今回の和訳は、エルヴィス・コステロのShe です。
この曲は、私が最も愛する曲 で、 ジュリア・ロバーツと、ヒュー・グラントが出演した、人気映画「ノッティングヒルの恋人」
の主題歌
でもあります。
ジュリア・ロバーツは、愛やパパラッチに疲れた、ハリウッド女優役で、ロンドン郊外のノッティング・ヒルの、しがない旅行書店員 のヒュー・グラントと出会い、彼が、憧れのスターと、夢のような恋に落ちる・・・
そんな映画のテーマソングです。
この歌詞は、そのために書き下ろしたのか、よく知りません。
ですが、まさに、その映画を体現するような歌 です。
この曲は、もともと、散文的というか、すごく抽象的で、何を言いたいのか、イマイチよくわからない歌です。
かっこよく、詩的に訳すことはできるのですが、この主人公の彼は、何を想っていて、何を伝えたいのか、彼にとって、彼女がどういう存在で、どういう想いを抱えているのか・・・
それを汲み取るのが、私の和訳なので、今回は、すんごく補って、意訳しております。
その点、ご了承ください。
以下の動画は、映画のラストシーンに字幕が付いたものです。
彼女のパーフェクト感と、彼の憧れ感が、存分に伝わるはずです。
(中国語かなんかの字幕もついてますが・・・)
She / Elvis Costello
シー / エルヴィス・コステロ
(僕の面影の彼女)
She may be the face I can't forget
彼女・・・、それは、僕が、忘れられない面影であり、
A trace of pleasure or regret
彼女との楽しさか、後悔が残した足跡なんだろう
May be my treasure or the price I have to pay
僕には、宝物か、自分を犠牲にすべき、大切な存在なんだろう
She may be the song the summer sings
彼女は、夏が奏でる歌のように、爽やかで、
May be the chill the autumn brings
秋がもたらす、木枯らしのように、冷たくて、
May be a hundred different things
たくさんの、あらゆる表情を見せるのだろう
Within the measure of a day
限られた1日という時間の中で・・・
She may be the beauty or the beast
彼女は、美女のように魅惑的か、獣のように手強いのだろう
May be the famine or the feast
(彼女がいないときは、)餓えたように、苦しむか、
(一緒のときは、)ごちそうを目にしたように、幸せなのだろう
May turn each day into a heaven or a hell
一日一日を、天国や地獄に変えてしまうのかもしれない
She may be the mirror of my dreams
彼女は、僕の夢を映す鏡のような、理想でもあり、
A smile reflected in a stream
小川に映し出される笑顔のように、清らかで儚いのだろう
She may not be what she may seem inside her shell
でも実は、彼女は、見た目とは違うのかもしれない、その見せかけの内側では・・・
She, who always seems so happy in a crowd
彼女は、いつも大勢に囲まれ、とても幸せそうで、
Whose eyes can be so private and so proud
その瞳は、とても秘密めくことも、誇りに満ちることもある
No one's allowed to see them when they cry
誰も、彼女の泣く瞳を、見ることなんて、許されないんだ
She may be the love that cannot hope to last
彼女との愛は、長続きが望めないのかもしれない
May come to me from shadows of the past
過去の影から、僕のもとへ、逃げて来るのかもしれない
But I'll remember till the day I die
でも、僕が死ぬ、その日まで、僕は忘れないよ
She may be the reason I survive
彼女がいるから、僕は、生き続けられるし、
The why and wherefore I'm alive
いま、息をして、生きていることができるのかもしれない
The one I'll care for through the rough and rainy years
彼女は、僕が、辛く苦しい人生を通して、愛していく、運命の女性なんだろう
Me, I'll take her laughter and her tears
僕は、彼女の笑い声と涙を、持ち帰るよ
And make them all my souvenirs
そして、そのすべてを、この恋の記念の品にしよう
For where she goes I've got to be
彼女が行く所には、僕がいて、支えてあげなければ・・・
The meaning of my life is she
だって、僕の生きる意味は、まさしく、彼女なんだから
She
彼女・・・
She
僕の憧れの女性・・・
以上です。
今回は、敢えて、解説すべきことは何もないのです。
だって、ほとんどが、私の勝手なイメージと解釈なので・・・。
連想ゲームのような、和訳です。
「野獣」って、何の例え
「餓え」とは、実際、どういうこと
「ごちそう」とは、何を表してる
「夢を映す鏡」とは
「小川に映し出された笑顔」とは
彼の心の描写と、いったい、何を何に例えているかを、私が、ひとりで勝手にまとめたような和訳です。
まぁ、好みはあるでしょうが、ちょっと、この歌詞が、リアルになったかな。。
一つ感じることは、彼は、彼女と恋人になったり、一緒になることは、想定していない・・・ ということです。。
憧れの彼女が悲しんでいたら、慰めてあげたいし、困っていたら、助けてあげたい。
彼女との、束の間の想い出だけで、死ぬまで彼女を忘れず、彼女を想いながら、長く辛い人生を、生きていくんです。
彼女との美しい夢のような想い出が、彼の生きる糧であり、生きていく希望なのです。。
彼女という、パーフェクトな女性に出会い、その憧れと、畏れ多さの間にある、彼の心の揺れ動きを、ただ、ひたすら歌っているのです。
私は、そう思いました。
まぁ、勝手な空想の産物と思ってください・・・。