スッタニパータ 学生ウダヤの質問1106の解説 | suttanipatacomのブログ

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suttanipata.com管理者がスッタニパータ(ブッダのことば)をわかりやすく現代風に解説

1105 ウダヤさんがたずねた、「瞑想に入って坐(ざ)し、塵垢(ちりあか)を離れ、為(な)すべきことを為しおえ、煩悩の汚れなく、一切の事物の彼岸(ひがん)に達せられた(師)におたずねするために、ここに来ました。無明(むみょう)を破ること、正しい理解による解脱(げだつ)、を説いてください。」

 

 

1106 師(ブッダ)は答えた、「ウダヤよ。愛欲と憂(うれ)いとの両者を捨て去ること、沈んだ気持ちを除くこと、悔恨(かいこん)をやめること。

 

 

師(ブッダ)は答えた、「ウダヤよ。愛欲と憂(うれ)いとの両者を捨て去ること、沈んだ気持ちを除くこと、悔恨(かいこん)をやめること。愛欲には、嫉妬、貪りなど様々な煩悩が付随し、憂いは、輪廻を招き、浮き沈みは人間的思考の運動である。悔恨もまた輪廻へと繋がる。これらの荒波を知ってよくこの心の動きに注意すべきである。この無常の世でいかなるものあるいはいかなる形へ執着をしてもそれは叶わず苦へと牽引される。

 

 

 

修行者は、世の中のすべての現象に対しての心の運動、すなわち思考を止めよ。愛欲と憂(うれ)い、沈んだ気持ち、悔恨(かいこん)これらは全て、現象に対しての人間的思考の運動によって起こる。故に修行者は、目の前の現象を人間的思考の運動よる反応の仕方に常に気をつけてそれを制し、あるがままに、捉え観察する。そこから真理への智慧に気づき、彼の岸へと繋がる道が見えるのである。