イメージ 1英パブ・ロックの立役者となったアメリカン・バンドの2枚組コンプリート盤が出ました。約10年間の活動でオリジナル・アルバムはたったの2枚、商業的にも知名度的にも微々たるもんに終わってしまいましたが、今ではパブ・ロック&ブリンズリー・シュウォーツ好きには絶対外せない重要バンドの1つっす。ディスク172年のファースト・アルバム『Good ‘n’ Cheap』と80年のセカンド『Fear Of Frying』全曲と、76年のシングル“I’m Gonna Put A Bar In The Back Of My Car”とそのB面の“Horny Old Lady”が追加された全24曲、ディスク271年ロンドンのオリンピック・スタジオ録音のデモ12曲が収録されています。3面見開きのデジパック仕様で、当時のレアな写真の数々と詳細なライナーの載った24ページのブックレット付き!なんつっても当時このバンドを発掘した元アニマルズのベーシスト、チャス・チャンドラーのプロデュースによる初登場のディスク2が目玉っすね。個人的にはセカンド・アルバムの『Fear Of Frying』も今回初めて聴きましたが、ディスク2と同じくらいサイコーでした。ファースト・アルバムの11曲は当時のレパートリーからすればほんの一部だったそうなので、今後またライヴ音源なんか発掘してほしいもんすね。レイ・チャールズ、ストーンズ、ザ・バンドのカヴァーなんかもやっていたらしいし、やっぱパブ・ロックはライヴ抜きには考えられないですからな!楽曲的にもサウンド的にも「オレたちの売りはこれ!」と焦点を絞ったドクター・フィールグッドとは正反対に、カントリーからフォークからソウルその他何でもござれのスタイルに、クールなユーモア・センスがプラスされた彼らの個性はそのまんまブリンズリーズやチリ・ウィリ&ザ・レッド・ホット・ペパーズに受け継がれたのがよくわかるすんばらしいバンドなので、パブ・ロック好きにはぜひ押さえていただきたいCD
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【レコ妖怪向けレビュー】
今ではCDで何種類も出ていそうな(紙ジャケも?)英フォークの名作のUKオリジナル盤です(型番LK 4652)。おそらくモノラルのみのリリースで、レーベルはイヤー(耳)デッカです。いやあ、これは手に入れた20年近く前でも万札2枚はすっ飛んでいったと思います。60年代の英デッカ・レーベルのジャケほぼすべてに共通の表カヴァーのみコーティング、背表紙上下絞りっす。デッカのオリジナル盤って、ジャケのサイズが他のレーベルと比べて少し小さいんですよね。レコのサイズにギリギリに合わせたような。なのでレコ用の外袋がけっこうブカブカだったりします。「あ、ちょっとジャケが小さいな」とデッカのレコを一目見て分かる人は、かなり病気のレコ妖怪だと思います。もちろん私は病気なのでわかります。このオリジナル盤にはもともとインサートが付属していたことを、だいぶあとになってからどこかで読んだ気がしますが、残念ながらこれにはついていませんでした。シャーリー・コリンズによれば、デイヴィによるジャズ、インド、北アフリカ(モロッコ)のスタイルの折衷主義は当時のフォーク・シーンで一大旋風を巻き起こしたそうなんですが、この時点ですでにシャーリーは姉貴のドリーとともに、イングランドの歌に絞ってそれに付けるもっとふさわしい伴奏を見つけ出そうと決心していたそうなので、実際のところは当時の夫のオースティン・ジョン・マーシャルに「デイヴィと組んで1枚作ってみいひんけ?」と勧められて、やや渋々了解したっちゅう感じの企画物だったらしいです。しかし振り返ってみれば、当時は誰も思いつかなかったシャーリーのそういう考え方が、アシュリー・ハッチングスとの出会いとトラディショナル・フォークの電気化につながって、名作『No Roses』や『Morris On』、その他無数のエレクトリック・フォークの名盤が生まれて、その影響は現在まで続くわけですからやっぱりめちゃめちゃ偉大な人ですね。
イメージ 1スコットランドのトラッド・シンガーのファースト・ソロ・アルバムです。例によってCD化が進まないうちに完全にCDの時代が終わってしまいそうなトレイラー・レーベル作品なので、当然レコです。昔から聴きたい聴きたいと思いつつ、なかなか出会えなかったレコだったんですが、この度京都の中古レコ屋さんで再発のハイウェイ・レーベル盤ではありますが格安で見つけやした。ピックを使った達者な自身のアコギ、マンドリンに、ボーイズ・オブ・ザ・ロック(未聴)というグループからアリ・ベインという人がフィドルで参加しています。マーチン・カーシーのように抒情性を排除した無骨で硬いメロディーのトラッドばかりではなく、それなりに哀しげな旋律が出てきます。このへんのバランスがさらに名盤度を高めているような気がします。歌詞がストレートに伝わってこない多くの日本人にとっては、アカペラ・トラッドは1つのハンディキャップだと思うんですが、ここでは幸い1曲除いて全てに伴奏がついているのでALロイドよりは聴きやすいと思います。比べる人が間違ってますが。1曲目のアコギ・インスト部分では、フェアポート・コンヴェンションの『フル・ハウス』収録のマンドリン・インスト“Flatback Caper”と同じフレーズが出てきます。ギターとマンドリンによるインストが1曲入っていて、これもまたフル・ハウス期のフェアポートを彷彿させていいんですよね。ややしゃがれ声でいぶし銀的な味わいのある歌唱は、美声としゃがれ声を使い分けていたニック・ジョーンズとは違った、いい意味での不器用さが感じられるっちゅうか、「オレ一生労働者の味方だかんね」という気概が感じられてすばらしいっす。現在70歳近くになっていると思いますが、最近のスコットランド独立騒動やEU離脱騒動にも積極的に何か発信してそうですよね?あ、その前にこの人健在ですよね?前にとりあげた80年代の『Handful Of Earth』もすばらしい作品なので、英トラッド・ファンには一聴の価値絶対ありっす!
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タイトルどおり、インクレのBBC音源集です。91年か92年にバンド・オブ・ジョイという英レーベルから正規リリースされたやつなので、この手のBBC物としてはけっこう初期のCDっす。まずはトラック・リストです。
 
1. Dreams Of No Return 2. Jane 3. Oh Did I Love A Dream 4. Black Jack Davy 5. Rends-Moi Demain 6. Little Girl 7. Sailor And The Dancer 8. 1968 9. Log Cabin In The Sky 10. Dear Old Battlefield 11. Cold Days Of February 12. (Medley) Witches HatKoeeoaadi ThereA Very Cellular Song
 
音質は全曲大変よく、ステレオとモノラルが約半々で入っています。これまでとりあげてきたように、これ以降インクレのBBC/ライヴ/レア・コレクションCDはホンマいろいろ出ているので、当然ダブり曲も多く、今となってはマニア以外にはスルーされやすいCDかとは思いますが、アルバム『Earthspan』からマルコム・ルメーストル作で個人的にはアルバム中一番好きな7、『No Ruinous Feud』からマイク・ヘロン作のこれもすばらしい6、そして最後のスタジオ・アルバム『Hard Rope & Silken Twine』からロビン作の反戦歌11など、今でも他ではたぶんめったに聴けないトラックも入っているので要注意です。70年ということで、ローズ・シンプソンは脱退直前か直後の時期でここには入ってませんが、なぜかリコリスも出てこないです。ほとんどのトラックにはベースがついていて、バンド編成のフォークロックも数曲あります。聞いた感じではロビン、マイク、ルメーストルの3人を中心に、曲によって他のメンバーも参加しているっちゅうところでしょうか。今まで紹介してきたインクレのBBC/レア集の中では写真とデータ満載の分厚いブックレット付の『Across The Airwaves』と『Tricks Of The Senses』が決定版&オススメっす。どちらも2枚組っす。うっす。
イメージ 1当時ツェッペリンのスワン・ソング・レーベルからリリースされたアルバムっす。今回初めて聴きましたよ。彼らにとってはスワン・ソングからの2枚目なんですかね?前作の『Silk Torpedo』と前々作の『Freeway Madness』は未聴なんですが、大半は以前とりあげた4枚組のBBCライヴ・ボックス『Live At The BBC』に入っているのですっ飛ばしました。90年代に入ってプリティーズが再評価されて来日公演まで実現した時は、初期のガレージ・サウンドと60年代後半のサイケデリック・ロックに焦点が当てられていたんで、74年の前作、73年の前々作と今回のこれを含む3作品はほとんど無視されてましたよね。私もナメてかかってました。まあ、ブリティッシュ・ハードやウェストコーストなんかの音楽的傾向からいうと致し方なかったとは思います。けどが!その再評価も一段落したところで、今度はこっちの作品群の再評価もありなんではないか!と思うほど、聴き込むほどに良さが分かってくるアルバムたちやと思います。フィル・メイのヴォーカルはツェッペリン・ファンには申し訳ないですが、ロバート・プラントよりも圧倒的に魅力的だし、時折プラントっぽく聞こえるところは、プラントの方が逆にフィル・メイにコンプレックスさえ抱いていたんじゃないかと勘ぐってしまうほどです。もしかしてフィル自身も気づいていて心の中でこう思っていたかもしれません―「くそっ、プラントめ、オレの真似しやがって…、あ、あかんあかん、スワン・ソングのツェッペリン様様やった…」 売れたもん勝ちのショー・ビジネスの世界は残酷っす。ドラマーのスキップ・アランはさらに腕に磨きがかかり、若手のギタリストのなんとか君もけっこういいフレーズ繰り出してます。なんとか君て。そして何よりも大事&基本的なところで「楽曲の良さ」がちゃんと保たれているのが、くり返し聴くと分かってくるんです。というわけで、ハードロックからブリティッシュ・フォーク、伝統的なロックンロール、ボーナス・トラックではアメリカン・ポップスまで出てくるふり幅の広い、且つ!楽曲的魅力の備わった、ヴェテランらしいプロフェッショナルな作品やと思います。
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【レコ妖怪向けレビュー】
なんと11月に京都の磔磔(!)にやってくるヘロンの祝初来日ということで、ファースト・アルバムのUKオリジナル盤の紹介です。4面ともシマシマの渋いエンボス加工が施された豪華な見開きジャケットで、見開き部分にはモノクロではありますが、原っぱにたたずむメンバー及びスタッフか誰かの写真がたくさん載っています。裏ジャケのフィールド・レコーディング中のバンドの写真がまたいいんですよね。朝日か夕日かわからんですが、おてんとさまの下で「ほな次いきまひょか~」って感じで。たぶん今でも中古市場では状態によっては万札数枚が飛んでいきそうな大変なプレミア価格となっていると思いますが、これからオリジナル盤を探そう!と思っている方は、もともと付属していたインサート(紙ペラ1枚)がちゃんと付いているかどうか確認せなあきません。それにはトラック・リストと作者クレジット、メンバーの名前と担当楽器、その他レコーディング・データが載っているので、あるとないとでは大違いです。ジャケ自体にはそのへんの情報は何1つ載っていませんので。レコ番号はDNLS 3010、レコ・レーベルは赤地のDawn(ドーン)、おそらく当時はそれほど売れなかったでしょうから、セカンド・プレス以降は存在しないと思います。CDでは昔とりあげた『Upon Reflection/The Dawn Anthology』という2枚組が決定版っす。CDで十分、音さえ聞ければいいという方、レコード・プレーヤーのない方、オリジナル盤には興味のない、道を踏み外していない方はこれ1枚で当時のヘロン全てがそろいます。CDさえもいらない、配信で十分という方はオレが許さん。今回はオリジナルの4人のメンバーでの来日らしいので、レコか何か当時のバンドの写真が載っているものをもっていって、ハゲたメンバーと見比べながら、「あ、この人がGTムーアさんか」とかロイ・アップスさんかとか確認しながらステージを見たいと思っています。って全員ハゲてるとは限りませんね。失礼な。
イメージ 1公式では最終作となった6枚目やっと手に入れましたよ。ベースとドラムスのリズム隊は前作『Out Here』と変わらず、リード・ギターがゲイリー・ロウルズという人に変わっています。サウンド、プレイ、音楽的路線は『Four Sail』、『Out Here』と完全に同じ、歪んだギターが唸りまくり、アーサーも唸りまくりの雄叫びまくりっす。しかしこの人の決してソウルフルでない、半分ヤケクソ気味なスクリームは聴いていてスカッとしますね。そういうところはたしかにジミヘンのヴォーカルと共通しますが、アーサーの場合はフラストレーション爆発というか、腹の中に相当モヤモヤしたものを抱えていたんじゃないかと思ってしまいます。自虐的なアルバム・タイトルの「出だしのつまづき(false start)」のとおり、ジミヘンがやっつけ的なギターでゲスト参加したオープニング・トラックの“The Everlasting First”は、まさにつまづきながらヨロヨロとフェイドインしてきて、やる気あんのか。しかし!スコッと終わってしまうこれ以外は、アーサーのすばらしいソングライティング能力まだまだ健在っちゅう感じで、普通この手のハードなロック(注:ハード・ロックではない)のアルバムでは埋め合わせ的になってしまいがちなフォーク/カントリー調なナンバーでさえ、かなりの魅力を放っております(“Keep On Shining”と“Slick Dick”)。1曲だけ、前作に入っていた“Stand Out”がライヴ・ヴァージョンで再録されているところが、たしかに当時の不安定なバンド状態を反映しているともとれますが、このライヴ・ヴァージョンめちゃめちゃカッコいいすよ。客観的に聴いてみると、曲としてつまらんのは1曲目の“The Everlasting First”のみ、あとはどれもコンパクトに良くできていて、けっこう気に入りました。入手したのは90年代初頭に英BGOから出た味気ない仕様のCDなので、そろそろ新装リマスター盤出してほしいっすね。最高傑作の『Forever Changes』だけ押さえるのはもったいないバンドであることは間違いなし!
イメージ 1いやあ、決勝はポルトガルvsフランスになってしまいました。
もう数時間後ですよ。単にラッキーな組み合わせでここまできた感の否めないポルトガルは、フランスにボコボコにされると予想します。
まあ、あくまで予想ですから(逃げ)。

結果的に一番おもしろかったのはドイツvsイタリアってことになるような気がします。だいたい毎回おもしろい試合が見られるのはベスト8くらいですよね。

もうすぐ始まる決勝の見どころは、こないだのチャンピオンズ・リーグでレアルにタイトルをもっていかれてしまったアトレティコのグリーズマンが、ロナウドに復讐できるかどうか!?ですね。



イメージ 1アラバマ生れのディープ・ソウル・シンガーです。キャピトル・レコからリリースされた本作はおそらく彼の唯一のアルバムで、過去のシングルが何曲か含まれているようです。シングルは60年代前半からいろんなレーベルで数多く発表していて、ヒットには恵まれませんでしたが、今ではサザン/ディープ・ソウル・ファンから大変高く評価されている人です。個人的には久しぶりに、ソウルのオリジナル盤としては大奮発大爆発してしまいました(京都のワークショップにて)。うひょー! 声自体はそれほど似ていないんですが、なめらかな歌い方、節回しはもろサム・クック直系のソウル・シンガーとして本人も自認していて、ここでもわかりやすくサムの“Somebody Have Mercy”と、メドレーで“(I Love You) For Sentimental Reasons”~“You Send Me”を歌っています。しかし「サム・クック直系」って決まり文句ですな。レコーディング場所が謎ですね。ニューヨークとかナッシュヴィルとかいろいろでしょうか。このレコのリリース後に、あのリック・ホールのフェイム・レーベルで3枚のシングルを発表するんですが、それがサザン・ソウル・ファンにはウィリー・ハイタワーの頂点として認識されています。私も盲目的に(あのね)そう認識しています。70年前後ですから、ドラマーのフリーマン・ブラウン含むフェイム・ギャングがバッキングを務めているトラックがあるわけですからな!ちなみにB面含めたその6曲の内訳は、“Walk A Mile In My Shoes”、“Back Road Into Town”、“You Used Me”、“Time Has Brought About A Change”、“Poor Man”そして“I Can’t Love Without You”で、これら全てとこのアルバム全曲が入っているCDが昔とりあげた、顔のドアップがフィーチャーされた赤っぽいジャケの『Willie Hightower』っす。もちろん超オススメなのはそちらのCDです。
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【レコ妖怪向けレビュー】
セカンド・アルバムのUKオリジナル・モノ盤です。これのステレオ盤は存在せず、当時アメリカでは『Happy Jack』とタイトル変更されてステレオでリリースされました(全曲ステレオなのかどうかは知らんです)。レコ会社は同時期のクリームと同じリアクション・レーベルで、レコ番号は593 002っす。このレーベル・ロゴ・デザインにある矢印とか‘リアクション’ということば自体がいかにもモッズモッズしていて彼らにピッタリすね。ジャケは両面とも美しいコーティングが施されていて、カラフルなジャケ・デザインもサイコーです。昔メイン・サイトの【レコ妖怪】のコーナーで何度かとりあげましたが、日本を含む各国の再発盤のジャケは両面ともかなり不鮮明で、このオリジナルと比べると天と地ほどの差がありますよ。表ジャケのキースのシャツが赤のストライプだったと知ったのはオリジナル盤を手に入れてからです。特に裏ジャケのメンバーの顔写真がきれいに撮れていて、キースは青白くて死人のような顔色なんですけど、ジョンとピートの目はこんなに美しいエメラルド色だったのか~とちょっと感動しました。音についてはまずなんといってもオープニング・トラックの“Run Run Run”ですね。これも昔レビューに書きましたが、ピートのノイズ混じりのゴリゴリのギターが重ねられたこっちのモノラル・ヴァージョンがそらド迫力なんです。が、悲しいことに全てのフレーズがわずかにうしろにズレていて気持ち悪いったらありゃせんのです。オーヴァーダビング失敗!しかしそれを差し引いてもステレオ・ヴァージョンよりも全然かっちょいいと思います。キースのはみ出しまくりなドラム・ソロをフィーチャーした“Cobwebs & Strange”、ジョンのベースが効いた“Boris The Spider”もオリジナル盤特有の迫力が…といいたいところですが、私のバカ耳ではこのへんは思い込みの可能性あり!一発録りっぽい名曲の“So Sad About Us”は、当時の調子のいい時のライヴを聞いているような感じです。そんなわけでブリティッシュ・ビート・コレクターには外せない1枚!