太陽は燃えているのではなく原子核融合していて、
地球は半分バイアスで回っているのです、
木村です。
同じ事でも人によって見え方は違うし、同じ人でも時期によって見方が変る。
ボクシングもたまには音を消して観ると良いですね。放送はバイアスかかりまくり。
先代会長が何度も「正確な打ち方」の指導をしてくれる。
自分はよく悪い打ち方をする。確かに摂理には逆らえない、やっぱり原理原則。
そこは間違いないと思う。どんな選手もそこはマスト。
今週末はバーナード・ホプキンズ対トラヴィス・クラウド。
アンダーカードにキース・サーマン対ヤン・ザベック。
同じ日にサルガド対メンデス。多分再戦だったような。
前日は亀田ブラザーズ。
アッパーカットについてです。
そもそもアッパーが何故効くパンチかというと見えないからですね。
ボクシングでは、一番効くパンチは見えないパンチ、という事になってます。
視界の外というよりは意識の外から飛んでくるパンチですね。
例え見えて無くても、パンチを貰うつもりでリングに入る相手にはそんなにパンチを効かせれない。
しかし、相手が油断していたり気を抜いたり貰うはず無いと思っている所に打ち込むから効く。
ガードを高く上げてボディを引いて頭を低くして安心している相手に叩き込む!
或いは、他のパンチで相手をそういう体勢までもっていかせてから当てる。
アッパーはそれ一発で仕留めるというよりは、それで相手のガードを空けたり顎を上げさせて次のパンチ(返しのフックなど)を当てるためのパンチであるといえます。
マイク・タイソンやリカルド・ロペスのように大砲みたいなアッパーで相手を倒す選手もいますが、それはそういう選手達はそうだから有名であるという事であって、決してアッパーはそういうパンチだという事ではありません。
いい例が最近ありました。
それはドネア対西岡。
よくアッパーを貰う選手はコットや亀田のようなクラウチイングスタンスをとっています。
リカルド・ロペスは良くアップライトからクラウチングして相手のアッパーを誘ってアップライトに戻す事で相手のパンチを外します。
同じような事を西岡チャンピオンがしましたね。
ドネアに左フックに対して右ガードをしっかり頭に付けてモンスターレフトの届く距離まで近づいていった。
フックが打てないドネアはアッパーを打ち始めた。
スウェーで避けて距離をつくるよりは、クラウチイングからのボディ打ちでドネアの脚を止める事とアップライトに戻してアッパーを外す事を選ぶ西岡。
そして駆け引きの末に上体を立てないと!と読まされ仰け反る形でアップライトになったところに右ストレートを打ち込んだドネア。左フックという餌、ジャブをいう眼くらまし、アッパーという誘導に右ストレート。美しいボクシングでしたね。
そういうわけで、アッパーというのはそんなに力んで打つよりは楽に打ったほうがいいんじゃないでしょうか。それでも十分戦術的価値を発揮するパンチだと思います。それを力んで打って効果も無くてただ疲れたでは勿体無いと思います。
ところで、ボクシングにおけるバイアスというのは始末が悪い。
ボクシングはそれぞれ、
体重の切り替えが出来る人間と出来ない人間のそれぞれや、
スピードのある人間と無い人間のそれぞれがあります。
確かに原理に則った原則としてのボクシングはマストですが「自分のボクシング」があたかも「本当のボクシング」であるような「バイアス」はもうどうしようもない。もはや感情でやっている。
ボクシングは原理原則。そこから眼を離さなければ正しい事を言う人間と間違った事を言う人間の区別は容易に付くと思う。みんなそれぞれ「それらしい」事は言うけどね。
ウィー・キャン・ドゥー・ディス。