弥彦神社 後編 | この美しき瑞穂の国

弥彦神社 後編

弥彦神社拝殿をお参りした後、弥彦山の頂上にある御祭神の御神廟である奥宮へ向かった。


弥彦山は、福岡県の英彦山(ひこさん)、兵庫県の雪彦山(せっぴこさん)と共に日本三彦山と云われている。

ちなみに2009年7月23日に訪れた英彦山神宮の御祭神・天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)は弥彦神社の御祭神・天香山命(あめのかぐやまのみこと)の祖父にあたる。


弥彦山上には弥彦山ロープウェイで向かう。弥彦神社拝殿向かって左側の林道にロープウェイ乗り場までのシャトルバスが10分おきに出ている。


狭い舗装されていない林道の中、マイクロバスとはいえよく走らせるものだと思う。


弥彦神社拝殿からバスでおよそ2分でロープウェイ乗り場に到着。ロープウェイは山麓駅から山頂駅まで繋がっている。


ロープウェイからは越後平野の絶景を一望出来る。田んぼの中に町が点在する街並みがなんとも面白い。

狭いロープウェイだがガイドさんが同乗してガイドをしてくれるのが嬉しい。


山麓駅から5分で山頂駅に到着。

山頂駅からの眺望が素晴らしい。

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弥彦山山頂までは山頂駅から徒歩15分ほど歩く。

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山頂までの道は整備されているが、意外と大変だった。

山頂の奥宮到着。

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奥宮正面。

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奥宮で大祓詞を奏上し、御祭神・天香山命(あめのかぐやまのみこと)に越国一帯の堅固なる守護と柏崎市にある柏崎刈羽原子力発電所の安全を強く願った。天香山命が微笑んでいらっしゃるように感じた。


最後に二礼二拍手一礼した。


お参りを終えると、先ほど登山道で追い越した親子さんが後ろで待っていらっしゃった。この親子さんは真摯な祈りを捧げた後『二礼四拍手一礼』のお参りをした。


そうか!弥彦神社は『二礼四拍手一礼』だった。すっかり忘れていた。


親子さんに教えて頂いたので『二礼四拍手一礼』のお参りをやり直した。


弥彦山山頂は清々しく、空には鳥のような雲が浮かんでいた。

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上空には神々が集まっているような平和的な雰囲気が漂っていた。


頂上からは下界を360度見下ろすことが出来た。越後平野と日本海が一望できる景色が特に美しかった。

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奥宮のそばに咲いていた百合の花が印象的だった。

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山頂奥宮をお参りすると、再び弥彦山ロープウェイに乗って下山した。帰りもガイドさんが丁寧にガイドをしてくれた。


山麓に着くと弥彦神社の摂末社群をお参りした。

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日の陰り具合がちょうど良く涼しく爽やかだった。


最後に弥彦神社の宝物殿を拝観した。

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この宝物殿には源為朝(みなもとのためとも)、源義家、源義経、上杉謙信ゆかりの武具などが奉納されている。


中でも1415年に越後国古志郡の志田三郎定重が奉納した重要文化財『志田の大太刀(しだのおおだち)』は見ものだ。

刃渡り220.4cm、全長322.2cmもある日本有数の大太刀である。


僕は刀剣類を見るのが好きだが、中でも大太刀はいくら見ていても飽きない。もちろん大太刀は実戦で扱えるような代物ではなく、あくまで神社へ奉納するために造られたものだ。


しかし現在熱田神宮にある大太刀『太郎太刀』は実戦で使用されたらしい。『太郎太刀』の持ち主は越前国・朝倉氏に仕えた真柄十郎左衛門という猛将で、刃渡り221.5cm、重さ4.5kgもあるこの大太刀を愛用していたという。

普通、武士が使った刀の刃渡りは三尺(約90cm)に満たないものが一般的で、三尺を越えるものは太刀と呼ばれたことから、真柄十郎左衛門が刃渡り七尺を越える『太郎太刀』を扱ったというのは常識的には信じがたい。

しかし熱田神宮宝物館には『太郎太刀』の実物と共に真柄十郎左衛門が騎馬で太郎太刀を扱う絵が奉納されている。こんな大太刀を扱うには人並み外れた握力、膂力(りょりょく)が無ければ無理だろう。


話がかなり脱線してしまったが、二年前に弥彦神社にお参りした時と同様に、志田の大太刀にしばし見とれてしまった。これを見るためだけに弥彦神社に行ってもいいと思うほどだ。


弥彦山は別名・神剣山という。志田の大太刀は正に弥彦神社にふさわしい御神宝である。



弥彦神社をお参りした後、近隣の史跡に寄り道した。


(つづく)