メイウェザー対アルバレス考察・予想 | ボクシング原理主義

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メイウェザーが今まで苦戦した相手とその戦術について考察してみよう。

                 ホセ・ルイス・カスティージョ

                   オスカー・デラホーヤ



ミゲール・コット




3選手ともメイウェザーにプレスをかけて苦戦を強いた。が、重要なのはプレッシャーを掛けた事ではなく、何がプレッシャーになったかだ。


カスティージョは、顔なんか狙わずにボディをガードの上からお構いなしに打っていき、十分相手を釘付けにしてから二階に上がるというファイティング原田戦法を取った。

この戦法を取るためにはステップを踏み続ける事ができる強靭な足腰が必要で、当のカスティージョも年齢と共に脚が無くなってからはボディの打ち負けを繰り返した。



カネロはそもそも脚を使うスタイルではなく、今よりも体重の軽い時代にミゲール・バスケスと2度判定になっているところを見ると元々脚の無い選手のようだし、ボディから攻める戦術は使えないという事になる。


デラホーヤコットは同様に左フックで注意を逸らしてジャブを多用する事でプレッシャーを掛けた。そのためにはパンチ力が必要不可欠だ。ゲレロにはそれが無かったし、カネロにもそれが無い。

オスカーのパンチ力を思い出してみて欲しい。あの低反発素材ボクサーのチャべスを止め、クォーティーからダウンを奪い、ガッティバルガスマルヨーガKOしている、というか壊している。

コットのパンチもとんでもない事になっている。

             マリナッジ戦を憶えているだろうか?


マリナッジは正直ブローナーのパンチなんか恐くないだろう。交通事故並みのパンチを経験済みなんだからね。カネロにこういうパンチ力は無いね。確かに戦績ではKO率が高いが、試合を見る限りミートしなければ恐くない感じだ。

という事で、カネロはリング中央に入るしか無いわけだ。何故ならトラウト戦で見せたように、ロープ近辺での攻防は彼には消耗が激しすぎる上に被弾率、打率共に異常に劣化するからだ。次の映像がその証拠だ。


この試合はコットの兄貴との試合だが、カネロはある程度のピンチでもそれを凌ぐ粘り強いディフェンス能力や回復力を見せているし、これは昔の事なので、この辺りは改善・進歩している。が、メイウェザーは左フックとボディ打ちの達人なので相対的に弱点は弱点のままだろう

リング中央に入るというのは決して悪い事ではなく、むしろ良い事だ。
まともなボクシングでは一番最初に教育され、最後まで最重要視される戦術だしね。

カネロやブローナーのような選手はよく、相手の正面に立ちすぎる、と形容されるが、本当は相手を自分の正面にキープしているのであって、これができなくなった時、攻防両面で脆いとまでは言えないが弱くはなる。従って、そういう性質を持った選手がリング中央を陣取るというのは、鬼が金棒を掴む事なんだね。

しかし、メイウェザー相手にこれをするとジャッジに消極的な印象を与えてしまうようだ。
と言っても、メイウェザー相手にはそこに入るしかなくなってしまう。何故なら、そこから出た者、あろう事かロープを背負った者は大体KOされているように、中央以外の競争ではメイウェザーが立ち優ってしまうからだ。そしてこれは、メイウェザーが重い階級に来ても変化しないであろう傾向だと思う。何故なら、メイウェザーパッキャオ、以前ならフェリックス・トリニダードのようなパンチに切れのある選手は階級を超えてパンチを効かすからだ。

カネロに残された方法はジャブの攻防で勝つ事だが、ここではメイウェザーがデラホーヤカネロがクオーティだろう。メイウェザーはジャブを次の行動に繋ぐ事が出来るからだ。
それに、お互いのジャブが相殺した後のジャブ抜きカネロは体力が無く、ジャブ抜きメイウェザーは極限までコンディションされている・・・という訳で、予想はメイウェザーのKO勝利だね。」


「いつも予想はノックアウトだな。」

「華があって良いじゃないか。」




おまけ