「バシル・ロマチェンコ強し。凡庸な人間が苛まれるであろうあらゆる種類の煩わしさを乗り越えた感があるバシル・ロマチェンコ。下手に必死に闘いもせず、巧さをみせようともせず、ただ淡々とテストマッチといった様子だった。
デビュー戦でいきなり世界ランカーであるホセ・ラミレスと対戦。
スパーリングセッションのような試合で、
ラミレスから初回左ボディーでダウンを奪い、これはラミレスのキャリア初のダウンだそうな。
4回目に再度ボディでKO。
ロマチェンコは色々と確かめるように動いている印象だったこの試合、
5発のコンビネーションパンチをゆッくり打ったりディフェンステクニックを一つ一つ適用したりと落ち着いていた。
試合後HBOのマックス・ケラーマンにAIBAのプロ形式団体で試合した結果(KOが無い)と今回の試合の結果の違いについて訊ねられるとグローブが違うと発言。どいやら以前のグローブでは手をしっかり握って拳をつくる事が出来なかったようだ。
今回の試合でWBOフェザー級インターナショナルタイトルを獲得したロマチェンコ。
このまま同日にクルズに勝利したオルランド・サリドの持つWBOタイトルに挑む運びとなるようだ。
セミのオルランド・サリドも7回KOで良い動きを見せた。
小回りが効いて下がりながらコンビネーションも打てるクルズを巧くロープに詰めて脚を奪うボディー打ちからのアッパーが光った。頭突きとローブローが多い内容だった。
メインのティモシー・ブラッドリー対ファン・マヌエル・マルケスはブラッドリーの判定勝利。
まさかの2対1判定でスコアは115-113、116-112、グレン・フェルドマン氏が113-115 。
個人的には初回1ラウンド以外全部ブラッドリーだったように思う。
マルケスのカウンターはタイミングが良すぎる。故にブラッドリーのような同じカウンタータイプには読みやすく外しやすかったのだろう。若さと脚、スピードと能動性が抜群にあるブラッドリーだが技巧としてはまだまだ中堅であるなという感じだった。
マルケスの要領の良さをアウトワークする形でカウンターを何度も取ったし、ジャブも上手だったので実際以上にテクニシャンに見えたかもしれない。
これで間違いなくブラッドリーは打倒メイウェザーの対戦候補入りだろう。
余計な動きや質の悪い動きも多いが、方法論的で良いボクシングをする選手としては現在ダニー・ガルシアに次ぐ正確さがある。
ロマチェンコはリゴンドーといつか対戦して欲しい。」
おまけ
