セリーヌ・ディオンのTo Love You More を和訳しました。
すごく感情的で、意志の強い歌なのですが、なかなか日本人には、この曲の本当の意味がわかりにくいと思います。
彼と別れてしまった後、彼に新しい彼女ができてしまっても
、それでも、「自分こそが彼の運命の女なんだ
」 と強く信じて、彼を愛し続ける、たくましい女性の歌です。
彼に新しい彼女が出来たと聞かされた頃、よく聴いてました。
同じ境遇の方は、彼女の力強さに励まされるはず
。
To Love You More / Céline Dion
トゥー・ラブ・ユー・モア / セリーヌ・ディオン
(あなたを、もっと愛せるように)
Take me back into the arms I love
私を戻して・・・、私の大好きな、その腕の中へ・・・
Need me like you did before
私を必要として・・・あなたが、前にしてくれたように・・・
Touch me once again
もう一度、私に触れてよ・・・
And remember when
There was no one that you wanted more
そして、思い出してよ・・・、
私より欲しい人なんて、誰もいなかった、あの頃を・・・
Don't go, you know you'll break my heart
行かないで・・・、私の心が引き裂かれるだろうって、わかるでしょう
She won't love you like I will
彼女は愛しはしないわ・・私が、あなたを愛するようにはね・・・
I'm the one who'll stay
When she walks away
彼女が立ち去るとき、
(あなたの元に)残る女は、私なのよ
And you know I'll be standing here still
そして、あなたはわかってるのよ、
私が、(あなたが戻るまで)じっと、ここにいるんだろうって・・・
I'll be waiting for you
Here inside my heart
私は、あなたが戻ってくるまで、待っているわ
この私の胸の中で・・・
I'm the one who wants to love you more
あなたを誰よりも愛すべき、運命の女は、この私なのよ
You will see I can give you
Everything you need
そのうち、わかるわ、あなたが必要とする
すべてを与えられるのは、私・・・
Let me be the one to love you more
私を(あなたの)運命の人にしてよ
(誰より、)もっとあなたを愛せるように・・・
See me, as if you never knew
私に会いにきて・・・、まるで、(私を)知らなかったかのように・・・
Hold me, so you can't let go
私を抱きしめて・・・、そしたら、あなたは(私を)手放せないわ・・・
Just believe in me
ただ、私を信じて・・・
I will make you see
All the things that your heart needs to know
私が、わからせてあげる・・・
あなたの心が知っておくべき、すべてのことを!
I'll be waiting for you
Here inside my heart
私は、あなたが戻ってくるまで、待っているわ
この私の胸の中で・・・
I'm the one who wants to love you more
あなたを誰よりも愛すべき、運命の女は、この私なのよ
You will see I can give you
Everything you need
そのうち、わかるわ、あなたが必要とする
すべてを与えられるのは、私・・・
Let me be the one to love you more
私を、あなたの運命の人にしてよ
もっとあなたを愛せるように・・・
And some way, all the love that we had can be saved
それでどうにか、私達が手にしていたすべての愛は、救われるの
Whatever it takes, we'll find the way
どんなことをしてでも、私達は、その方法を見つけるのよ
Believe in me
私を信じて・・・
I will make you see
All the things that your heart needs to know
私が、わからせてあげるわ・・・
あなたの心が知っておくべき、すべてのことを!
I'll be waiting for you
Here inside my heart
私は・・・、あなたが戻ってくるまで、待っているわ
この私の胸の中で・・・
I'm the one who wants to love you more
私こそが、あなたを誰よりも愛すべき、
この世で、たった一人の女なの
Can't you see I can give you
Everything you need
あなたは、わからない?私なら与えられるわ
あなたが必要な、すべてを!
Let me be the one to love you more
私を、運命の人にしてよ!
あなたをもっと、愛せるように・・・
~ 訳を終えて、あとがき
~
う~ん。。リアルすぎる。。。
私も、彼の腕の中に、戻りたかった。。
私にもう一度、触れて欲しかった。。
あなたを一番愛せるのは、この私なのよ って実際、思ってた。。
その頃の自分にタイムスリップして、主人公になりきって、和訳してみました。。
別れた男を・・・、新しい彼女を作った男を、まだ愛している。
そして、これからも愛し続けていくってのは、本当に針のむしろのような毎日で・・・。
不安や焦り、後悔に押しつぶされていると、本当に自分がどんどんダメになる。
この歌のように、堂々と、「自分こそが、この世の誰よりも一番、あなたを愛する女なのだ」 と、言い切れる強さと、ブレない愛って、すごく難しいのよね。。
Take me back into the arms I love
・・・ 私が大好きな、(あなたの)腕の中へ、私を戻して
take me backって、普通、「私を連れ戻して」だと思うんですけど、これって、彼にお願いしてるんですよね?
彼が私をどこに「連れて」行くのだろう?と考えたとき、「連れ戻す」んじゃないなって、直感的に思ったんですよね・・・。
「連れ戻す」というのは、「誰かが、ある人を連れて、どこか元の場所に、一緒に戻ること・・・。」
「彼が彼の腕の中へ、私を連れ戻す」というのは、なんだか、とってもおかしな日本語表現。。
彼は動いていないはずなのに、「彼の腕の中へ連れ戻す」ってことはないかな?って思えてきて、無難に、「戻して」ってしました。
本来なら、彼にお願いするならば、彼を視点にして、「私を引き戻して」とか、「私を取り戻して」そういう意味合いなのかな ちょっと、日本語にしにくいけど。。
When there was no one that you wanted more
・・・ 私より欲しい人なんて、誰もいなかった、あの頃
moreは比較級だから、必ず後ろにthanが来るはず。
じゃあ、more thanの後ろは、いったい何なのか
文脈から考えると、やはり、「私よりも」なのかなと推測します。
There was no one that you wanted more (than me) I'm the one who'll stay, When she walks away
・・・ 彼女が立ち去るとき、(あなたの元に)残るのは、私なのよ
the one は何度も出てくるけど、ただの「人」じゃなくて、
「この世で出会うべき、運命の人」っていう、
たった一人のとってもスペシャルな愛すべき存在 を言います。
この部分は、くどいので、「運命の女」って雰囲気を出さなかったけど、この先の、the oneは「運命の人」って感じが、たっぷりです。
I'll be standing here still
・・・ 私は、(あなたが戻るまで)じっと、ここにいるんだろう
Stillは色んな意味があるけど、
「まだ」とか、「それでも」とかは、副詞 なんです。
ここは、形容詞の、「じっと」 っていう意味だと私は思います。
・ 副詞 ・・・ まだ、それでも、なおさら、さらに など。。
・ 形容詞 ・・・ 静かな、じっとした、泡立たない(炭酸でない水など) など。
詳しくは、Weblio英和辞書のstill をご確認ください。
※未来進行形については、次の項で。。 I'll be waiting for you
・・・ 私は、(あなたが戻ってくるまで)あなたを待っているわ
will be ~ingは、未来進行形です。
未来のある時点まで、絶対にしているだろう、という確信です。
必ずその未来が訪れるということが、予め決まっている or 分かっている時に、この表現を使うらしいです。
未来に起こるビッグイベントと言えば何なのか…
もちろん、彼が戻ってくることです。。なので、
「あなたが戻ってくると信じて、ずっと待っています 」って意味ですね。
彼が必ず、戻ってくる・・・そして、それまで、ずっと愛し続ける・・・っていう、強い信念 を感じますね。
I'm the one who wants to love you more
・・・ あなたを誰よりも愛すべき、運命の女は、この私なのよ
この曲の最も難しい歌詞の一つ・・・。
wants to doは、もちろん、基本は「~したい」だけど、
色々な意味を調べると、「~すべき、~した方がよい」っていう意味があるらしい。
Weblio辞書より、引用)
You want to see a doctor at once.
すぐ医者に見てもらうべきだ(=見てもらったほうがい)
こっちの方が、しっくりくるかな・・・
。直接的すぎる
でも、アメリカというか、カナダだけど、北米的な考えよね。。
ケンブリッジ英英辞典でもこの意味はあった。
want to UK
› used in giving advice to mean that someone should do something:
(誰かが何かをすべきだ、という意味で、アドバイスを与えるときに使われる)
She wants to tell him now, before it's too late.
(遅くなりすぎる前に、彼女は、彼に伝えておくべきだ)
You don't want to put too much pepper in.
(コショウを入れ過ぎない方がいいよ)
ちょっと、自信がありませんが、なんだか自然な響きなので、この線で行っておきましょう。。
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追記)
バイリンガルのお友達に、このwants toは、
「あなたを一番愛する、という『意志』を表明する女」という意味、というアドバイスをもらった。
なので、「愛したい女(願望)」でも、「愛せる女(能力)」でも、「愛する(普通)」でもない。。
やはり、「愛すべき女」 なのよ!!
実は、この「べき」ってのは、「べし」っていう、古語の助動詞の連用形・・・。
この助動詞には、色々な意味があり、「義務」だけではなく、「強い意志」、「可能」、「適当(ふさわしい)」などがあるようです。
(ク活用型; べからず、べく・べかり、べし、べかる・べく、べけれ)
Weblio古語辞典「べし」
なので、「愛すべき」は、このすべての意を含んでいる、素晴らしい表現だった
日本語って、本当に難しい・・・。
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そして、ここもlove you more は比較級で、必ずthanが来る。
じゃぁ、thanの後ろには何が隠されているのか って考えました・・・。
そうすると、やっぱり、
I'm the one who wants to love you more (than anyone else/she does)
誰か他の人/彼女が、あなたを愛するより、もっとあなたを愛すべき、運命の女は、この私なのよ
この意味が妥当かな・・・。
要は、「この世で一番、あなたを愛する女は、この私なのよ! 」ってことですね。
Let me be the one to love you more
・・・ (誰より) もっと、あなたを愛せるよう、私を(あなたの)運命の人にしてよ
これもmore thanの後ろに何が隠れているか。。
やっぱり、これが順当。。
Let me be the one to love you more (than anyone else/she does)
(他の誰か/彼女があなたを愛するより、もっとあなたを愛せるよう、私を(あなたの)運命の人にしてよ)
もしくは、ちょっと控えめで、以下もありかも。。
Let me be the one to love you more (than now)
(私が、今よりもっと、あなたを愛せるよう、私を(あなたの)運命の人にしてよ)
要は、あなたの恋人に戻してよってことです。
彼女がいると、愛せる量には、限界がありますからね・・・。
私の解釈は、こんな感じです。
最後の節は、セリーヌの迫力に合わせて、思いっきり大袈裟に表現してみました。。
同じ歌詞でも、歌い方によって、日本語訳の感情レベルは異なるしね。。
彼を想う気持ちと、ちょっとずつリンクしてきて、なんだか段々と切なくなってきてしまった・・・。
実は、去る2月に、彼と1か月間、距離を置いて、頭を冷やしていた。
でも、やっぱり、友達からでも、彼ともう一度やり直したいと思って、意を決して彼に連絡を取ったところ、彼はその空白の1か月の間に、新しい彼女を作っていた。。
そのことを聞かされてでも、彼の近くに居ようと決めた時、よくこの曲を聴いていた。
以前、和訳しようと思ってた時には、何だかイマイチ捗らず、お蔵入りになっていた。
でも、彼が彼女と同棲、いずれ結婚しようか・・・という話を突然聞き、彼とは一旦、友達に戻ろうと決めた、このタイミングで、またこの曲を思い出したのです。
いま、この曲を聴くには、ちょっと堪えるかと思っていた。
だけど、昔の彼を取り戻したくてたまらなかった、とっても彼への愛に熱く燃えていた、過去の自分自身
を思い出せたのは、ちょっと収穫だったかな。