ切って骨を断たせない方法で、骨を相手に与えなければ良い。
相手がコチラにもたれ掛かり、コチラも相手にもたれ掛かる支え合いをやめれば済むのであって、瞬間的に発生するこの状態にさえ気をつけていればいいのであるから、明確なスタイルとしては「ジャバー」となる。

ジャバーとはジャブを主武器として設定する事で、基本的に構えや動き、ガードの外には極力出ないようにするスタイルである。日本で活躍していたサーシャ・バクティンや、アイク・クォーティフェリックス・シュトルムセルゲイ・ジンジロクなどが典型的なジャバーといえる。

『たかがジャブ』と喰うつもりでリングに入り、高速で硬く的確なジャブ(クォーティ級のバズーカジャブもある)を当てられ続け、パンチを打てば頑固なディフェンスが待ち構えていてる。ジャブに被せるようにしても、マルコ・アントニオ・バレラのように自分が放ったジャブの後ろに隠れるように移動し、反対方向から来るパンチには身を回転させる事で対処するタイプもいる。

諸々のテクニックにも優れるが、基本的には相手に押し返して欲しい計略的なファイターであるリオスが、押してはダメだから引いてみるタイプリチャード・アブリルマイク・アルバラドと相性が悪かったのも面白いが、このような引いてみるタイプが相手のディフェンスではなくオフェンスに注意している能動的なファイタータイプに弱い事(アブリル対ボゲレ、アルバラド対プロボドニコフ、ディブ対グラドビッチ、久高対ナルバエスなど)もまた面白い事実である。


パッキャオはその能動的なファイタータイプであるが、いまやディフェンス能力の要領も多分に掴んでいる様子なので(ブラッドリー戦やマルケス戦はその要領のために持ち味を見失い敗北した印象)これもリオスにとっては面倒な引き出しだろう。


という事で予想はパッキャオのKO勝利。」




「ところで、


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