子供の自己重要感を育む働きかけ | 心理カウンセラーの魔法の子育て

心理カウンセラーの魔法の子育て

心理カウンセラーから見た子育てのポイントと、ただの日記。NLPやコーチング、潜在意識など、最新の心理学理論を子育てに活用しましょう。

みなさん、こんにちは。

 

カウンセラーの佐原です。

 

7月に入り、すっかり蒸し暑くなって来ましたが皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 

気づけばこの子育てブログも久しぶりの更新になってしまいました。

 

子供たちが面白いネタを提供してくれる度に書いてきたこのブログですが、早いものでウチの子も中1と小5です。

 

ここまで大きくなると自立してしっかりして来ますね。

 

「とと、一緒に寝よー」とかも言わなくなってきましたよ。

 

 

でも、そんな中、久しぶりにこれは良い教育になったなと思う対話ができたので皆さんにシェアしたいと思います。

 

 

子供の自己重要感を育むための対話です。

 

 

自己重要感とは、自分にどれほどの価値があるものと設定しているか。

 

自分がどれほど尊重されるべきものと捉えているのか。

 

肯定的なセルフイメージの分量のことです。

 

 

これは心理療法の世界では非常に重要視される考え方で、

 

一般的には、収入にしろパートナーにしろ、その人の自己重要感の大きさに応じたものしか手に入れられないと言われています。

 

つまり

 

 

収入の大きさ=自己重要感の大きさ

 

 

恋人に選ぶ相手=自分の自己重要感に釣り合う人

 

 

というわけです。

 

 

人は憧れの人とはなぜか結婚せず、自分の自己重要感に見合う相手(空気のように一緒にいて居心地の良い人)を選び勝ちですよね。

 

憧れの相手というのは、自分の自己重要感と釣り合わない相手なので、一緒にいると気後れするような居心地の悪さが生まれて、離れたくなるものなのです。

 

つまり、人はどんなチャンスに巡り会おうとも、どんな才能があろうとも、収入があろうとも、自分の自己重要感以上のものは受け取れないということです。

 

 

それほどダイレクトに人生で得るものを決定付けてしまうもの。

 

 

それが自己重要感です。

 

 

ですので私は娘の教育の中でも特にこの「自己重要感を育てる」ということに重きを置いています。

 

 

少々勉強が出来なくても今はそれほど細かいことは言いませんが、自己重要感が健全に育まれているかは、目を光らせて見ています。

 

 

そして先日、娘の自己重要感を育てる上でとてもセラピー的な対話をすることができましたので、

 

皆さんとシェアしたいと思います。

 

以下は5年生の娘との間で実際に行われたやり取りです。

 

例によって関西弁ですみません!

 

 

**********

 

 

娘が私の書斎に来て言います。

 

 

「とと。このホワイトボード何に使うん?」

 

 

そうなのでした。最近ネットで中サイズのホワイトボードを買ったのでした。

 

 

 

 

「ああ。これか。のんとひなに何か教えてやろうと思ってな。買ったんや。」本当は頭の中のアイデア出しに使うのですが、まあ半分は嘘ではないのでそう答えました。

 

 

「そうなんやー! 今から教えて!」

 

 

「いや。今は別に教えることないわ。まだひな子供やもん。はやく大きくなりーや。」

 

 

「え~。なんか教えてよー。あれは? 家族のつながりのやつは?」

 

 

「ああ。家系図?」なぜ家系図の話が出たのかわからないけど、これはチャンスだと思いました。

 

教えたいことがあったのです。

 

 

「そやな。じゃあ。教えたるわ。とと(私)とちゃーちゃん(妻)との間にのんとひながおるやろ。

 

ととの上にはじいじとばあばがおるやろ。ちゃーちゃんの上にもじいじとばあばがおるやろ。

 

その上にも曽じいじと曽ばあばがおるやろ。」そうやって家系図を遡って書いていきます。

 

 

「凄いな。めっちゃ広がるやん。どこまでおるん?」とひな。

 

 

「そやで。ひなの曽じいじと曽ばあばはな。8人もおるんやで。さらにその上の曽曽じいじと曽曽ばあばは16人や。」

 

 

「めっちゃおるやん。」

 

 

「そうや。みんなの血がひなに流れてるんやで。凄いやろ?」

 

 

「うん。」

 

 

「でな。ひなは会ったこと無いけどこの曽ばあばが凄い人でな。

 

農家の家やったんやけど。農家は朝早いから嫌やー言うて、1人で都会に出て行って自分の生きる道を切り開いた人やねん。」

 

 

「凄いなー。」

 

 

「そうやで。それで曽じいじと広島で出会って結婚して、じいじが生まれたんや。自分の意志で人生を変えたんや。凄いやろ。」

 

 

「うん。」

 

 

「それでな。この曽ばあばの自分で望む人生を切り開く力がな。

 

じいじを伝って〜

 

ととを伝って~。」そうやって家系図を線で辿っていきます。

 

 

「ほら、ひなに流れて来てるねん!」

 

 

「おお~!!(゚∀゚)」

 

 

「すごいやろ。ひな。ひなの中には曽ばあばの自由に生きる力が宿ってるねんで。」

 

 

「うん!」

 

 

「ほんでな。この曽じいじはととも会ったことないんやけどな。凄い器用な人で技術の仕事しててな。なんでも自分で作ってたんやって。」

 

 

「へー。」

 

 

「その曽じいじの器用さがな。

 

じいじを伝って~

 

ととを伝って~

 

たららららら……。

 

 

ひなに流れてるねん!」

 

 

「おお~~!!(゚∀゚)」

 

 

キラキラした顔でものすごく嬉しそうです。

 

 

「ほんでこっちの曽じいじはな。バイクに乗っけてくれてセミ捕りに連れて行ってくれたりな。

 

あと当時やと珍しいんやけど、バイオリン持ってたりギター持ってたり、芸術的な感覚を持ってた人やねん。

 

そういう芸術的な能力がな。

 

ばあばを伝って…、

 

ととを伝って…。

 

だらららららららら……。 

 

 

ひなに流れてるねん!」

 

 

 

「おお~~!!(゚∀゚)」

 

 

って、このテンションいつまで保つんやろ…(笑)とか思いつつも、

 

これはとても良いチャンスだと思ったので、私が知りうる限りのご先祖の生き方を良きものとして定義し、才能に名前を付け、それを娘につなげました。

 

 

「我慢強さ」「人を愛する力」「長生きする力」「平凡さの力」「経営者の自由さ」「優しさ」「逆境を乗り越える力」「芸術性」

 

 

それらご先祖の持つリソースを様々なエピソードと共に語り、誇りに思ってもらえるように再定義し、

 

それが流れている娘の命がいかに尊いものであるかを伝えました。

 

 

「だからひなの中にはな。自分で人生を切り開く自由さも手先の器用さも、芸術性も、我慢強さも、経営者のリーダーシップも、人としての優しさも全部備わってるねん。凄いやろ?」

 

 

「うん!めっちゃ凄いな。(・∀・)」

 

 

「でもな。まだその多くはな。スイッチが入ってないねん…。

 

残念ながらオフのままやねん…。」

 

 

「そうなん?」

 

 

「うん。そうなんや。そのスイッチを入れるにはな。

 

ひな自身が頑張ることや。

 

ひなが図工を頑張って工作してたらな。手先の器用な曽じいじの力が開いてな。スイッチが入るねん。急に上手くなるねん。」

 

 

「へ〜!」

 

 

「そうやで。勉強を一生懸命頑張ってたらばあばの継続する力がな、ピカーって輝きだしてな。使えるようになるんや。

 

それだけじゃないんやぞ。曽じいじや曽ばあばの上には更に沢山のご先祖さまがいるやろ。

 

知らないだけでいろんな才能を持ってるんやで。それが全部ひなに流れてるんや。

 

ひなが努力するとそれが開くんや。凄いやろ。」

 

 

「うん。」

 

 

こうしてご先祖を讃え、それが流れている自分の命がいかに尊いものであるかを伝えました。

 

 

 

 

心理療法を通じて人を見てきた中で得た、非常に大切な真理の1つに、

 

どれほどご先祖を誇りに思えるかが、

 

どれほど自分自身を誇りに思えるかを決定づけている。

 

というものがあります。

 

 

人はいくら自分の容姿が良くても、学歴が優れていても、偉業を成していても、親やその先のご先祖を誇りに思えていないと、その血が流れている自分自身も誇りに思えないのです。

 

これは驚くべき発見でした。

 

 

自分を誇りに思えるように自分の長所や自分が成したことを数えるよりも、

 

自分の両親や祖父母やご先祖を誇りに思えるように捉え直した方が(人によっては恨みを癒やして和解した方が)ゆるぎない自尊心を得ることができるのです。

 

 

自分に流れている血に対する誇りこそが、ゆるぎない自己重要感の土台となるのです。

 

 

成した偉業も手に入れた学歴も、ことさらに持ち出す必要がないほどにナチュラルな自己重要感。

 

 

それは無意識に持っているご先祖への敬意と誇り、そしてその血統につながっている安心感から来るものなのです。

 

 

ですので、褒めて育てる子育て術も大切ですが、もう一方で親である私達がご先祖を真っ直ぐに讃え、

 

子供達もまたご先祖を尊敬できるようにつないであげることも大切なのです。

 

 

逆に親である私達が、その親(子供にとっての祖父母)や家系を恥じていたり、恨んだでいたり軽蔑していたりすると、

 

それは親である私達自身の自尊心を損なうと同時に、子供たちの自尊心をも損ないます。

 

 

これが心理療法が明らかにしてくれた法則の1つです。

 

 

学歴もあり実績も容姿も素晴らしいクライアントが、会社のプレゼンテーションの場で緊張でガタガタ震えてしまって、どうしても慣れていかない。

 

その緊張の改善のためにセラピーを進めていくと見えてきたのは、

 

クライアントは自分自身を恥じているのではなく、

 

アル中でだらしなかった父のことを恥じており、

 

その結果、父の血が半分流れている自分の存在を恥じており、

 

それによって「自分は人前に立つような立派な人間ではない」と、無意識に判断していたのでした。

 

 

彼がしなければならなかったことは自分を信じることではなく、自分の素晴らしさを探すことでもなく、

 

アル中にならざるを得なかったほどの重い運命を背負った父の心に寄り添い、それでも自分に命を繋いでくれたという一点において父への敬意とつながりを取り戻すことでした。(そのためには様々な感情を通過する必要がありました)

 

 

今回の対話で私がご先祖を褒め称えた時に見せてくれた、娘の真っ直ぐな喜び。くつろいだ表情。命のきらめき。

 

 

私たちはご先祖を祝福することを通じて、子供たちに揺るぎない自己重要感をプレゼントしてあげることができるのです。

 

 

これはパワフルなセラピーです。

 

 

皆さまも是非タイミングを見て、子供たちにご先祖のお話しをしてあげてくださいね。

 

 

【ポイントは以下です】

 

 

・ご先祖の生きた物語を聞かせてあげて、そこにある良き力を定義してラベリングする。(優しさ。自由さ。継続する力。耐える力。遊び心。明るさ。など)

 

・もしもとんでもないご先祖の場合は、リフレーミング(再解釈)を行う。(アル中で女遊びがすごかった=自由に自分の欲求に従う力、など)

 

・それがお前にも流れてるんだよ。備わってるんだよ。と言って祝福したご先祖の力と子供をつないであげる。

 

・努力して磨けば、その備わった才能がどんどん開いて行くと伝えてあげる。

 

 

以上です。

 

こうやって伝えてあげることで、

 

子供たちは自分の中から出てくる才能を楽しみに思いながら、自分の可能性を信じて健全な努力を積めるようになりますね。

 

 

そして、自分の中から出てくる新しい力を実感する度に、会ったこともない曽祖父ちゃんとの絆を感じたりするんです。

 

そのための種を植えたわけです。

 

 

なかなか素敵なプレゼントだと思いませんか。

 

 

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