ルーカス・マティーセ対マイク・ダラス
マティーセの1回失神KO勝利。
アイディン対カラス
カラスの10回マジョリティーデシジョン。
ジャマル・チャルロ対ハリー・ジョー・ヨーギー
チャルロの8回TKO勝ち。
個人的に収穫多し。
特にチャルロ対ヨーギーは勉強になった。
チャルロのトレーナーのロニー・シールズの手腕が光ったと思う。
去年は負けなしのトレーナーで今年も幸先よろしいですな。
コメンテーターのマリナジがアメリカの古い格言で「ジャバーにジャブを打つのは良いが、フッカーにフックを打ってはいけない」というのを言っていた。
というのも、この試合ジャバー対決。ただヨーギーが前足に乗ることで迎撃的に強いジャブを放つスタイルで、オフェンスもディフェンスも追撃に弱い。
始めから野球で言うバントや、走り出す前の用意の格好で居るから、次から次に動けない。アングロにKO負けしたときの欠点は直ってなかった。
タムニーの前回のスパーリングも相手は打てても3発までで、そこで一度バランスを得るためにリセットしなければいけない。そのリセットの方法はディフェンスや、タムニーのときは追いかけて来る動作になっていた。そのリセット時を狙って打てるよう、適した場所に適した時に入れる練習をしないといけない。
相手のリセットの方法を学習しておく事と、リセットのタイミングを読む、コントロールする事はペースを支配する上で必須で、これを可能にするのがジャブなわけです。
この意味でこの試合は凄かった。ダウンは何度もあったが、どのダウンもまるで同じ映像のように同じパンチを、同じタイミングで、同じ体勢に入れていた。つまり誘導したわけです。
この方法がボクシング。
ジャブの差し合いでヨーギーがジャブを出さなくなり、その代わりに、ロマゴン(井岡チャンピオンとやるんだろうか?)の様にオフバランスで踏み込んでパンチを打たせ、それをブロックしながら自分のパンチを打てるバランスに戻して打つという特殊なボディバランスに切り替えた。そうやってガードから返しでジャブを打つヨーギーの変化を最初から予測して捌けたのはシールズの手腕でしょう
ヨーギーが二・三の動きの後に必ずリセットムーブをしなければならず、それをベンディングとスピンオフで角度を取ることで補い、右構えであるからその動きは自信の右回りになるという事を察知したチャルロはしっかりそれに対処した。
それは、相手が2・3の行動を使い切るまでジャブを差す。(その一つ一つは完全には読めないが予測は付く。ボクシングは流れを見るために、それを作り出す個々を見、またそのためにそれらの条件を見ないといけないから)
そして、一連の動きの後に来るベンディングを狙い右を放つ。この時パンチを外してしまって相手に回転を許してしまっても、自分も相手が回った分回ってキャンセルしてやる。こうやってあのダウンを何度もセットアップ出来た。
この時もしチャルロが右回りしたヨーギーに反応せずにホールドを許したり、徒に距離をとって攻撃の機会を逃していたら結果は違っていたでしょう。この徒な距離がタムニーの現時点でのオフェンス面での欠陥となり純粋な防御を迫られ城は落ちてしまう。出会い頭のカウンターというのは、相手がピティーパターやポッドショットのボクサーのようなプレッシャーやプレスに欠ける選手なら効果的だけど、あっちも相打ち狙いなら効果半減です。
ヨーギーと同じ右構えでベンディングと回転をメインのダラスがやってましたが。
ダラスの場合ヨーギーのように誘導されないために、先ず左にスリップして逆に相手に左を出させる誘導を行ってからベンディングするという能動的なディフェンスでした。
が、それが仇となった。
左に出ながらジャブを打ったとき右を「ソケット」の原理でかぶせられる。でも左に脚を出したんだから右を打ってれば良かったのに、そこで思わずベンディングしてしまった。スリップも右ストレートもしてなかったのでベンディングしても回転する姿勢じゃなく、しかも相手は右を当てて様子を見れた。ベンディングしたせいで右を貰った同じテンプルに左でもう一発貰って空中で失神。顔からキャンパスへ・・・
セミのアイディンは内山チャンピオンに似てますね。(ファレナスともう一度やってほしい。)
猫背ガードとか脇が強いところとか。
ボクシングというか空手みたい。
拓殖大学だから大山倍達か。
三合的にパンチ打ってますね。
丹田と脇と拳。
その代わり、土踏まずでベッタリ地面を踏んで膝で動いてる、フットワークとボクシングが連動しない構え。 結果、下腹を突き出してしまい脇打ちとか肩甲骨打ちになるため前に伸びない動きになる。
コンビネーション打てない強力な単発仕様。そして、腰痛のもと・・・腰は立てとくのが一番。
アイディン、ジャブ打つとき前足で踏み込んで後ろ足残すか、、前足にのって後ろ足上げるか。どっちも次のパンチでない打ち方でしたね。これでは、忙しくパンチを選んでくる相手には付いていけない。
単発の精度はこっちが上だと確信するとロングレンジで下がりながらボクシング。
ここが日本と外国の選手の違うところでしょう。 日本の選手なら、その一発を狙ってミドルレンジに留まり攻撃的に行く。外人は動いてディフェンシブ。
それにしてもソト・カラス選手は今になって上手になってますね。すごいな。のびしろ?