「いい歳なのに水掛けして遊んでいたら、見かねた紳士に叱られた。」では之を御覧ください。
「確かに良く見ると、アンパンマンとジャムおじさんに見えないことも無いゲンナディ・ゴロフキンとアベル・サンチェスの名コンビ。170cmというミドル級としては小さい体格と第2ランドに仰天するようなダウンをもらいつつも、現在ボクシングで対峙するのに最も勇気の要る男、ゴロフキンを相手に8回でコーナーストップがかかるまで戦い抜いたカーティス・スティーブンスの健闘を称えたい。
試合展開について考察する前に久々の登場となるコンピュボクスデータを見てみるとしよう。」
「注目する点は2点。1つは放たれたパンチの総数とその的中率、もう1つはジャブの多さだ。
驚くべき事に、
パンチを放った総数794発の内の実に413発ものパンチがジャブだったわけだが、
これは如何にゴロフキンのスタイルがボクサーファイター・ベーシックファイターであっても全体として非常に均整の取れたボクシングを行っているかを物語っているね。
的中率に関しては、より多くのボディ打ちをコツコツと当て続けた事が見てとれる。
コンピュボクスではボディ打ちも単純にパワーパンチに含まれているので数値にはなっていないが、
試合内容からしてエイドリアン・ブローナーさながらのガードと鋭いポットショットに頼るアルマジロ戦法に2ラウンド目でのダウン以降拍車がかかったスティーブンスに対してゴロフキンが的中させたジャブ以外のパンチの多くはコンビネーションの間や終わりに持ってきていた左右のボディショットである。」
ゴロフキンがいつものように試合開始からプレッシャーをかけて相手を分析。
この時スティーブンスは戦前の予想通り余り下がらないように構えと脚を使ってジャブで応戦。ゴロフキンを近寄らせない戦法を取った。
両者がジャブ、ストレートパンチを多く放つ展開に。」
「スティーブンスやブローナーのようなタイプでリードハンドが得意な場合、試合開始直後に少し下がって相手に踏み込ませガードしたと思いきや左フックなどを不意に返す事が多いが、その気になれば同じリードであるジャブをメインとして放つ事で戦線を遠のきにする事が出来る。この時で来た相手との間をどちらが踏み込んで占領し、クロスなどの大きなパンチを当てるかがボクシングだが、之をゴロフキンがジャブでキャンセルしたわけだね。」「1回目で相手を分析したGGGが、2ラウンド目で早くもスティーブンスを飛び込みの打ちあいに誘い込んでからの打たせて打つ左フックで仰天のダウンをスコア。
このことでガード開く事への警戒心を増したスティーブンスは相手との接触点を自分に近づけ、得意の不意打ちリターンパンチ戦法に出た。」
「前回の記事で少し考察したように、ゴロフキンを下がらせる事に成功したように思えたスティーブンスがゴロフキンの張った罠に飛び込んだという事だろうか。
その後から逆にゴロフキンの方から下がり始め相手のストレートパンチをロールしたりしたが、技術があっても効かないパンチには下手に対応しようとしない要領があったように思う。
その後はゴロフキンも、急所を隠す事で有効打を弾く頑丈さと、少なく単調だが悪意のこもった反撃を繰り返す事で粘るスティーブンスに攻めあぐねている印象を受けたが、実際にはガードにガッつかずに、コツコツ淡々延々と緩急無く流れるようにジャブを打ち、ガードを叩き、ボディを入れ続けた。
コンパクトであったとしても、ここまでパンチを入れ続ける事に成功すれば、幾つかを強力なブローを入れ替える事も可能だろうし、最後なんかはそうやってボディを余分に効かせたのみならず、ロープを背にしたスティーブンスの左カウンターに小さな左右からの左フックで逆カウンターを取ろうとしたりしていて完全に試合を掌握していたと言えると思う。」
「それにはまだまだ闘うべき相手がいるね。
試合後セルジオ・マルチネス戦を要求したが、それを経る事が出来たならスーパーミドル級に上がってその階級のスター達との対戦も可能な実力だろう。
正直スーパーウェルター以下の選手では手に負えないだろし、ゴロフキンがそこまで落とした時メイウェザーなら突けそうな穴がある事はあるが、ここまでアウトボクシングさせてくれない選手も珍しく、ベーシックファイトで乱戦となりそうである。
・・・こう考えてみても、
ゴロフキンというのはオールタイマーとなりえるポテンシャルを充分に有した稀有でクラシックなボクサーだ。
これから彼は、“愛と勇気だけが友達さ”と口ずさみたくなるような孤高の世界に入っていくんだろうね。」
おまけ

