「やぁどうも、今回はボクサーの位の名称についてだ。これには大雑把に、チャンピオン(王者)、コンテンダー(挑戦者)、ゲートキーパー(門番)、ジャーニーマン(職人)、プロスペクト(有望な選手)、アンダードッグ(かませ犬)とある。
・現在ボクシングではチャンピオンの数も増え続け、キャッチウェイトで王座獲得すら許容されるようになっているため、チャンピオンの意味は昔と違って、実力のみならずマネージメントやプロモーションが大きく関係している。
・コンテンダーとは王座挑戦権を得た者の事で、それを勝ち得る程の実力という事だね。
・ゲートキーパーは中堅所で、一定の実力を発揮し中途半端な実力ではまず勝てない選手の事だ。この門番を相手にした時の結果次第で選手の全体的な能力が問われる試験石のような存在だ。
・アンダードッグは以前お話した通りで、プロスペクトは、まぁデビューすれば皆最初はプロスペクトだといえるね。
今回はジャーニーマンについてだ。職人という意味だが、同時に旅人・遊歴者・遍歴者と言ってもいい言葉だね。ボクシングを構築しているのはこの職人達だ。彼らはもう一人前の技術や実践能力を身につけていて、ボクシングの世界の競争を構築している。王者、挑戦者、門番というのはそもそも一握りの存在であるが、職人というのは、そのレベルに到達していない状態のボクサーの事を指す言葉だ。」
「フレディー・ペンドルトンなんて元は有名なジャーニーマンらしいね。」
「実に多くの勝利を盗まれた事で有名な選手(後にチャンピオン)だね。米大陸のボクシングでは選手やトレーナーは旅をする。経験や新しい技術、スパーリングや試合を求めてだね。マイク・タイソンとレノックス・ルイスは昔、お互いがアメリカ全土を遍歴する内に何度も各地のジムで顔を会わせていたらしいね。後にこの両者が王座を賭けて激突したわけだから面白いね。
さて9月に対決するメイウェザーとカネロだが、彼らもよくジャーニーマンを雇用してスパーリングパートナーにする。
カネロとチャーリー太田選手だ。
チャーリー選手は日本・東洋太平洋王者の名誉を引っさげてアメリカに進出し初戦を7回TKOで飾った。しかしその後、何度も試合を当日キャンセルされるというあるまじき扱いを受けた。
選手と関係者が注いだ時間、費用、労力を弄ぶような、不当であってはならない事だね。
メイウェザーとオマール・ヘンリー選手。
試合映像
ヘンリー選手は有名なプロスペクトだった。
戦績は12勝(9KO)無敗1分け。この内8度初回KOをスコアしている。
残念ながら、2012年の秋に病のためこの世を去った。
次の映像はジャーニーマンとチャンピオンの力の差を見せ付けるものだ。
ユリオルキス・ガンボア対アル・シーガー
この試合は、ガンボアの11戦目で、WBOの北米タイトルマッチだった。
ガンボアはこの試合の前にWBCのインターナョナルタイトルを獲得していて、シーガーのほうは
これ以前にIBAという団体のタイトルを所持していたがダニエル・ポンセ・デ・レオンにタイトルを奪われている。残念ながらシーガーはこの2戦後の試合後に倒れ、帰らぬ人となってしまった。」
オマール・ヘンリー氏とアル・シーガー氏のご冥福をお祈りします
おまけ
