開幕戦のスタジアムで会うサポ友さんとのあいさつは、「明けましておめでとうございます」が定番です。
待ちに待った2024シーズンが、いよいよ幕を開けた訳ですが、栃木SCの幕開けは決して明るいものではありませんでした。
なかなかに難しく行く末を暗示するかのような試合に、正直なところ、不安が占める割合が、期待値を早くも凌駕してしまいました。
たった1試合。
たった90分。
それでも、その試合を観た感想は前向きに捉える箇所は少なく、チームが目標に掲げたPO圏内進出は、相当に難しいはずだと、そう思い知らされたのです。
さて、僅か1試合だけのこの内容、結果から、田中監督はどう判断し、次節に臨むのでしょうか。
早くも、修正力が試される状況です。
試合当日の岡山の朝は、冷たい雨でした。
雨降る岡山の地に降り立つと、その寒さと共に、「開幕の地に来た」という気持ちが沸き起こり、身震いするような何とも言えぬ気持ちになるのです。
岡山駅から徒歩で目指すスタジアム。
コンビニで傘を購入し、冷たい雨を凌ぎました。
スタジアム到着は、午前8時ちょっと過ぎ。
仮の待機列が形成されていて、そこには先着1グループ。中心で応援する若手サポたちです。
待機列に並べたのは9時を回ってからでした。
そこからスタグルへ行くと、開店は全店舗一斉で10時からとのこと。
この待つ時間が、冷たい雨もあって、そこそこ厳しい環境でしたが、開店と同時に購入できたのは良かったです。
開店してからしばらくすると、各スタグルはどこも大混雑でした。
スタジアムに入場し、応援のために最前列へ。
今シーズンから大旗を3名のサポ友さんと交代で振ることになりましたので、そのために、振りやすい階段脇の席を確保しました。
この時点で、雨は上がっています。
大旗デビュー戦が雨でなくて本当に良かったと胸を撫でおろすことに。
因みに、この岡山戦では、後半45分を担当しています。
なかなかの疲労度でした。
その後、スタメンが発表されましたが、なかなか予想するのが難しいメンバーが名を連ねたのかなと、そんな印象。
システムは3-3-2-2だったと思います。
前線に攻撃的選手を多く配置し、厚みのある2次攻撃、3次攻撃を展開することを思い描いた選手起用に感じました。
しかし、中盤の厚みは明らかに昨シーズンよりも落ちるのではないか。
中盤でボールを持てずに、苦戦をするのではないか。
それが、このスタメンを見た際に、スタグルを食べながらサポ友さんたちと交わした会話なのですが、それが嫌な意味で的中してしまいます。
栃木SCとしての初戦は、こうなる「はず」だった。こうする「はず」だった。そして、こうなる「はず」ではなかった。
そんな試合展開になってしまい、ピッチ上の選手は、相当に悪戦苦闘することになります。
岡山の巧みなプレーに翻弄され、厳しいだけでは表現できないほどに、痛い船出となってしまいました。
【結果】
ファジアーノ岡山 3-0 栃木SC
前半 1-0
後半 2-0
【会場】
シティライトスタジアム
【得点】
前36 木村太哉(岡山)
後09 グレイソン(岡山)
後52 柳 育崇(岡山)
【栃木SC警告】
前24 石田遼太郎(累積1枚目)
【栃木SCスタメン】
GK 丹野研太
DF 平松 航
DF 藤谷 匠
DF 福島隼斗
MF 佐藤 祥
MF 大森渚生 → 森 俊貴(後27)
MF 石田凌太郎
MF 大島康樹 → 矢野貴章(後27)
MF 小堀 空
FW 奥田晃也
FW 南野遥海 → イスマイラ(後13)
【栃木SCリザーブ】
GK 川田修平
DF ラファエル
MF 森 俊貴 ← 大森渚生(後27)
MF 神戸康輔
MF 揚石琉生
FW イスマイラ ← 南野遥海(後13)
FW 矢野貴章 ← 大島康樹(後27)
【審判団】
主審 : 須谷雄三
副審 : 松井健太郎
副審 : 塚田健太
【観客数】
11,431人
【天候/気温/湿度】
雨のり晴のち曇/10.3℃/72%
【第1節終了時順位】
19位
この開幕戦を裁くのは須谷雄三主審。
今シーズンもJ2担当のようです。これで、昨シーズンから続き、2年連続でのJ2担当になりました。
井上知大主審がJ1担当から1年のブランクを経てJ3担当となり、4シーズン連続でJ2を担当していた松本大主審がJ3へ。
また、野堀桂祐主審が1年でJ3へ戻るなど動きがあった中で、その実力を認められてのJ2担当継続です。
この試合では、疑義ある笛はほぼなく、負けているもののストレスを感じる印象はありませんでした。
栃木SCのスタメンは、GKに丹野選手を起用。リザーブに川田選手となりましたが、ここは予想どおりの起用。
最終ラインは、右から藤谷選手、平松選手、福島選手。ここも概ね想定どおり。
中盤の1ボランチに佐藤選手。右に石田選手、そして、左に大森選手。
福森選手の起用がないということは、まずもって怪我を疑う事案ですし、調子が上がらずのベンチ外というのは考えられません。
2シャドーの右に小堀選手、左に大島選手。
ここは左右を入替りながらプレーをしていましたが、攻撃的ポジションでありながら守備に転じる時間が多く、2シャドーは機能していませんでした。
いや、2シャドーが機能していないと言うことよりも、1ボランチが機能していなかったと言うべきでしょうか。
それ以前に、この3-3-2-2というシステムが、岡山の3-4-2-1というシステムに対し、絶対的に相性が悪いシステムだったようにも思います。
2トップは右に奥田選手、左に南野選手。
こんな布陣での初戦でしたが、まずもって、中盤の不利が最後まで続き、守備でも攻撃でも、チームとしての連係不足が露呈し、厳しい試合になってしまいます。
個の能力は有しているものの、そこに組織の力が足りておらず、少しも機能しない状況に感じました。
試合の立ち上がりから押し込まれる展開で、栃木としては守備の時間が多くなります。
岡山は、早々に中盤を征圧。
そこから展開される攻撃は早さもあって、左右へのパスに迷いがないことから、栃木の守備は裏を取られる場面がかなり多くありました。
特に、左サイドは苦戦を強いられます。
岡山の右サイドになりますが、ここからの攻撃はとても怖さがありました。
素早く裏を取ると、深い位置にまで切れ込まれ、そこからクロスが入る度に、栃木の選手が必死にクリアします。
ピッチ内へのクリアは岡山に出て、厚みある攻撃が繰り返されます。
コーナーへ逃げる守備も多くなり、岡山のセットプレーが幾度もあって、なかなか厳しい試合展開に陥りました。
これが、試合早々から最後まで、ずっと続くことになるのです。
耐え切れずに失点してしまいますが、1失点目はボールへの寄せなのか、選手への寄せなのか、いや、その両方でしょうか。
それがとても甘くなってしまい、エリア内に入られたことから、倒すことを恐れているかのように判断がより緩くなったように見えました。
あ、やられる。
応援をしていてそう思えた瞬間でした。
栃木の選手は4人か、5人か。
それでも、寄せ切れずに打たれたシュートは、ゴール右下に決まってしまいました。
栃木の守備に緩さはあったものの、岡山の攻撃の巧みさが光った先制点でしたが、それでも、余りにも緩い守備に残念な気持ちが大きくなります。
昨シーズンと比べるのはどうなのかと思いますが、どうしても比べてしまうのです。
あのような緩い守備からの失点は、そうそうなかったじゃないですか。
2失点目も、岡山の攻撃を止められず、緩い守備からの失点に感じましたし、3失点目のセットプレーからの失点も、守備の動きは見られず、かなり守備に関して課題が山積みなのだと、突き付けられた印象です。
守備から攻撃への展開が厳しいそうだと、栃木SCとしては戦いようがありません。
それを如実に知らされたような気がします。
攻撃も単調でした。
単調というよりも、中盤で圧倒されてしまい、なかなか有効なパスが前線に繰り出せません。
細かいパスを足元で貰ってこそ、南野選手や奥田選手が活きるはずですが、そのパスがことごとく相手にカットされてしまい、攻撃に転ずるはずが守備に回ることから、流れからの決定機が生まれません。
前線の選手に繋がらないことから、守備で奪ったボールは前線の選手にロングフィードすることも多くなり、その都度、高さのある岡山の守備に跳ね返されてしまい、シュートに行けない展開が続きます。
ターゲットに、イスマイラ選手、矢野選手を入れて、推進力ある森選手がピッチに揃った頃から、何とか攻撃の形が見えて来たようにも感じまたが、それでも、セットプレー以外からの気配は依然と小さく、勝点3を奪う試合から1点を返す試合になってしまいます。
選手交代も2枚も残していて、もっと打つ手はなかったのかと、その辺の疑問も残りますが、結果、アディショナルタイムにも失点を喫し、開幕戦としては、初の3点差での敗戦となりました。
これは大敗です。
惨敗と表現した方もいましたが、そのどちらも正しいのだと思います。
個人的に改善したいと感じたことは、
1ボランチに可能性を感じなかったこと。
小堀選手のプレー位置は前でお願いしたいこと。
大島選手も前でプレーさせたいこと。
守備の強度はとても小さく弱かったこと。
もっとありますが、この4つは特に感じました。
良かったと感じたことは、
矢野選手が入るとある程度機能すること。
試合前に雨が上がったこと。
スタグルが美味しかったこと。
このくらいです。
開幕戦、しかも、遠方でのアウェイ戦で弾丸気味に現地参戦した試合です。
そんな試合でこんな負け方をされては、そりゃあ文句も言いたくなりますが、まずもって選手にそれをぶつけても仕方のないことですし、それは思い浮かべただけで留めています。
試合後、ゴール裏に来た選手には、「ホーム開幕戦では勝つぞ!」といったような、前向きな言葉が、多くのサポーターから送られていました。
大敗してもなお、選手へ送られる言葉は前向きであって、そこに熱さもあって、とても雰囲気が良いゴール裏だったのは良かったです。
岡山で会ったサポさんは、ほぼ知り合いばかりですが、「すーさんですか?」と、数名に声を掛けていただいています。
そうか、ユニの背中に名前を入れたからか。
声を掛けてくださった皆さま、ありがとうございました。今後とも、よろしくお願いします。
厳しい試合でしたが、深夜バス、新幹線を駆使し、ホテル泊もなく、弾丸気味でも遠征できたことは良い経験です。
1点でも返せていればまた違った印象での敗戦でしたが、無得点というのは本当に応えます。
疲労度も倍増する感じ。
次節までの一週間は、ちょっと憂鬱です。
また、こんな生活が始まったなと、そんな印象です。
痛い敗戦でしたが、スタジアムでサポ友さんたちの前向きな姿に救われました。
ありがとうございます。
次節が栃木SCにとっての本当の開幕戦。
そんな気持ちを持って、試合に臨んで欲しいと思いますし、強敵ですが、モンテディオ山形に勝利するために、全力でぶつかって行ってください。
勝点3を奪い獲り、シーズンの開幕を祝いましょう。
押してください。