物部神社 | この美しき瑞穂の国

物部神社

2009年11月27日石見国一宮物部神社にお参りした。


最寄のJR大田市駅から物部神社までバスが出ているがあまり本数がない。


去年物部神社に行こうとした際に出雲市駅から大田市駅に向かい、駅に到着した時間に近い便がなく、次の便まで二時間以上待たねばならなかったので断念した。このことが心残りだったため今年は何がなんでも物部神社に行くと決め、26日晩に大田市入りして駅付近に宿泊したのである。


朝7時2分のバスに乗って15分で物部神社に到着。

この美しき瑞穂の国-200911270718000.jpg


この美しき瑞穂の国-200911270719000.jpg

物部神社の社殿の背後には八百山(やおやま)がそびえている。

この美しき瑞穂の国-image.jpg

八百山には神秘的な雰囲気が漂っている。正に神奈備(かむなび)である。


物部神社の正面参道両脇には鶴の像がある。

この美しき瑞穂の国-image.jpg

鶴は物部神社縁起に関わるため、物部神社の御神紋は真っ赤な太陽を背負った鶴の姿である『ひおい鶴』という全国で唯一のものである。


物部神社の手水鉢。

この美しき瑞穂の国-image.jpg

この手水鉢には富金石(ふきんいし)という砂金を含んだ大変珍しい石が使われている。

この手水鉢には五つの勾玉が彫られており、そのうちの四つの勾玉に触れると勝運や財運がもたらされるという。


この手水は御神井より湧き出る水で、古文書に『石見国安濃郡川合郷に甘露降る』と記されており、嘉祥四年(851年)に時の国司がこの清水を朝廷に献上したところ、文徳(もんとく)天皇は吉兆だと大変喜ばれ、その年の4月28日に元号を仁寿(にんじゅ)に改められたという。


この手水を口に含むと甘露というに相応しい美味しい水だった。


物部神社拝殿及び本殿。

この美しき瑞穂の国-image.jpg

物部神社の御祭神は宇摩志麻遅命(うましまじのみこと)。古代氏族・物部氏の祖神である。


宇摩志麻遅命の父神は饒速日命(にぎはやひのみこと)。


饒速日命が御炊屋姫命(みかしぎやひめのみこと)を娶り、その間に生まれたのが宇摩志麻遅命である。


宇摩志麻遅命は神武天皇東征の際に忠誠を尽くし、天皇より布都之御魂剣(ふつのみたまのつるぎ)を賜った。また、神武天皇御即位の時、五十串(いほくし)を立て、布都之御魂剣・十種神宝を奉斎して天皇のために鎮魂宝寿を祈願したという。これが鎮魂祭(みたましずめのまつり)の起源だという。
(物部神社鎮魂祭は11月24日)


その後、宇摩志麻遅命は腹違いの兄弟である天香具山命(あめのかぐやまのみこと)と共に物部の兵を率いて尾張、美濃、越国を平定し、天香具山命は越国の弥彦山に鎮座した。


宇摩志麻遅命は更に播磨、丹波を経て石見国に入って一帯を平定し、天津神を奉祭して安の国とした。


次いで宇摩志麻遅命は鶴に乗り、鶴降山(つるぶさん)に降臨して国見をすると、八百山(やおやま)が大和の天香具山(あめのかぐやま)に似ていることから、八百山の麓に宮居を築いたという。この山麓を折居田(おりいでん)という。


(関連記事)

(2009年8月10日『石上神宮』)

(2009年8月19日『弥彦神社 前編』)

(2009年8月20日『弥彦神社 後編』)

(2009年8月25日『二つの系統』)


物部神社拝殿前にて大祓詞を奏上すると、背後の八百山からザザーッと風が吹いてきた。目の前に宇摩志麻遅命がお立ちになって歓迎されたように想像した。念願叶ってお参りすることが出来て本当によかった!


その感謝の想いを述べて御祭神の御稜威が益々栄えますように祈願した。


その後、物部神社の摂末社をいろいろお参りした。どのお社をお参りしても風が吹いた。神様方がお盛んであると感じた。

摂社・後神社。

この美しき瑞穂の国-200911270735002.jpg

御祭神の妃神・師長姫命(しながひめのみこと)を祀る。


御神井。

この美しき瑞穂の国-image.jpg


末社・淡島社。

この美しき瑞穂の国-200911270739000.jpg

数ある末社の中でも淡島社では特に反応が良かった。
御祭神は少彦名命。


拝殿の左隣には『折居田(おりいでん)の腰掛石』という石がある。

この美しき瑞穂の国-image.jpg

御祭神が鶴に乗って鶴降山に降り立ち、国見をして八百山が大和の天香具山に似ていることから降臨した地を折居田という。この折居田で御祭神が腰掛けた石だという。

本来は別の場所にあったが、道路の拡張工事にともなって現在地に移された。



本殿裏には御神墓があるのだが、時間的に無理だったのでお参りは断念した。帰りのバスを一本乗り過ごしたら大変なことになるからだ。


お参りを終えた時、物部神社の向かいの山から朝日が頭を出した。

この美しき瑞穂の国-image.jpg

この日も前日と同じく快晴で爽やかな朝を迎えることが出来た!


この後は出雲市に戻り、出雲市から午前11時40分発の大阪梅田行き高速バスに乗って大阪へ向かった。


(つづく)