第110話 『管理』について考えてみる 【後編】 | 鈴鈑工業のブログ

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板金屋さんの一喜一憂

【前編】にて、


板金屋の「管理」について


考察してみましたが、


今回の【後編】では、


パソコンを活用した場合


『管理』を考えて見ます。

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まず、最初に大きなスケールの


話から入りたいと思いますが、


前編で述べたような、


生産管理

販売管理

営業管理

財務管理

原価管理


などなどの管理


は、全てをまとめて、


『基幹(きかん)業務』


と呼ばれます。



これらをドーンとシステム化すると、


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↑ こんなイメージの図になります。


この形にする最大の目標は、


「データの共有」



「無駄の排除」


であると言っても過言ではありません。



しかし、これらを形にするのにも


当然のごとく費用が掛かります。



中小規模の会社でも、


これら全てを一発でシステム化すると、


ざっと、


1500万~2000万(初期導入費のみで)


は、覚悟しなければなりません。


そして、システムの納品(本稼動の意味)に、


半年から、1年を見越さなければなりません!

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多くの経営の立場にいらっしゃる方々は、


「生産設備じゃないのに、

そんなシステムに大金は

出せない!」


そう、おっしゃるのもごもっとも!


おまけに「基幹」(会社の核)となる


業務を一発システム化するとしたら、


失敗が許されない!


のです。

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じゃあ、大きな発想はやめて、


手始めに「在庫管理」だけやってみよう!



社内の在庫品を洗い出して、


エクセルで在庫表作って、


毎回、出荷のたびに在庫の数を記入すれば、


それでとりあえずは、「在庫管理」の出来上がり。



あくまで、「とりあえず」!!


です。




その後、欲が出てきて、


生産数を入力して、「自動で在庫数把握」


注文予定数を入力して、「自動で生産指示数を計算」


単価を追加して、「概算売上の把握」


工数と外注費を入力して、「概算原価の把握」



次はこれ、次はこれ、これこれこれこれ・・・・




気がつくと・・・、


これ本当にエクセルのファイルか?


って思うほどの、


複雑怪奇なシステムができあがっています・・。



「在庫管理」をしたいだけだったのに、


「原価管理」「生産技術管理」「外注管理」

「工程管理」にまで、侵食してしまっている・・。




そんな事態にならないよう、


初期段階のビジョンがとても大切になります。



「どこまで何をやるのか?」


「将来的にどうしたいのか?」


最低、この2点はキモに命じて取り組むべき!

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ここまで、大きな話と小さな話をしましたが、


パソコンでデータが共有されるようになると、


こんな利点があります。



部品番号などを各部門で重複入力

しなくてもよくなる


製品の不良率や過剰在庫などの

無駄が一目で把握できる


見積→受注→生産→納品→入金

までが手に取るようにわかる


対外的な帳票なども、各管理項目別に

細かくプリントアウトそして資料化できる


などなど



基幹システムは、『生産財』ではありませんが、


無駄に気付き、無駄を省き、

時間(事務工数)を短縮させる

ことで利益率を上げることが可能です



大げさな話ではなく、


売上の伸び率が「0」の月でも、


工数を100円分減らせたら、


「100円分の利益率」アップ


なのです。

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次回は、


【補足編】


と題して、


基幹業務システムは、


なんでそんなに「高い」のか?


を説明したいと思います。