

9月まで時間があるし、両選手のデータ比較でもしてみよう。
メイウェザーvsカネロの契約体重の152ポンドは、メイウェザーのナチュラルウェイトよりもやや重く、カネロの正規階級より少し軽い。よって、メイウェザーはオスカー・デラ・ホーヤ戦の如く体が重くなる可能性もあり、同時にカネロはリバウンドによっていつも通りの体力の消耗の激しいコンディションになる。
年齢的にメイウェザーが闘ってきた最重量選手達の中で一番若いカネロは、無敗という最良の状態であるが、まだプライムとは言い難い。
154ポンドにおいてトラウト戦までは、本格的な競争と呼ぶにはヌルイ対戦ばかりこなして来たカネロ。その商品価値が優れた誰かの手によって下落する前にカネロ戦を決めた事はビジネスマンとしてのメイウェザーの決断力だといえる。が、キャッチウェイトに次々とタイトルが賭かるようになったのは世界中のボクシングファンを辟易させる最たるものである。」

ここに、ワトスンがボクシングシーンの左の欄からコンピュボクスのページに飛んで、
これは、ボクサーのパンチの打率から被打率を引いて、ボクシング能力を数値化したものだ。
一位メイウェザー、2位アルバレスとなっているね。6位のリゴンドーは全リスト中最小の被打率の16%をマーク、アルバレスは最高の打率42%をマークした。メイウェザーは打率、被打率共にマーク値よりも1%劣る結果となっているが、イコール値としては段違いの+24を記録している。
カネロのボクシングスタイルとプラス・マイナスリストの両方を見て気づいた方も多いと思うが、カネロとメイウェザーは性質としてはある意味似ているわけだね。
カネロは若くして洗練されている、とよく言われるが、コンピュボクス的に言えばパンチを捨てないでも当てる事が出来、それでいてパンチをあまり貰わないという事だ。
具体的に言うと、それはパンチを出せば当たるメイウェザーが広く悪影響した、当たる時しかパンチを出さない概念ではなく、試合中に相手を研究する事、ディフェンス能力、選んだパンチを当てる命中率、ハンドスピードがあるという事だ。
得意なパンチも両者共通してジャブ、左フック、ボディ打ち・・・ただカネロは戦いのメリハリがしっかりしていて、コンビネーションを纏めるが、メイウェザーはコンビネーションを打つ必要が無いという違いがある。そして両者、リングジェネラルシップが武器だ。」
「ちょうど両者共に前回の相手がサウスポーだったので比較してみよう。
メイウェザーはゲレロと対戦。
ゲレロはご存知P4Pランキング、コンピュボクス・ランキングに入るほどの選手だが、私が採って来た資料にそのコンピュボクスがある。
http://compuboxonline.com/compubox-stats-mayweather-w-12-guerrero/
トータルで、メイウェザー41%、ゲレロは19%だった。
アルバレスはトラウトと対戦。
トラウトは叩き上げのテクニシャン。
http://compuboxonline.com/compubox-stats-alvarez-w-12-trout/
トータルで、カネロ29%、トラウトは20%だった。
この試合はトラウトが勝っていたという声が多い内容だった。」

カネロはジャブを14%当て、トラウトもカネロに14%当てた。カネロはパワーパンチを43%を当てている。
この比較で注意したいのは相手がサウスポーだった事。
アルバレスとメイウェザーのサウスポーに対する対処能力の差が関係している事もあるが、いつもの戦法が機能しなくなり違った選択を迫られた時の選手のキャパシティー、適応能力とその持続性を垣間見れると思う。
そこで気になるのは、トラウト戦でのカネロのガス欠だ。自分の得意分野の外では消耗が激しい感があるね。
カネロはモズリー戦で、実用的なフィジカル、パンチ力共にメイウェザーを脅かすほどのものではないのは分かったし、リングジェネラルシップもモズリーにはあまり効果的でなかった。
最近ではヘッドムーブメント、スリッピング、ショルダーロール、ロープ際での攻防も向上したが、トラウト戦ではガス欠してしまったように、ラウンドを部分的に休んでしまうタイプだ。
ガス欠も体力が無いとうよりは力任せな技術の模倣の典型的なサインであると思う。つまりカネロは自身でもインテリジェンスを口にしているように、リングジェネラルシップと読みに頼るボクサーだといえる。
メイウェザーは1998年にへナロ・エルナンデスからタイトルを奪って以来、実に15年間常にチャンピオンという経歴だ。経験に優るものなしというが、15年間研究されて未だに無敗というのはコンプリートファイターという事だろう。現在世界中の若いボクサーの鋳型となっていて、カネロもそれに当てはまる。」
おまけ