テンペスト | ボクシング原理主義

ボクシング原理主義

ボクシングの原理原則に則っとりながら技術論や方法論を分析考察。技術や意識の向上を目指したい、いちボクサーの見識メモ。
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ボクシング「スタイル」の分類といのがあります。



ロングレンジの「アウトボクサー」、

ミドルレンジで打ちつ打たれつのケンカ「ブラウラー」、

そしてショートレンジの「インファイター」。



状況によってそれぞれスタイルを使い分ける選手もいるし、一つのスタイルしか使わない選手もいます。



スタンスの分類です。

(ジャック・デンプシーの著書とその挿絵から)


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左からアップライト、セミクラウチ、そしてフルクラウチ



「アップライト」は体を真っ直ぐに立てた状態。



「セミクラウチ」はアップライトから少しかがんだ状態。デンプシー曰く真っ直ぐで爆発的なパンチを生むのに最適なスタンスだそうです。



「フルクラウチ」は低くかがみこんだ状態。このスタンスはボブ・アンド・ウィーブやボディパンチ、オーバーハンドと頭を振りながら相手に纏わり付くインファイターのスタンス。




アップライトのリカルド・ロペス(左)とフルクラウチのゾラニ・ペテロ(右)


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インファイトについて。




インファイトはよく考えてみると2段階に分かれています。



第一の段階は、距離を潰す。

第二に、相手の懐に入ったまま居座り続け逃がさない。



これが「距離を詰めるだけでくっ付いても何も出来ない」とか「相手に近づけないまま打たれ続ける」となると「距離を保つのが上手い・逃げるのが上手いボクサー」を相手にした時困る。




面白い場面にずっと遭遇します。


それは、


相手が逃げるのをやめたり、止まったり、追いかけてきたりした時に、

「距離を潰したい」方が一度相手に飛び込んでくっ付いた後すぐにまた跳んで戻るというものです。



そんな事をすると相手にパンチを繰り出せる距離を与えてしまうので危ない。

(同じ理由から、前進してくる相手から真っ直ぐ逃げてはいけないといのがありますね。)




カイセイに対してテンタが、

中村さんに対してシンエンとタムニーが、

そして姫路のマタドール藤田さんに対して上記全員が、


そうさせられてるのか、してあげてるのか、とにかく相手の距離で闘う。




手を休めない事は重要ですが、

ボクシングは距離とタイミングのスポーツであるため、誘惑に負けて無闇にパンチを放つ前に何時・何処に・どう立っているかが優先されなければならない。




史上唯一の三階級同時制覇者ヘンリー・アームストロング


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がミドル級のセフェリノ・ガルシアに挑んだ試合。


ここ


小柄なアームストロングがインファイトに持ち込んで離れない事で相手は徐々に疲弊していく。


スタミナの怪物として知られるアームストロング、実はタバコか葉巻か、吸ってたらしい。



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