炎の人生劇場
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炎の修学旅行⑥

~2日目~


昨日のO君の惨劇により、疲労の色が濃厚なタコ部屋の9名であります。


しかし、いつまでも落ち込んでばかりもいられません。
何度も言いますが、 これは旅行なのです。
本来は楽しい出来事満載なはずなのです。
高校の修学旅行は通常は1回きりなんです。

テンション上げて行きましょう!(゚∀゚)

そんな僕の思いを知ってか知らずか、

クラスのみんなも心なしかウキウキで一列縦隊です。


何を隠そう今日のプログラムには、メインイベントが組み込まれているのです。
沖縄と言えば何だか分かりますか??

そうです、海です。 SEAでございます。

常夏の日差しを浴びて揺らめく白い波。
透き通るようなエメラルドブルーの世界を漂う色とりどりの熱帯魚たち。
スイカ粉砕に沸き上がる民衆。

これそ沖縄。 ビバ!南国!


数々の先生方の熱い指導にも耐え、僕らはその呪縛から今、解き放たれようとしているのです!!



~それからそれから~


とうとう時はやって来ました。
眼前に広がる光景に、しばし絶句。(´ρ`)

ここ、ホントに日本なんでしょうか?
こんなに素晴らしい景色を、僕は生まれてこのかた目にした事はありません。

来て良かった(。´Д⊂)

スキーに行けず不満だった自分は、いつしか福岡に帰ってしまったようです。
心の洗濯とでも申しましょうか、なんだか自分がちっぽけな存在なんだと痛感させられます。

教師に打たれようが、行軍を強制されようが、もうそんな事はどうでも良くなってしまいました。
みんなの視線も輝きを増しております。

さぁ、後はこのマリンブルーの広大な海原に飛び込むだけです。


もちろん学生ズボンの下には、

すでに海パン装着済みであります。


先生らに促され、海の家をお借りしてクラス単位で更衣室に通されます。
着替えの際には、もうみんな大はしゃぎ。
やはりあのマリンブルーの光景に興奮している様子。
大急ぎで用意を済ませ、一斉にビーチへと飛び出しました!!

ところが。


柔道「よし!並べ!



どこに?

勢いを削がれ、凹んだ面持ちで各クラスまた一列縦隊

整列後、点呼

まぁ、それはまだいいんです。
危険もはらんだ海。
人数確認は必須でしょう。
安全確認は大事です。


でもね・・・・ オレら裸足なんですが

照り付ける強い日差しで、砂浜はギンギンに焼けているわけですよ。
その温度と言ったらハンパじゃないわけですよ。
その上で裸足で点呼なんかノンキにやってたら、

めっちゃ熱いんですよ

当然、砂に足を付けていられないんで、みんな動きますわね?


打たれるんですよそれを理由に。('A`)

動くな!→熱いから動く→鉄拳

新手のトラップでしょうか?

そして、ありがたい事に、その状態のまま待機、先生から海での注意事項の説明が長々と続きます。


新手の拷問でしょうか?

なんとかきつい仕打ちも終わり、 やっとの事で入水

そりゃもう楽園ですわ。

みなさん信じられますか?

浅瀬に熱帯魚が泳いでたんですよ!?
グッピーみたいな小さいヤツでしたが、スイスイと気持ち良さそうに海中散歩してやがるんですよ!?
海水が透けてて、海の底のイソギンチャクとか見えるんですよ!?


全米が泣いた

あまりの感動に、言葉を忘れるほどです。

老後は沖縄に永住と、夢を馳せる17歳。

その後のちゅらさん人気も、今思えばうなずけます。


と、その時でした。


貴様らぁ!集合!!


突然、遠くビーチの方で叫び声が。
号令とともに、一斉に砂浜を目指す子供たち。

号令の主は、柔道の子分である若手実力派のG体育教師でした。
集合した生徒らを再び整列させ、なぜか満足顔。

ちなみにG教師、中山きんに君みたいなマッスルボデーの持ち主です。


G教師「今から、スイカを割る!


・・・・・・で?

続々と運び込まれるスイカ。
各クラスに支給されるいくつかのスイカ。

どうも話を聞いていると、各クラス一斉にスイカを割れとの事。

スイカ割りって、こんなに訓練チックでしたっけ?('A`)


まぁいいでしょう。
この学校なら不思議じゃありません。
さっさと割って、おいしいスイカを早く頂きたいものです。


と、その時・・・。


G教師「このクラスは私が割ろう。


たまたま整列位置がG教師のまん前だった我がクラスのスイカを、自ら割ると豪語するG。

こいつ、僕らのクラスのスイカ、


全部割る気です


スイカ割りって、割る時のハラハラ感がたまらないものですが、それさえ奪ってしまおうという素敵な提案。

しかも目隠しというお楽しみ要素無し。


本気割りの気合いです。('A`)

各自、不安な眼差しで見つめる中、割りの号令を待ちます。 Gの上腕二等筋に血管が走ります。


「スタート!!(?)」





G「フンッ!!!!!















スイカ粉々。 _| ̄|○


星の砂のように、かけらとなったスイカを渡され食えと強制。



シャリ、シャリ、ガリッ シャリ、シャリ、ガリッ


砂混じりまくりやんけ(TдT) 


G「どうだ!うまいか?うまいと言え!!



お金で買えない価値がある。


かくして、とっても素敵な海を満喫し、僕らの海水浴は終焉を迎えたのでした・・・。


その後も、とても旅行とは思えない行軍を繰り返し、最後まで教師陣の監視下にさらされ、夢のような修学旅行は、 夢と散ったのでした。




※教訓



沖縄へは友達と行こう!ヽ(T∀T )ノ




おわり

炎の修学旅行⑤

初日のすったもんだで、すっかり疲れ切ってしまった一行。

トラブル発生の夕食を何とか乗り越え、一旦部屋へと戻りました。

タコ部屋に無理矢理押し込まれた僕らは、こぞって不満を言い合います。


「あんな緊張したら、味も何もわからんぜ!」

「組長(例の柔道教師のセカンドネーム)、なんか機嫌悪かったよね?」

いっつもじゃねーか!


みんなそれぞれ、組長(柔道)の横暴な扱いに憤りを隠せない様子。

ちなみに組長というあだ名の由来は、実は教師は隠れみので、真の姿は広域指定暴力団幹部との噂によるもの。

背中に銃創がるとか、 自宅にロシア製の銀玉鉄砲があるとか、数々の疑惑にまみれた危険人物だったのです。


そうこうしていると、風呂へ行く時間になってしまったので、みんな急いで用意を済ませ、大浴場へと向かいました。

僕らが現場へ到着すると、すでに他の部屋の生徒が大勢集まっていて、入り口前で整列させられている最中でした。

僕らもすぐさま列に並び、指示を待ちます。


しばらくすると、列の前に柔道の子分的存在である若手体育教師が現れ、生徒らに叫びました。


体育「いいかぁ!貴様ら!浴場はお前らが入った後に一般の方々も使用されるから、迷惑かけるような事はするなよ!」


風呂でどうやって迷惑かけられるのかは謎ですが、大人しく入れという事なんでしょう。

すると・・・


体育「それから!風呂場のシャンプー・リンスは使用禁止!」


!?`;:゙;`(;゚;ж;゚; )


ざわめく子供たち。

何でも、備え付けのシャンプー・リンスはあくまでも一般客用であって、

僕らは支給された石鹸で頭も体も洗えとの事。


まさに、昭和初期テイスト('A`)


今の僕らにとっては、メ○ットさえも100年早い物なのでしょう・・・。 _| ̄|○


しかも、いつのまにか入浴時間が20分に設定されており、

体育の号令とともに時計でカウントしだす始末。


なんせ、脱衣所に入ってからのカウントなので、みんな急ぐ急ぐ・・・。 ((((*゚Д゚;))))

ゆっくり大きな湯船を満喫するヒマもなく、作業的な入浴を済ませる子供たち。


その間、体を洗わずに湯船に入ってしまった生徒数名が、僕らが立ち入り禁止になっている露天風呂ゾーンに連行され、
ガラスの向こうでシバかれているのを目撃しました。 (T∀T )



~それからそれから~


困難な入浴を終え、再びタコ部屋の9名であります。


疲れを取りに行ったはずなのに、みんなさらに疲労しているのは気のせいでしょうか?

特別やる事も無く、無言でうなだれています。


当然、部屋に置いてある有料テレビも使用禁止措置が施され、電源はONにはなりません。

UNOやトランプと言った遊具の持ち込みは禁止でしたので室内はシーンと静まり返っています。


学校側からは、旅のしおりの復習などという訳のわからない指示を受けていましたが、当然誰もやるはずもありません。


僕は他にする事も無いので、自身の最高傑作であるしおりの『万○座』の表紙 をボーッと眺めていました。

すると、一人の班員が小声で妙な事を言い出しました。


あのさぁ、お前らアレ持って来た?」


そう言って意味あり気な表情を浮かべるのは、日ごろ『自称元ヤンキー』を言い張っているO君でした。

O君曰く、この学校へ入学する前の中学校では、
三中の狼』と地元で恐れられていたらしく、傘下に50名ほどの舎弟を抱えていたのだそうです。


どこの三中かは知りませんが、彼のかもし出す異質さは群を抜いていました。

ちなみにO君、チビです。(´・ω・`)


その香ばしいO君、注目するみんなを尻目に、一瞬ニヤリと不敵な笑みを浮かべると、何やら自分の旅行バッグをゴソゴソとあさり始めました。

そんな彼の様子に、沖縄の暑さでやられたのかとみんな心配していると、O君は目当ての物が見つかったのか、アッと声を挙げて、箱の様な物を取り出しました。


すみの方でゴロ寝していたヤツも物珍しそうにO君の元へ寄って来ます。


よく見ると、それは弁当箱でした。


O君「すごいやろ!?これ持って来るの苦労したんだぜ!」


満面の笑みでそう答えるO君にみんな神妙な面持ち。

確かに、今回の修学旅行への持ち物検査はハンパな厳しさじゃなく、あめ玉一つでさえも持ち込むのは困難をようするはずです。

しかし・・・


なんでお弁当なんでしょう?(´Д`lll)


修学旅行に弁当を持って来るなんて話は聞いた事ありません。

行く先々でちゃんと食事は用意されていますし、
意味がわかりません。


すると、それを見ていた班員の一人が優しく一言。


間違えたのか?


あまりの絶妙のタイミングだったので、思わず吹いてしまいそうになりましたが、O君はどこ吹く風と言ったご様子。

O君はバカだなぁ~と言いながら、ゆっくり弁当箱を開けました。


すると・・・


そこには、まだ封を開けていない真新しいセブンスター(タバコ)と『ニューラッキー』と刻印された100円ライターがスッポリ収まっていました。


驚く一同。(((( ;゚д゚)))アワワワワ


O君「やっぱ基本でしょ?」


そう言って得意げな顔でセブンスターの封を開け1本取り出すと、ライターを空回ししながら点けるマネを繰り返しています。 ('A`)


何と命知らずな野朗なのでしょう。

そこまでして見栄を張りたいかと、みんな一様に呆れて物も言えません。

みんなの考えている事はすぐに分かりました。


O君の持ち込み技術に感心している者などいるはずもありません。

巻き添えの恐怖に震え上がっていたのです。(゚д゚lll)


たった2泊3日の短い期間なのに、あえて喫煙のリスクを犯すO君の神経はブッ飛んでいるとしか思えません。


そんな周りの心配をよそに、O君がタバコに火を点けようとしたので、慌てて誰かが止めに入ります。


「バカ!!こんなとこで吸ったら匂いでバレるやろうが!!」


怒るというより、あせった表情の彼の叫びに、渋々窓際へ身を起こすO君。


しつこく一緒に吸わないかとみんなを誘ってきましたが、誰も相手にしません。

O君はやっと諦めたのか、窓を大きく開けると、おもむろにタバコの先に火を灯し、大げさに煙を外へと吐き出しています。


O君「いやぁ~~、この一服がたまらんのよねぇ~( ´ー`)フゥー」


この抑制された旅で、すでにヤニが切れてイライラしている数名は面白くないのか、あからさまにふて腐れています。 ( ゚д゚)、ペッ

ふと窓から望む夜空に目をやると、無数の星たちがタバコの煙でぼやけて見えました。

南国の美しい夜空を背景に、
タバコの煙に巻かれ静かにたたずむ一人のチビ。

JTのCMかと見まがうその光景に、目を奪われていたその矢先、事件は起こったのです。




ドンドンドン!ドンドンドン!



突然鳴り響く荒々しいノックの音。

みんな心臓が止まるほどの驚きで、一斉にドアへ視線を向けます。

激しくドアを叩く音に、誰かの叫び声がかすかに聞こえます。



ドンドンドン!ドンドンドン!


開けんかコラァァァァ!!!!」




柔道です。ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!


恐らく、喫煙がバレたか。

異常事態発生に変わりません。

お前はCIAかと思うほどの嗅覚です。


しかし、まだバレたと決まったわけじゃありません。

とにかく早くドアを開けなければ、ますます怪しまれてしまいます。


O君はすでに白い灰となって腰を抜かしていました。


早くタバコを隠さねば!!!((((;゚Д゚)))


班員の誰かが、抜け殻となったO君の手からとっさにタバコとライターを奪い取り、勢い良くトイレに投げ込み扉を閉めました!


それを見計らって、入り口ドアが開け放たれます!!



柔道「何ですぐ開けんか!!コラァァ!!」


切れまくっている柔道を、

なぜか、みんな正座でお出迎え。


氷のような戦慄が実内を満たしてゆきます。


柔道は怪訝そうな表情で正座する9名の周りをゆっくり歩き回っています。

そして窓際まで来ると、急に立ち止まって言いました。


柔道「・・・誰が窓開けた?」


一斉に引きつる一同。


「いや・・・暑かったんで・・・。」


そうポツリと漏らす誰かの声は、恐怖で震えていました。

柔道はそれっきり、しばらく黙っています。


喫煙はバレているのでしょうか!?

それとも、ただの巡回か・・・?


一瞬たりとも予断を許さない状況に、足のしびれも忘れていました。


すると、突然最悪な状況が舞い込んできたのです。


柔道「コレ・・・何や?


恐る恐る振り返ると、柔道の手にあったのは、

何とO君がタバコを入れていた弁当箱じゃありませんか!?
(((( ;゚д゚)))


柔道「これ、誰の持ち物や?」


O君は今にも泣き出しそうな表情で、手を挙げています。


柔道「何でここに弁当があるとや?」


当然の疑問でしょう。


果たして、O君は何と答えるのか!?

その瞬間、僕らは奇跡の発言を目の当たりにしたのです!








O君「お・・お母さんが食べなさいって・・・。」


これには柔道も予期しない答だったのか、ハトが豆鉄砲食らったような顔をしてます。


柔道は意外にも、「ふーん」といった様子で、弁当箱の存在をスルー。


O君、偉大な仕事っぷりでした。

と思ったのも束の間、柔道はなんと今度はトイレに向かうではありませんか!
(゚▽゚|||)

トイレには、さきほど誰かが投げ入れたタバコとライターが散乱しているはずです!!


柔道が、そのheaven's doorを開けた時、

地球は滅亡します。


もはや人類の存亡を賭けた事態・・・。


負けられない戦いがそこにはある。


しかし、柔道は真っ直ぐトイレへと向かい、今にもドアに手をかけようとしています・・・!


終わった・・・。


みんながそう諦めた時でした。



















O君「う・・・う○こしたい!!((((*゚Д゚;))))」


まるで雄叫びのようなO君の神発言


O君はそう叫ぶと、柔道を押しのけて無理矢理トイレに駆け込んでしまいました。(゚▽゚|||)


時が止まる室内


O君の明らかにおかしなタイミングで便意を訴えたにもかかわらず、勢いとテンションだけで押し切った見事な技に、なんてベタなんだとみんな泣きそうになっていると、またまた奇跡が起きたのです。



柔道「・・・お前ら、消灯まで騒ぐなよ!」


なんと、トイレに立てこもるO君に構う事無く、柔道はそう言って退散していくではありませんか!!
( ;゚д゚)


世界は核の恐怖を脱したのです。


現実では計り知れない出来事。

神々しい力が介在したとしか考えられません。


かくしてタコ部屋一同の戦慄の事件は、歓喜の内に収拾する運びとなったのでした。 (ノ´∀`*)




P.S


翌日、みんなに迷惑をかけたO君は、朝イチで沖縄名物『ちんすこう』を奢らされるハメとなったのは言うまでもありません。



つづく

炎の修学旅行④

まさに、コン・エアー(囚人護送機)の様な緊迫したフライトを終え、眼下に広がる南国の蒼い海原に、他の連中も興奮を隠しきれない様子。

当初はスキーに行けず、ふて腐れていた僕でしたが、次第に日本でも有数のリゾート地への期待感が膨らんでいました。


ハイビスカスの鮮烈な赤
真っ白な砂浜と青く染まる海


これを楽しまないと、はっきり言って損です。

さきほどは柔道教師に打たれましたが、そんな事でヘコんでいるようではこの学校ではやっていけません。


飛行機は次第に高度を下げ、着陸準備に移ります。


今度はに興奮しないよう注意です。


無事に着陸を果たし、機内では降り立った後、移動手段であるバスに乗り込むよう指示されました。


初飛行機の興奮は、いつしか沖縄の地への興奮へと変わっていたのです。


初日はホテルに向かう前に、いくつかの観光スポットを経由しました。


ひめゆりの塔とか沖縄戦跡国定公園なんかの平和や戦争に関するところへ行ったように記憶しています。


とても考えさせられる、有意義な場所ではあります。

しかし、僕らの学校になると少し異質です。('A`)





まず、例のチューリップ帽子の装備を強制され、


バスを降りたら基本的に一列縦隊。
(;´Д`)



非常に不気味な集団に見えたでしょう。




隊列を乱そうものなら、すぐさま引率教師が彼方からやってきて、

愛の鉄拳を頂きその場で正座。




それがどんなに人ごみであろうが、有名な地であろうが、


正座で罵倒されます。(´Д`lll)


学校の恥をさらすなと先生方はおっしゃってましたが、

行く先々での正座の方がよっぽど恥さらしなのではとみんな憤慨しておりました。


行軍じゃないんですから。


楽しい旅行のはずが、これじゃ自衛隊の演習です。(。´Д⊂)


しかも、大量のノッポさんらによる演習です。


これでは思い出もへったくれもあったもんじゃございません。

怨恨だけが残る初日でした・・・。



~その日の夜~



ホテルに戻った一行は、それぞれの部屋に荷物を置き、大広間へ夕食に集合するよう言い渡されました。


一部屋5~6人のキャパしか広さが無い部屋に、なぜか9人編成という中途半端な配置。


学校側の作為を感じずにはいられません。(`Д´)


大人の事情ってヤツでしょうか?


そんなタコ部屋に文句を言ってる暇も無く、急いで準備を終えると、すぐさま大広間に向かいます。

時間に遅れると、公開処刑されるからです。(;´Д`)


僕は大広間に急ぎ足で向かいながら、心の中で自分と葛藤していました。


これ・・何かの訓練?


大広間へ着くと、すでに半分くらいの生徒が姿勢良く席について、目の前の料理に目を奪われていました。

僕らも事前に説明であったように決められた席につき、緊張の面持ちで待機です。


こんな戦慄のディナーってありますか!?(´Д`lll)


みんなお腹が空いているのか、早く『いただきます』したくて素直に静観している様子。

しかし!!

学年主任の例の柔道教師が本日の総括をおっしゃっている最中、事件は起こりました。


柔道「コラァ!!今お前食ったやろうが!!


Σ(゚д゚lll)ガーンΣΣ(゚д゚lll)ガガーン!!


柔道教師の雄叫びに、みんなの表情が一斉に恐怖でゆがみます。


柔道の指差す先にみんなが見たものは・・・


震える指先でハシを持つ一匹の子羊でした。(;´Д`)


彼は自分のしでかした過ちにすぐさま気付きましたが、時すでに遅し。

別の教師に襟首をつかまれ、なぜか別室へ。


気持ちはわかります。

昼間の炎天下の移動はハードでした。

きっとお腹もペコペコだったのでしょう。

つい出来心でフライングしたのでしょう。


でも、今やる事ないじゃないの泣


別室で何が起こっているのか?


妖艶な宴?


彼が戻ってきたのは、約20分後でした。


その間、もちろん僕ら全員も待機です。(T▽T)

料理なんか、もう冷めきっちゃってます大泣


そして彼・・・泣いてました。('A`)


静かに席に戻り、同じテーブルの生徒らに肩をたたかれて慰められてました。
・゚・(ノД`)ヽ(゚Д゚ )


こうして、初日の夕食は柔道の合図で何とか迎えられました。



柔道「よーし、スタート!





競技かよ!


⊂(´Д`;⊂⌒`つ≡≡≡


つづく





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炎の修学旅行③

えー、前回、卑猥な内容を扱ったせいか、女性の読者さんらに軽蔑された感が否めませんが、そんなこんなで、あっという間に修学旅行当日。


福岡空港に一堂に会した僕ら2学年生であります。

と言っても、人数が800人近くもいるため、国内線ロビーの人ごみを避け、

国際線の広いロビーに各クラスニ列縦隊で整列させられております。

一般客がチラチラと見つめる中、気合いの点呼で各クラス存在をアピールです


恥ずかしい自己主張の儀式を終え、いよいよ搭乗手続きという時になって、学年主任の柔道教師から注意事項が言い渡されます。

はっきりとは覚えていませんが、節度を持った行動を、とか、

お前らはバカだ、とか何とか言ってたように記憶しています。
(T∀T )

そしてヤツは最後にこう叫びました。


柔道「現地では日差しが強いから、コレをかぶるように!」


ヤツの叫びとともに各クラスに配られる謎の白い物体。







チューリップ

           例のコレ

そうです。

よく甲子園の応援席なんかで目にするチューリップ帽子ってやつです。

沖縄の地では常にコレをかぶり、大地を練り歩けというのです。


800人のノッポさん誕生の瞬間。(´ロ`;)


童顔な人や、あっさり顔の人なんかは意外にこの帽子が似合うのですが、僕をはじめ厳つい顔をした連中なんかは、

脳内お花畑状態の様相を呈しております。


そして、いよいよ飛行機に搭乗開始。

まるで囚人護送のように引率教師ら数名に脇をガッチリ固められ、緊張の面持ちで乗り込む子供たち。


そこにはもはや、

旅行を超越した何かがあったように思います。


すべからくスムーズに搭乗は完了し、離陸前の間に柔道教師から再び注意が。


柔道「いいかぁ、貴様ら。機内で恥をさらすなよ!」


などと、生徒と教師の素敵な信頼関係を表すありがたい言葉を頂き、全員さらに緊張が増した様子。


しかし、僕は違う意味で緊張していました。



だって、

飛行機初体験だったからです。(*゚Д゚;)


正確には2回目だったのですが、前回乗ったのはまだ小学生に上がる前。

飛行機に乗った記憶なんかありゃしません。


遥かなる大空への憧れと、墜落への恐怖が同居した不思議な感覚。

緊張というより、興奮していたのかも知れません。


しっかりとシートベルトをセットし、座席シートのひじ掛けを掴む両手に力が入ります。


次第に甲高い唸りをあげるジェットエンジンと、地響きにも似た機内の揺れ。

息を飲む瞬間。

離陸を伝えるパイロットのアナウンスが機内に響き、小窓から広がる景色は広い滑走路へと移り変わってゆきます。

整備は完璧なのか?

上空の天候は荒れたりしないだろうか?


不安と興奮で高鳴る鼓動を必至に抑えます。


やがて、エンジンは先ほどとは比べ物にならないくらいの爆音を轟かせ、とてつもない勢いで滑走を始めました。

未曾有の圧力。

全身の血液が背中へと移動するのが分かります。


そして、僕はやってしまいました・・・。














僕「うぉぉぉ!スゲーや!がスゲー!

  Gキタ━(゚Д゚)━( ゚Д)━(  ゚)━(  )━!!!!!


あれほど事前に騒ぐなと注意されていたにもかかわらず、あまりの興奮と感動で思わず奇声を発した僕。

気付いた時には、クラスのみんなの目が驚きから哀れみに変わってゆくのが確認出来ました。


~あぁ・・・スウェッツのバカが・・・。
~オレは知らん!知らん知らん!


そんな声にならない声が機内を駆け巡り、飛行機が安定飛行に移行するのと時を同じくして、惨劇は現実となったのです。







柔道教師「・・・さっき、重力がどうのこうの叫んだのは誰じゃぁぁ    ぁ!!!!」





僕DEATH(T▽T)



最前列に引っ張り出され、その後の悲惨な有り様は、語るに忍ばれます。


延々とを叫んだ理由を問われ続け、

高度5000メートル上空での往復ビンタを食らう僕('A`)


こうして、処刑第一号の称号を授与され、僕の思い出の修学旅行はスタートしたのでした・・・。

(´・ω・`)




つづく






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炎の修学旅行②

楽しみにしていたスキー旅行を突然変更されたあげく、担任にシバかれた僕は、頭の中が怒りでいっぱいでした。

クラスの中では、変更の知らせを受けた当初は不満を口にする者もいくらか居ましたが、そこは南国のリゾート沖縄。

次第にバカンス気分を夢見て、誰しも沖縄モードへとシフトしていきました。

そんな有り様を見ながら、


「この、売国奴めが!」などと暗い思想を抱いていたものです。


そんなある日、美術の授業で、ある企画が持ち上がりました。

何でも、修学旅行のしおりに掲載する挿絵を生徒たちに描かせようという事で、美術の授業を使って各クラス合同でコンテストを開き、上位入賞者の挿絵を採用するとともに、優秀作品は表紙を飾れるという事でした。

美術の教師は公平を期すため、自らが顧問を担当している美術部所属の生徒を参加不可にするのでと僕らにハッパをかけていましたが、自分の絵がしおりに載ったからといって大喜びするような純朴な生徒は皆無でしたので、荒れた賞レースになるのは必至でした。

当然、僕にもそんなヤル気はまったく無く、白紙で提出してやろうかなどと積木崩し的な意地を張っていました。

ところが、最初の授業が始まった矢先、僕の脳裏に一休さんばりのひらめきが!


これ・・・仕返し出来るんじゃない?(・∀・)


そうです、挿絵という媒体を使ってスキーの積年の恨みを晴らす、画期的なアイディアを思いついたのです。

仮に、この案件が成功を収めた場合、


全学年を巻き込んだジハード(聖戦)になる恐れがあります。

それほどのショッキングな内容に、自分でも恐怖を感じたほどであります。

思い立ったが吉日という事で、ヤル気の無い他のクラスメートを尻目に、かなり本気で挿絵の作成に取り掛かりました。

この復讐劇を完遂するために、まずは何としても挿絵を採用してもらわなければなりません。

幸い、美術部という難敵は今回の戦いには参加しておらず、その他の者はお話にもならない状況です。

優勝して表紙を、とまでは行かなくても、挿絵として採用されるだけなら可能性大です。

自画像を描いて提出すると、


「誰が原田大二郎を描けと言った!」と以前怒られた経験を持つ僕にとって、単なる挿絵の製作でもかなりの困難を要しましたが、なんとか描きあげました。



万座毛

      スウェッツ画伯作(イメージ)



沖縄という島を空撮風に捉えた会心の出来。

誰でも思いつく安易な構図に地名をふっただけの大作に自画自賛。


恍惚の表情で自信作を提出し、後は結果発表を待つばかり。

参考までに、ある友人にどんな絵を描いたか聞いてみると、シーサー(アリクイに酷似)の頭上にハイビスカス(チューリップに酷似)が咲き乱れるという、


ある種、前衛的な内容の模様。





もしかして・・・・楽勝コレ?



~それからそれから~



数日経過して、いよいよ結果が発表される日がやってきました。

やれるだけの事は全てやった・・・。

そんな達成感いっぱいの思いとともに、採用への期待はいつしか確信へと変わっていました。


普段より少し早めに家を出て、自転車を飛ばし校内の掲示板を目指します。

案の定、掲示板の周りには誰もいませんでした。

これほど盛り上がらないコンテストに改めて脱帽。

さっそく張り出された採用者表に目をやります。




佳作採用    2組○○(名前)  
        4組○○
          ・
          ・
          ・
          ・















優勝   6組 スウェッツ





うそぉぉぉん!?((((*゚Д゚;))))

あんな簡単な絵で優勝とは!!

まさにバカ学校。


なんと僕の絵が表紙を飾る事態になってしまいました。

挿絵として採用されるのを想定していたのですが、思わぬ快挙です。


これはもう、復讐というより、大戦の規模になってしまいました。

嗚呼・・考えただけでも恐ろしい・・・。

しかし、今さら後戻りは出来ません。


その後、クラスメートに優勝をからかわれながら、美術教師と接見。

すぐに清書して提出しろとの事でした。

学校が終わると、すぐさま家に帰り、数年ぶりに机に向かいます。

計画ははっきり決まっていました。

ペンを持つ手の先に魂を込めます。




万座毛

            ↓
            ↓
            ↓       

            ↓

            ↓

マン毛座

           完成



そうです。

僕の計画したしおりテロの正体・・・それは・・・


『万座毛』という地名を『万毛座』にすりかえるという

卑猥なトラップだったのです!!(|゚|∀|゚|)
(女性の皆様に陳謝)




実写

        実際の万座毛




まるで象の鼻の様な高さ約20メートルの琉球石灰岩の断崖を有し、『万人も座する草原』という原っぱに由来したとされる万座毛という名前。

全国的に有名な観光スポットを、こんな形で汚してしまうのは忍びなかったのですが、復讐の念の前に壁はありません。


翌日、バレやしないかと緊張を押し殺して、美術教師に提出。

そんな心配をよそに、ありがたいお褒めの言葉を頂き、1週間後晴れて『修学旅行のしおり』完成!

それは全学年分の、約800冊の『マ○毛』の誕生の瞬間でありました。

誰にも悟られずにやり遂げた校内テロ。

その夜は感涙で枕を濡らしたのは言うまでもありません。



かくして、僕らは800の『万毛   座』とともに旅立つ事になったのでした。





つづく


女性の皆さん、ごめんなさいね(;´∀`)







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