
世界的には大体のボクシングファンの考えは、ブローナーはハッタリだったという意見で早くも統一されつつあり、この先の成功もプリンス・ナジームタイプのものに収まると予想されている。」
日本ではブローナーとメイウェザーの比較が解説されたり、ブローナー対メイウェザー戦が話されたりと真逆の評判だぞ?」

32歳でボクシングへの情熱を失いかけていて、試合が決まるまで練習もしないマリナッジの後半の自滅的な失速まで、まともにパンチを打ち返したり当てれなかったブローナーは技術、基礎、インテリジェンス、パワー、スピードの無さを露呈してしまう結果となった。パンチの命中率には光るものがあったが才能だけでボクシングをしているのだろうね。
レフェリーのベンジー・エステベスJr氏は、ダメージの有無に関わらずバックハンドや膝蹴りという明らかな反則行為を3度も見逃すという低俗なレフェリングを見せた。
スコアは、
グレン・ヘルドマン:115-113
トム・ミラー:113-115
トム・シュレック:117-111
飲食しながらだったが、私ともう一人ボクシング愛好家の方とで試合をスコアしてみたら、6ラウンド時点でイーブンになり、その後、4ポイント差でのブローナー勝利となった。
アメリカンファンの多くは6ラウンド時点でマリナッジのリードや、判定勝利を支持した声も多かったようだ。
確か第4ラウンドだったと思うが、エキサイトマッチの浜田氏がブローナー、小泉氏がマリナッジを支持した場面があり、私もマリナッジ支持だった。このラウンドをどっちに振るかで見方が分かれるのだろう。
Showtimeのコンピュボクス・スタッツは、
マリナッジ
ジャブ: 120/467=26%
パワー: 94/376=25%
トータル: 214/843=25%
ブローナー
ジャブ:32/106=30%
パワー:214/418=51%
トータル:246/524=47%
現在のボクシングは手を出していく事よりも、ガードを上げて顔を横に振っていればポイントが流れてくるようだね。」
1、2ラウンドはマリナッジ。
3ラウンドも微妙だがマリナッジ。
割れるラウンドだろう。
4ラウンドはマリナッジ。
5ラウンドからマリナッジは手を緩め始め、微妙にブローナー。
6ラウンドはボディ打ちが効果的だったしブローナー。
この時点では2ポイント差でマリナッジなので、僕はアメリカンファンと気が合いそうだ。
7ラウンドはマリナッジ脚が止まり始めパンチを被せられ始めたので、ブローナー。
8ランド、マリナッジ、サークリング切れでパンチも単発、反撃を尽く貰い、ブローナー。
9ラウンド、開始早々客席のメイウェザーの野次にマリナッジが反応、ブローナーそっちのけで言葉を交わし精神的には全く追い詰められていなかった。ブローナーは相手にくっついては相手の耳元で喋り続けパンチも外され続けるが終盤に有効打を当て続けブローナーのラウンド。
10ラウンドはブローナーのパンチは多くブロックされ更に手打ち、マリナッジのパンチはガードの隙間を多く突いたのでマリナッジのラウンド。
11ラウンド、ブローナー2度目のバックハンドブロー・・・。後半に入ってから目立ったマリナッジがロープを背負う場面。ブローナーはここでも自分主導の攻撃を当てれず単発のボディを1,2度当てた程度。マリナッジのダブルジャブやフック系のパンチが当たるし、連打には決して打ち返さないブローナー。マリナッジのラウンド。
最終ラウンド、手を傷めたマリナッジはジャブだけで後退、ブローナーは両手で前進。両者まともな有効打が無かったのでブローナーのラウンド。
115-113でブローナーだった。
パンチの量をとるのか、パンチの威力をとるのかという接戦だったな!
ブローナーは相手がショルダーロールすると自分もパンチを当てられず、単発のポットショットに頼りすぎ、インファイトやコンビネーションでは手打ちやアームパンチしか打てなくてフットワークがあまりに無い感じだった。ジャブも打たないし、KO出来なければ困るスタイルだろう。本人は動じていないが、被弾率も結構高い。」

それにコンピュータ・スコアリング方式的に観ればまた違った見方にもなるだろうし、人それぞれなんだろう。
ただ、チャンピオンのベルトを奪うには、こんな僅差ではなく、倒すか圧倒してしまうのがボクシングの決まりでは無かっただろうか?仮にもスーパースター候補ならば、尚の事、ここで凄みを見せ付ける時だったはずだ。
ところで、この試合はある意味カネロ対トラウトによく似ている。
活動性の無さの反面、ブローナーはコンピュボクスを観ても命中率が高い選手だ。
パンチもマリナッジよりも強い感じがして、単発で数発当てただけでもペースを支配したかのような有効打に観られるのだろう。
試合後半からのマリナッジの失速がこの試合のポイントだったが、理由は結構短絡的なものだと思う。
失速するまでのマリナッジは古くからアメリカではL字ガード対処法として行われていた、相手の腕・胸をジャブで打ち、十分バランスを崩してからボディから顔面と下から攻めるコンビーネーション戦法をとり成功した。この方法をガッティやマルケスがメイウェザーに執ろうとして大失敗しているね。
ブローナーの方はガードを構えたまま相手にパンチも出さずに歩いていってストーキングによる圧力をかけた。が、序盤はガードの上をコンビーネーションで叩かれ、何発も肝臓、顔面と通されるも反撃できずにいた。マリナッジが失速し、足が止まり、パンチが単発になるまではコットのように出鼻を挫いたり、自分から踏み込んでパンチを当てる事が不可能だった。
ボクシングにおけるペースとは何だろうか?
攻撃に繋がらない単なる突進や単なる防御は採点されず、原則として攻勢を優先する基準がある。ブローナーは単なる突進と単なる防御を併せていて、マリナッジは前半打ちっぱなし状態だったね。もし、マリナッジがそのまま12ラウンド闘えていたならブローナーは負けていただろうし、これからはそれ以上のボクサー達が待っている。
試合中、相手に話しかける選手は多く居るが、パンチも打たずに試合を通してずっと喋り続け、挙句、試合後も対戦相手を挑発・侮辱する行為はメイウェザーですらやらない事だ。(マリナッジにも問題がある)
シンシナティはイザード・チャールズやアーロン・プライヤーといった偉大なボクサーが現れた場所だが、彼らの隣に名を列するような選手ではないねブローナーは。」
おまけ