【前編】にて、
板金屋の「管理」について
考察してみましたが、
今回の【後編】では、
パソコンを活用した場合の
『管理』を考えて見ます。
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まず、最初に大きなスケールの
話から入りたいと思いますが、
前編で述べたような、
生産管理
販売管理
営業管理
財務管理
原価管理
などなどの管理
は、全てをまとめて、
『基幹(きかん)業務』
と呼ばれます。
これらをドーンとシステム化すると、
この形にする最大の目標は、
「データの共有」
と
「無駄の排除」
であると言っても過言ではありません。
しかし、これらを形にするのにも
当然のごとく費用が掛かります。
中小規模の会社でも、
これら全てを一発でシステム化すると、
ざっと、
1500万~2000万(初期導入費のみで)
は、覚悟しなければなりません。
そして、システムの納品(本稼動の意味)に、
半年から、1年を見越さなければなりません!
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多くの経営の立場にいらっしゃる方々は、
「生産設備じゃないのに、
そんなシステムに大金は
出せない!」
そう、おっしゃるのもごもっとも!
おまけに「基幹」(会社の核)となる
業務を一発システム化するとしたら、
失敗が許されない!
のです。
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じゃあ、大きな発想はやめて、
手始めに「在庫管理」だけやってみよう!
社内の在庫品を洗い出して、
エクセルで在庫表作って、
毎回、出荷のたびに在庫の数を記入すれば、
それでとりあえずは、「在庫管理」の出来上がり。
あくまで、「とりあえず」!!
です。
その後、欲が出てきて、
生産数を入力して、「自動で在庫数把握」
注文予定数を入力して、「自動で生産指示数を計算」
単価を追加して、「概算売上の把握」
工数と外注費を入力して、「概算原価の把握」
次はこれ、次はこれ、これこれこれこれ・・・・
気がつくと・・・、
これ本当にエクセルのファイルか?
って思うほどの、
複雑怪奇なシステムができあがっています・・。
「在庫管理」をしたいだけだったのに、
「原価管理」「生産技術管理」「外注管理」
「工程管理」にまで、侵食してしまっている・・。
そんな事態にならないよう、
初期段階のビジョンがとても大切になります。
「どこまで何をやるのか?」
「将来的にどうしたいのか?」
最低、この2点はキモに命じて取り組むべき!
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ここまで、大きな話と小さな話をしましたが、
パソコンでデータが共有されるようになると、
こんな利点があります。
部品番号などを各部門で重複入力
しなくてもよくなる
製品の不良率や過剰在庫などの
無駄が一目で把握できる
見積→受注→生産→納品→入金
までが手に取るようにわかる
対外的な帳票なども、各管理項目別に
細かくプリントアウトそして資料化できる
などなど
基幹システムは、『生産財』ではありませんが、
無駄に気付き、無駄を省き、
時間(事務工数)を短縮させる
ことで利益率を上げることが可能です
大げさな話ではなく、
売上の伸び率が「0」の月でも、
工数を100円分減らせたら、
「100円分の利益率」アップ
なのです。
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次回は、
【補足編】
と題して、
基幹業務システムは、
なんでそんなに「高い」のか?
を説明したいと思います。