「・・でさぁ~、聞いてくんのよ!その面接官が。何故私達は貴方を選ぶべきなんでしょうか?って。流行ってるんだろうねそういう質問が。 だから言ってやったのよ! それはアンタが教えてくれよ ってね。」
「えぇっ!?いくらなんでもそれはイカンでしょう警部・・・そんな事言ったら元も子も無くなっちゃうよ。」
「そうなんだよ・・・でもさぁ、野心が無いと言えば嘘になるけどさぁ、俺みたいな奴も必要な訳よ! わかる? 世の中の人みんながそういう形だけの成功したらさぁ、俺達いったい何を楽しみに生きてけば良いわけ?」
「 酒にタバコ、 なんだってありますよ。
ところで今日はなんの御用で?」
「・・・そんな馬鹿な。トリックを暴いたばかりじゃないか。フックを喰わしたとしても、まだ喰わされる連中がいるのか?」「ホントだよ。 とにかくダイイングメッセージをちゃんとメモにとってあるんだ。」
「どれ、ちょっと拝見します。」
しわくちゃの紙に一文字こう書いてある
「 ボデー 」
・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・
「・・・相手を誘ってからのスリップとカウンターというのはこの間説明したとおりですが、オフェンス面でこのトリックを最も相性良く扱えるであろうスタイルはベーシック・ファイターです。
ベーシック・ファイターとは、今週末ジュダーと対戦するダニー・ガルシアや、同じフィラデルフィア出身の殿堂王者スモーキング・ジョー・フレイジャーなどに代表される基本的なファイタースタイルの事です。」
「若き日のマイク・タイソンなんか観てても、このスタイルにはジャブですらカウンターされる時があるだけじゃなく、彼らもいいジャブを持っている事が多い。ボクサーは一体どうすりゃいいのか?」
「タイソン、フレイジャー、ガルシア、チャべスSrやカネロだって皆鋭いジャブとスリップを併せ持ったファイタータイプだ。まるで穴がないように思えるね。しかし、次の映像を観てほしい。
タイソンのトレーナーを務めたケビン・ルーニーとあのアレクシス・アルゲリョの試合だ。」
これが今回の事件の鍵だ。
カネロ対トラウトは、 メイウェザーのように、パンチを放った総数は相手を大きく下回りながら当てた総数を大きく上回るわけではなく、当てた総数も下回っていながらもカネロが勝った事でリングジェネラルシップを執るという事の重要性が現れた大変貴重な試合だった。
カネロ対トラウトは、 メイウェザーのように、パンチを放った総数は相手を大きく下回りながら当てた総数を大きく上回るわけではなく、当てた総数も下回っていながらもカネロが勝った事でリングジェネラルシップを執るという事の重要性が現れた大変貴重な試合だった。
そして、
この試合も同様にリング上での指揮権というものの重要性をあらわしている。
ここではボクサータイプであるアルゲリョがファイタータイプであるルーニーに負けまいとリング中央をとっているね。
理由は簡単、相手の計略を破壊するためだ。
僕が囮の計略と呼んだアレだけど、見破られてはあまり効果が望めない。だからこそ、相手の目を眩ますぐらいの勢いとプレッシャーがミソだ。
逆にこれを攻略したい場合も、最も簡易な方法にフェイントがあるけども、確実な方法は逆にこちらがプレスをかける事だ。マイク・タイソン対ボーンクラッシャー・スミスを思い出してみてほしい。
トラウトはカネロの「おびき寄せるスリップ」に対してジャブを捨ててからのボディストレートを選んだ結果、カネロにペース支配を許した。 距離を開けてしまったからだ。
一方アルゲリョは、ボディをコンビネーションの終わりに選ばず、あえて相手のスリップを釘付けにする道具として扱った。この時、ボディパンチをストレートではなくフックやアッパー、ショブ系統にしないと余程身体能力に恵まれていないかぎりその後にフィニッシュブローを放てない。 パンチを避けられれば同時に打たれるアルゲリョは、避けられないパンチを避けられない距離で打つことで相手に攻撃のチャンスを与えなかった。「防御が攻撃」と「攻撃は防御」の戦いであったと思う。
おかげで前に出たい選手であるルーニーがロープを背負う羽目になり結果は御覧の通りさ。
追いかけてくる者ほど逆に接近され追い詰められると実に弱いものなんだね。
これでボデーの重要性を説明できたと思う。
つまり、後半相手のスタミナを奪うための貯金というだけでなく、瞬間瞬間に相手の動きを止めたり、攻防両方における相手の計略を壊してしまう効果を持った、ジャブに続いて最も重要なパンチであるという事なんだ。 ボクシングというのは、ボクサーであろうとファイターであろうと、ボディーがしっかり打てるものが最後に勝利を掴むようにできているようだ。
純粋なボクサータイプでこうやってパンチを巧みに操り41歳まで世界のトップで戦い続け、キャリア晩年にしてロイ・ジョーンズjrやジェームス・トニー相手に判定までもつれこんだオールド・チャンピオンがいた。 彼の名前はマイク・マッカラム。 全盛期にはあの恐怖のKOアーティスト、ジュリアン・ジャクソンをも2回KOで降した真のテクニシャンだ。 まるで盗むように相手を打つ事を(スティール)と呼び、そのボディを盗むような手際の良さから、通り名はボディースナッチャー、つまり死体を盗む者だった。」
おまけ
この試合も同様にリング上での指揮権というものの重要性をあらわしている。
ここではボクサータイプであるアルゲリョがファイタータイプであるルーニーに負けまいとリング中央をとっているね。
理由は簡単、相手の計略を破壊するためだ。
僕が囮の計略と呼んだアレだけど、見破られてはあまり効果が望めない。だからこそ、相手の目を眩ますぐらいの勢いとプレッシャーがミソだ。
逆にこれを攻略したい場合も、最も簡易な方法にフェイントがあるけども、確実な方法は逆にこちらがプレスをかける事だ。マイク・タイソン対ボーンクラッシャー・スミスを思い出してみてほしい。
トラウトはカネロの「おびき寄せるスリップ」に対してジャブを捨ててからのボディストレートを選んだ結果、カネロにペース支配を許した。 距離を開けてしまったからだ。
一方アルゲリョは、ボディをコンビネーションの終わりに選ばず、あえて相手のスリップを釘付けにする道具として扱った。この時、ボディパンチをストレートではなくフックやアッパー、ショブ系統にしないと余程身体能力に恵まれていないかぎりその後にフィニッシュブローを放てない。 パンチを避けられれば同時に打たれるアルゲリョは、避けられないパンチを避けられない距離で打つことで相手に攻撃のチャンスを与えなかった。「防御が攻撃」と「攻撃は防御」の戦いであったと思う。
おかげで前に出たい選手であるルーニーがロープを背負う羽目になり結果は御覧の通りさ。
追いかけてくる者ほど逆に接近され追い詰められると実に弱いものなんだね。
これでボデーの重要性を説明できたと思う。
つまり、後半相手のスタミナを奪うための貯金というだけでなく、瞬間瞬間に相手の動きを止めたり、攻防両方における相手の計略を壊してしまう効果を持った、ジャブに続いて最も重要なパンチであるという事なんだ。 ボクシングというのは、ボクサーであろうとファイターであろうと、ボディーがしっかり打てるものが最後に勝利を掴むようにできているようだ。
純粋なボクサータイプでこうやってパンチを巧みに操り41歳まで世界のトップで戦い続け、キャリア晩年にしてロイ・ジョーンズjrやジェームス・トニー相手に判定までもつれこんだオールド・チャンピオンがいた。 彼の名前はマイク・マッカラム。 全盛期にはあの恐怖のKOアーティスト、ジュリアン・ジャクソンをも2回KOで降した真のテクニシャンだ。 まるで盗むように相手を打つ事を(スティール)と呼び、そのボディを盗むような手際の良さから、通り名はボディースナッチャー、つまり死体を盗む者だった。」
おまけ

