目 次
序 章 戦争障害者の時代
—— 社会国家のもう一つの源流
第Ⅰ部 第一次世界大戦へ
第1章 英雄か「怪物」か
—— 第一次世界大戦までの戦争障害者支援
はじめに
1 近代以前の表象と支援
2 国民軍の創設と民間慈善の組織化
3 統一戦争期の戦争障害者支援 —— 軍事年金法の拡充
4 第一次世界大戦前の状況 —— 1906年の軍事年金法改正
おわりに
第2章 「労働による自立」
—— 第一次世界大戦下の戦争障害者支援
はじめに
1 開戦時の戦争障害者支援
2 戦争障害者支援の拡充 —— 医療支援
3 「労働による自立」の貫徹 —— 戦争障害者への就労支援
4 農村移住
おわりに
第Ⅱ部 戦間期
第3章 「帰還者」の相互支援
—— 戦争障害者の組織化と政治化
はじめに
1 在郷軍人会と「キフホイザー同盟」
2 ヴァイマル期の除隊者・戦争犠牲者の組織化
3 ナチ党政権下における「合一」
おわりに
第4章 「生きた戦争記念碑」
—— 戦争障害者へのまなざし
はじめに
1 戦争障害者という呼称
2 誰が「戦争障害者」か?
3 戦争障害者の男性性
4 英雄からパリアへ
おわりに
第5章 「リサイクル」される戦争障害者
—— 国家援護の法制化
はじめに
1 戦争障害者支援の統合 —— 全国援護法と軍事援護法
2 戦争障害者の就労状況
3 経済危機下の戦争障害者
おわりに
補論1 盲導犬
—— 戦争障害者のための「支援器具」
はじめに
1 戦時下の救護犬
2 第一次世界大戦下の戦争障害者支援と盲導犬の育成開始
3 戦争失明者から一般市民の視覚障害者へ
4 盲導犬に対する社会からのまなざし
5 ナチ政権下の変容
6 戦後の再建
おわりに ——「支援器具」としての盲導犬
第Ⅲ部 第二次世界大戦から二つのドイツへ
第6章 「戦争障害者は第一の市民である」
—— ナチ党支配下の戦争障害者支援
はじめに
1 「民族共同体」の一員としての戦争障害者
2 国防軍援護法の制定
3 労働力としての戦争障害者 —— 戦時動員の一形態
4 戦争障害者の自己意識と家族の感情
おわりに
第7章 「受肉した」敗戦の象徴
—— 占領統治下における再編と変容
はじめに
1 瓦礫社会からの出発
2 戦争犠牲者支援の停止
3 自主的な戦争障害者支援の展開
おわりに
第8章 「五つ目の車輪にはならない」
—— 西ドイツの戦争障害者支援
はじめに
1 西ドイツにおける国家援護の要求
2 戦争障害者への就労支援とその功罪
3 家族のなかの戦争障害者
おわりに
補論2 戦争記念碑と戦争墓
—— 戦争障害者支援の一形態
はじめに
1 ドイツにおける近代的な戦争記念碑の発展
2 第一次世界大戦後の戦争記念碑
—— ヨーロッパ的な共時性、時代を超えた普遍性
3 戦没兵士の帰還 —— 戦争墓の設置
4 「栄誉の碑」設置をめぐる議論
5 第二次世界大戦後の戦争墓区画の再編
おわりに ——「栄誉の碑」が表象するもの
終 章 戦争障害者支援からみえてくるもの
あとがき
注
参考文献
初出一覧
図表一覧
索 引