・・・
「・・・右側頭部に殴打の痕ありか・・・恐らく左フックでしょうな、直接の原因は、しかし・・・
ん?
これはどうも気づきませんで、私立ボクシング・コンサルタントの木村ホームズです。
それよりワトスン、ちょっと調べてみてくれたまえ。」
「こ、こいつはヒドイ・・!
確かにこれは左フックの痕だと思うよ、しかし、私はこんなのを診るのはノニト・ドネア対フェルナンド・モンティエル以来だよホームズ。なんてこった!倒れた後に痙攣までしてるじゃないか!」
「・・・同感だね。しかしガードを上げていればこんな風にはならないハズなんだが。」
「ホームズ、一度宿に戻らないか?僕はもうクタクタだよ、こんなものをみた後は特にね。」

「なになに・・・ブルースドッグマンに変身の予兆・・・?」

「そこじゃないよ、ここだ。 今日のガイシャについてのコンピュボクスの欄だ。僕はね、ワトスン、ここ最近の一連の事件はその後ろでもっと大きなものとして繋がってるんじゃないかと睨んでいるんだ。
このガイシャのスコアだが、まるでトラウト対カネロに瓜二つだ。つまりガイシャのほうが能動的だったという事さ。 そして、ジャブを起点にしたボクシングではおそらく立ち勝っていた可能性だってあるんだ。しかし、犯人のスコアの方はだ、パワーパンチのみに良い数字を残している・・・。これがどういう事かわかるかい、ワトスン?」

「・・・カウンターという事か?」

「そう、いや、そうでなくてはならないという事になるね。まるで、ファン・マルケスの再来だよ。
では、なぜこれまでの被害者達はリードの差しあいに立ち勝ろうとする必要があったのか、そして、自分がそう打って出れば相手がカウンターを用意してくると分かっていながら何ゆえガードを下ろしたりしたのか?」

「実に不可解だ。バムファイトならまだしも、このレベルのボクシングでこんな事がありえるなんて・・・。」

「確かにそうだね。しかし、この犯人は全く同じ手口で何人もの被害者を出している。まるで魔法かなにかのようにね。だけどね、これは実はもっとも当たり前で最も古いであろう手法に他ならないんだよ。そして、この手法は先日のカネロ対トラウトで多用され、週末のジュダー対ガルシアでも多用されるであろうものなんだね。防御にも攻撃にも使える、正に攻防一体の技。しかしきっと穴があるはずなんだよ。
これを説明するにはちょっと時間が足りないけれど、僕はしばらくは相当暇な身分になったのでまた次の機会に。」
おまけ




