第3位 Primary Colours/The Horrors
出た頃は、「これが今年のナンバー1だ!」という確信がありました。結局3位ですが、素晴らしさは変わりません。ポスト・ニューウェーヴの新たな扉を叩いた大傑作。ダークな雰囲気だけではなく、音を通してほのかな光や暖かさまで伝えることができるようになった。今年一番飛躍的に成長したバンドだと思う。
メロディーは地味でも、リフやグルーヴの構築によって新たなロックの可能性を見いだすことが出来る、それを証明したのはまたもやこの若者達だった。アレックスの顔立ちもすっかり精悍となった。創造力に加えて、タフさを身につけたサウンドが縦横無尽に展開される今作はもっともっと評価されるべきだ。
第1位 Album/Girls
「生きている」ということをなぜこれほどまでに痛切に表現しなきゃいられないのか。Girlsの音楽にはその理由がしっかりと記されている。雑多なポップセンスを違和感なく束ねることが出来ることも驚きだが、歌詞の尋常じゃないリアル感もまた心に重く響く。人生を塗り替えるのでもなく、ぽっかり空いた穴を埋めるのでもない。どんな現実が待っていても、自分で歩くんだ。そういう気分にさせてくれる1枚、そしてとにかく良く聴いた1枚。
とこんな感じになりました。クオリティーではなく、自分の思いと絡めながら選びました。10枚選ぶのは本当にきつい。自分自身でもなぜBruce Springsteenが入っていないのか、Kasabianは?ところでMuseはどうした?と自問自答してしまいます。順位もあってないようなものです。
来年もまた、このように迷って選ぶのに苦労するくらい良いアルバムがたくさん聴けたら、と思います。あとは、みんな健康で長生きして欲しいです。だって「生きる」ことほどロックな事って無いと思うから。