マリナッジ対ブローナー考察・予想 | ボクシング原理主義

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ボクシングの原理原則に則っとりながら技術論や方法論を分析考察。技術や意識の向上を目指したい、いちボクサーの見識メモ。
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「ボクシングのオリンピック金メダリスト、村田選手がトップランクと契約したそうだ。
トップランクは今、アジア市場の獲得に力を入れているな。ボブ・アラムもインタビューでマカオはベガスを越えるみたいな事を言っていたけど、村田選手もマカオデビューか?」


「マカオねぇ・・・。

同じく金メダリストであるゾウ・シミンのアンダーであるかもしれないな。
政治的な話になってしまうけど、マカオで半日感情がある中国のスターを差し置いてメインとか独立した興行はありえないし、やっぱり日本じゃないか?日本でA級テスト合格したけれど、海外でなら4回戦からになるのかな?

トップランクの用意する選手との対戦が続くのは確実だろうし、将来チャべスJr戦とかもあるかもしれないね。チャべスJrはあの感じではそんな長くはもたないだろうし、頃合を見て村田選手にぶつけるかもしれない。
世界でトップレベルになるには、イギリスのジョー・カルザギのようにアメリカで証明するまでは相手にされないわけだし、実際セルゲイ・ジンジロクみたいに出てみたら全然通用しなかった例も多い。アメリカでデビューするのが一番いいのかも知れないね。」



             コンコンとドアをノックする音

 「む、久々の客人だ。どうぞ、お入りください。」






よぉホームズ。相変わらず馬鹿か?

タイガーさん!」

「今日はブローナーマリナッジについてお前の意見を聞こうと思って立ち寄ったワケよ。」


「・・・あぁ、それですか。

ご存知の通り、僕は、興味の無い事にはこれっぽっちも力が入らない性質でして。」


「だからお前は馬鹿なんだよ。好きな事に集中するのも良いこったけど、人様に恥じない生活を心掛けないと!周りを見てごらん、皆きらきらと愉しそうじゃないか。お前もちょっとは世のため人のために頑張ったらどうだ?」


「・・・わかりました。

ちょうど、以前から試してみたかった方法があるし、いい機会だから試してみよう。
ところで、タイガーさんはどっちが有利だと思ってるんです?」


ブローナーかな?」

?それとも?」

っ!」
  

10円玉を手にするホームズ

「おいおい、まさか・・・。」


「ん、10円玉か?
あいにくと100円玉も500円玉も切らしていてね・・・っち、表か。

という訳で、ブローナー判定勝利ですな。

まぁこのまま奴を勝たせたんでは癪だし、この試合は競るという事だけは言っておこう。
正直、コインの女神がどういうつもりかは知らないが、僕はマリナッジが有利と踏んでいる。


ブローナーは世間では火力のあるメイウェザースタイルと言われている。が、僕はそうは思わない。ボクシングを観る人とボクシングをする人のものの見方の違いだと思うが、ブローナーには守る足はあっても攻める足が足りない。


この試合のゲームプランだが、マリナッジの出方なんてジャブ以外にありえるだろうか?
右手を何度も壊しては手術している故にサーリングからのジャブがスタイルのマジックマンには、良くも悪くも選択肢は無いと思う。むしろ、それで良いんだ。

マリナッジは打たれ強い
コットと彼のアメリカでのホームであるマディソン・スクエア・ガーデンでやって2回にダウンを奪われるも立ち上がって生き延びている。カーンハットンともやっているし対戦相手もブローナー以上の相手を何度も経験しているわけだね。

一方ブローナーの対戦してきた選手で名のあるのは、ポンセとデマルコぐらいで、この二人も実力はゲートキーパーなわけだからね。現在17階級と4団体に暫定王座まであるボクシングならではのチャンピオンといっていいだろう。

マリナッジがディフェンスでサークリングを使えば追撃はそんなに恐くないはずだし、攻めてもマジックマンは上手いので、そう易々と被せられまい。

 それにしてもこの二人、本当にお互いを認めていない。
二人とも本物のスター達に比べられないのは否めないが、お互いバム、バムと呼び合っている。バムに勝っても意味無いのにね。」

「マリナッジはディープウォーター狙いと公言しているな。」


「嵌ったとしても、リズムを変える事が出来るブローナーは脱出可能でしょう。そして、スタイルとしてはブローナーもそのつもりでしょうね。

あの忙しいアブネル・マレスがポンセとやった時みたいに、どっちかというと体重を上げて来た方が取ろうとする方法だ。

一番重要なのはブローナーがどうジャブに対処するか
カーンのように全部ジャブの上を被せるように闘い続ける事はブローナーには出来ない。
何故なら、相手を自分の正面にキープし続けるほど動けないからだ。

ブローナーのリース戦を思い出してみてほしい。あの時、身体が重くて足が止まり、相手がペースダウンするまで固まっていた。今回は更に重いウェルター級だ。
まぁ、リース戦と同じでリズムに乗るまでガードを上げてパンチを合わせるんだろう。
だが、ポーリーはジャバーだ。リースのように夢中になって失速したり、パンチに捕まるほど相手のガードにがっつかない。

ポーリーの火力ではブローナーを倒すことは出来ないと思うが、ファン・ディアス戦のような例もあるし、ひょっとしたらグラつかせるシーンもあるかも知れない。内容はポンセ戦に少し似た感じになるんではないだろうか。さっきのコイントスは、マリナッジが実際に勝ったとしてもブローナーが判定を持っていってしまう暗示なのかもしれないな。


ところで今週末はいいカードが目白押しだし、今月29日にはGGGことゲンナディ・ゴロフキンマシュー・マクリンの試合がある。ゴロフキンは本当に強い。セルジオ・マルチネス、ピーター・クイリンよりも注目され始めているし、村田選手もミドル級参戦でこのあたりと絡めたら最高だろうな。」


おまけ