由梨の小説置き場。 -11ページ目
~5章 橙の青年~
・・・ウソでしょ?
よく見れば、瞳も顔立ちも明らかに日本人。
日本に存在しない橙。日本人が居るなんて
おかしい・・・
だいたい、橙がなんでこんな薄汚い部屋に?
「あなた・・・」
「___誰?」
青年は、スッと顔をあげた。廊下の明かりが
差込み、彼の顔がハッキリと見えた。
見覚えがある___
「・・・天・・・天画 イアル・・・」
そいつは、小6のときのクラスメイトの一人_
「・・・リツル・・・なのか?」
彼も、わたしのことを覚えているようだった。
「なんで、そのバンダナ___」
「これか?・・・オレの父親がイタリア人でさ。」
イタリア!?
イタリアは、2年前に橙に完全侵略された国_
イアルが・・・?
「ロシアのファイアズにスパイとして潜りこんだ
らこのざまさ。」
イアルの手首には手錠。そこからくさりがつな
がり、壁のくぼみに続いていた。首と足にも、
同じようなものがされている。
「日本では橙に反対するものがコソコソやって
るとか聞いたが、まさかおまえらじゃねぇよな?」
「まさかのわたしらなんですけど。」
「やっぱり。」
そんなくだらないことより、このくさりをどうにかし
ないと・・・
こいつが、橙だったとしても、悪いことするような奴
じゃないことくらい知ってる。スパイなんて、やらさ
れただけに決まってる。
助けるのはあたりまえ。
「わたしたち側についてみない?
その代わり、そのくさりをといてあげる。」
「何をいきなり。」
「うるさい。イエスかノーかよ!」
「まあ、おもしろそうだしな__」
いいぞ、と彼が言ったそのとき、
「うわあああああっ!!!!」
ユウクっ!?
~4章 バンダナ~
わたしたちは誰にも気づかれずに中へ入る
と、二手に分かれた。
わたしはいっきに3階へ駆け上がり、明かり
のついている部屋をのぞいた。木造の建物
なので、足音を立てないようにと苦労した。
中にいた3人の男は、こんなことを話してい
た。
「武風城、完成したそうだぞ。」
「本当か?これで若者が死なずにすむな。」
「しかしあの、ネハルとかいう奴か?橙の見
張りの話を盗み聞きしたんだが、まだ子供
だそうじゃないか。」
「なんだと!?」
何のことをはなしているのかは分からなか
ったけど、とりあえずメモしておく。
「それより、橙から来たヤツの情報を集めな
いと・・・」
部屋からはなれて、さらに階段をあがると、
今度はずいぶん静かな廊下にでた。
ドアが両ぎわに並んでいるけど、物音一つし
ない。さっきの男たちの声がまだ聞こえてい
るくらいだ。
「ここには、誰もいないのかな・・・?」
一番手前のドアを開けてみる。するとそこには
「・・・っ!!」
「そのバンダナっ・・・」
7つのチームはそれぞれ、その名前と同じ色の
バンダナを身につける。
わたしたちなら緑色。ファイアは赤で、ウォーター
は青。
そして、その部屋の隅でうずくまっていた青年が
腕に巻いていたバンダナ___
「オレンジ__」
1章1章短いわっ!!
まあ、そのぶん章も他のより多いですが・・・
3章は、ちょっとゴチャついてるお話です。
~3章 ミッション~
橙が最初につくりだしたチーム、ファイア。
橙の長の弟がいるとかで、他のチームと
比べれば権力はとてつもない。
ファイアを警戒しているのは、リーフズだ
けではないしね。
というのも、数日前、ロシアのファイア
が橙、銀、白の隠れ家を襲撃し、隠れ
家の中に残っていた者を従わせ、日本に
勢力として送りこんできたらしいのだ。
7つのチームを支配する橙(サン)とはいえ
地位が低い者らしいが、そんな者が日本に
入ってきたとなれば大変だ。
まだ確かな情報ではないとはいえ、警戒
は必要になってくる。
日本内では最強をほこるファイアズに、橙。
ウォーターズがコソコソ調査にきてるのもわ
かる。わたしたちもだけど。
わたしとナツキは、ユウクを先頭に赤のアジト
の壁に沿ってあるいた。
見つかれば、殺されるどころじゃない。リーフ
のみんなに迷惑がかかる。
「いいか?今から中に入る。やつらの戦力の
わかるものを見つけたら即ケースに。いいな?」
「うん・・・」
ユウクの指示に、仕方なくうなずいた。
「それから、人質のことだが・・・オレとナツキで
1階をあたる。リツルは戦力情報収集に集中。」
「OK。」
人質・・・ってのは・・・
ファイアズの子どもを捕まえて・・・こちらで確保。
リーフの長、ケアルの作戦・・・
「・・・ユウク。」
「あ?」
「わたし、イヤだよ・・・」
だって・・・
「ユウクとナツキの手ぇ汚して、
何になるの?
あいつらはわたしたちを利用して___」
「だからこそ、だろ?」
こんな世界__
「あいつら見返して、世界ひっくりかえしてやる。
今は敵だってことを悟られたらマズイ。」
ユウク・・・
「誰がこんな世界望んだ?
どれだけ手ぇ汚しても、もとの世界に戻してやる。」

