楓は、出逢った時、
すでに『猫エイズ』に侵されて
いました。
口中に口内炎や潰瘍(かいよう)があり、
「食べる」という動作自体が、
痛みと苦しみを伴うものでした。
残された数本の歯が、
食事の際に口内炎に触れ、
激痛を伴うため、
前歯2本だけを残して、
抜歯する手術を受けました。
麻酔に耐えられるかどうかが心配だった
のですが、手術後の病院のゲージ内では、
スヤスヤ眠る姿を見せてくれて、
ホッとしたのを憶えています。
そして、腎不全、白内障、
聴力障害・・・。
舌が2枚に分かれてしまうほどの
潰瘍って、痛みを想像できますか・・・。
楓は、病と闘いながら、
食べ続け、立派に生き抜きました。