このドラマは本放送時にも最終回まで視聴したが、TVerで配信されていたので思わずもう一度観てしまった。
改めて考えると、当時このドラマを観ようと思ったきっかけは、岡部たかしさんの出演だった。もし出演者に名前がなければ、おそらく視聴していなかったと思う。
私が岡部たかしさんを初めて強く意識したのは、ドラマ『エルピス』だった。あの作品では狂気を感じさせる演技が非常に印象的で、「次はどんな役を演じるのだろう」と楽しみにしていた。
ところが『リバーサルオーケストラ』では、市長を支える番頭役ともいえる立場で、穏やかで誠実な人物を好演。『エルピス』とは正反対ともいえる役柄で、改めて演技の幅広さを実感した。
ドラマ自体は、ポンコツ楽団と呼ばれていた児玉交響楽団が、さまざまな困難を乗り越えながら、西さいたま市の新設ホールで演奏する権利を勝ち取り、楽団の存続を目指していく王道のサクセスストーリーである。
ストーリーそのものは比較的オーソドックスだが、出演者の演技力が非常に高く、多少展開に粗さを感じる部分があっても、それを感じさせない力があった。やはり役者の力は作品全体の完成度を大きく左右するのだと改めて感じる。
また、出演者たちがオーケストラを演じる姿も自然だったので、「どれほど練習したのだろう」と気になった。ただ、全員が実際に高度な演奏技術を身につけたというよりは、演奏者らしい所作や姿勢を中心にトレーニングしたのではないかという印象を受けた。
一方で、谷岡初音を演じた門脇麦さんは、ソロでバイオリンを演奏するシーンもあり、あの場面については相当な練習を重ねたのではないかと思う。演技だけでなく、演奏シーンにも説得力があった。
出演者に目を向けると、その後、田中圭さんが永野芽郁さんとの不倫疑惑を報じられたり、永山絢斗さんが違法薬物事件で有罪判決を受け、現在は執行猶予期間中だったりと、放送後も話題に事欠かなかった作品でもある。
ただ、そうした現実とは別に、ドラマそのものは終始コミカルな雰囲気で、重くなりすぎることなく最後まで楽しめた。
久しぶりに観ても十分面白く、「もう少し時間がたって内容を忘れた頃に、また配信されたらぜひ観返したい」と思える作品だった。