「一日は憩いの夜を必要とし、人は真実を告白すべく、仮面を必要としないだろうか?」
「そして、真の欲求もそこにある。華々しい死。英雄にこそ仮面が必要だ。」

ところで、
人々のチャンピオンという言葉をご存知だろうか?
モハメド・アリというチャンピオンの代名詞のような偉大なボクサーが時代の流れに逆らい、そして言い放った台詞で、私はボクシングよりも大きい、というのがある。
歴史と人々の記憶にその名を残す事となった、この時代を代表する二人のチャンピオン、フロイド・メイウェザーJrとマニー・パッキャオ。
メイウェザーはボクシングスタイルやその他する事が後世に影響しそうで、時代が追いついてない意味でアリだ。
世の中がうやむやにする事をさらけ出し、事実を大声で叫び、それで吊るされたり火あぶりにされても痛々しい真実を力にする背徳のボクシングアイコン。
最高の者という前提から減点される立場だが、間違いなく歴史にその名を刻む選手だ。
パッキャオは希望、夢、奇跡というものを体現するような獲得の象徴だ。
出稼ぎボクサー、愛国者、パッキャオの試合は面白い、パッキャオには勝ってほしい、パッキャオが勝たないといけない、という風に夢を託されるという意味でアリだ。
最高に登りつめるサクセスストーリー、成長と底力、飢えと純然さ、運命の獲得。
そうやって加点をされる立場だ。メイウェザーと違うのは、より多くの人達の記憶にその勇姿が刻まれるという事だと思う。
まぁつまり、人々は彼らに注目するし、彼らにはそれだけのものがあって、物怖じなんかとは無縁で、毅然としていて、悠然とリスクの上を走り続けているという事だ。」
「ボクシングはよく盤上のゲームに例えられるが、メイウェザーはチェス、
パッキャオはチェッカーという感じかな?」

フロイドには高い注意力が、パッキャオには研ぎ澄まされた鋭敏さがあるね。
メイウェザーは自己に負うところのものが強く、パッキャオは自分が背負うものに負うところが強い。正に人々のチャンピオンだ。
以前もお話したが、ボクサーの値打ちはもちろん、何を成し遂げたかもあるが、誰と対戦したかだ。いくら強い選手でも旬が過ぎるのを待つんじゃしょうがない。
パッキャオの偉業の片鱗だが、この面子は凄まじいの一言だ。
バレラ、マルケス、モラレス。 これだけで一つのキャリアだ。
そして、パッキャオは更に躍進して・・・
こうなる事を世界中が待ちわびた。が、
色々あって遂に
パッキャオにも大きな翳りが落とされてしまった。」
「栄光と挫折・・・しかし、僕らがパッキャオに求めてるのは決して失敗しない事なんかじゃなく、どん底から駆け上がる勇姿なんだ!」
「まったくその通り。
そのパッキャオに11月のマカオで、またチャンスがやって来た。
相手はブランドン・リオス。」
「パッキャオはね、その階級制覇の偉業で無視されてるが、ここ3年ほどKOをスコアしていない。しかも、自分より後に下から上がってきたマルケスにKOされたという事もあって体重の壁に捉えられたとみて間違いないと思うし、確かに危険な試合だよ。それでもパッキャオ有利ではあるけどね。
パッキャオは政治の舞台の方でも今ひと悶着あって、色んな報道、問題、誤解に取り囲まれているけども、このブログには関係の無い事だ。が、そんな状態で調整できる程簡単な試合ではない事は確かだと思う。」
おまけ