鶴の社〜石見国一宮物部神社 | この美しき瑞穂の国

鶴の社〜石見国一宮物部神社

2021年11月22日島根県大田市の石見国一宮物部神社を訪れた。


物部神社は最寄りのJR大田市駅より石見交通三瓶線バスで18分、物部神社前下車。徒歩すぐである。



物部神社の御祭神宇摩志麻遅命(うましまぢのみこと)は古代氏族・物部氏の祖神である。


昔、宇摩志麻遅命が白い鶴に乗ってこの川合の地の鶴降山(つるぶやま)に天降りされたことから、御祭神の神使であるつがいの神鶴像が境内に二対設置されている。

(もう一対は後ほど登場)




手水舎の手水鉢は富金石(ふきんせき)という砂金を含んだ大変珍しい石である。


物部神社の御神紋は日負い鶴紋という珍しい紋である。



物部神社拝殿


物部神社の御祭神宇摩志麻遅命は饒速日命(にぎはやひのみこと)と長髄彦(ながすねひこ)の妹・登美夜須比売(とみやすひめ)の子で社伝によれば美濃国、越国を平定後鶴降山に鶴に乗って天降りされ、国見をされた後に当社の裏側にある八百山が天香具山(あまのかぐやま)に似ていることから宮居を築いて鎮座されたという。

宇摩志麻遅命は物部氏の祖である。


ちなみに宇摩志麻遅命の異母兄である天香山命(あまのかぐやまのみこと)は古代氏族尾張氏の祖である。


拝殿前では火水埴の清祓いを奏上し、当地に天と地を結ぶ御柱が立ちますようお祈り申し上げた。



拝殿をお参り後は境内の様々な摂末社を一つ一つお参りした。



つがいの神鶴のもう一対

御祭神宇摩志麻遅命の御神陵である。今回ここにお参りすることは想定していなかったが、バスの待ち時間があったおかげでいろいろ散策することが出来たためにお参りすることが出来た。これはある意味呼ばれたと言えるのかもしれない。


参拝者のほとんどが気づかないであろう裏山の森の中に立つ御神陵には厳かな雰囲気が漂っていた。


御神陵の周りの石柱には石上(いそのかみ)神宮と石切劔箭(いしきりつるぎや)神社の銘が彫られていた。いずれも物部氏ゆかりの神社である。




結局1時間20分ほど境内をくまなくお参りして物部神社を後にした。紅葉の降り積もった参道が美しかった。





物部神社では毎年11月24日に鎮魂祭(みたましずめのまつり)が斎行される。



鎮魂祭とは身体と魂魄を結ぶ魂の緒(たまのお)を古来より受け継がれる秘事を以って結ぶことにより身も心も健全で健康な状態にし、更に強運・勝運を与える神事だという。ちなみに同じ物部系神社の石上神宮では毎年11月22日、異母兄の尾張氏の祖・天香山命(あまのかぐやまのみこと)を祀る新潟県の彌彦(いやひこ)神社では毎年11月1日にそれぞれ鎮魂祭が斎行される。鎮魂祭を斎行するのは日本でこの三社のみである。



弥彦神社 後編 




今回せっかく物部神社に再訪したので今後また石上神宮や石切劔箭神社など物部氏系の神社を改めてお参りしたい。それと今年10月は尾張氏ゆかりの神社にもお参りしたので、尾張氏の祖である天香山命を祀る彌彦神社にも再訪しよう。