手を携えていた彼が悪風に染まって歯ブラシ髭を生やしたから、おひゃらかして足を抜いたよ | スポーの“ここがヘンだよ闘牛士!”

十八日(土)
貴賎小説のスジはだいたい組めたかな。かなり大味ではあるけど、アウトラインはおおよそ。あとは書きながら考えるか。
午前一時半に寝る。

午前十時半に起きる。休日。
なんかごちゃごちゃ書いたけど、普通にやりゃいい。生きるのも普通。書くのも普通。特別なことじゃなく、気負わず、普通に。何より、あれこれ考えすぎなのだ。
買い出し。
S書の地元の賞のことが頭から離れず、過去の人間競馬小説をせっせと直していたが、よくよく見たら規定違反だった。なんじゃそりゃ。さて、どうするか。
どうせ地方なんだから、そんなことに時間割かなくていいだろ……と思おうにも、それは〝逃げ〟でしかないことはわかっていたので、やる。以前思いついて、書こうかなとぼんやり考えていた桜小説。あっという間に書き終えて、枚数調整。
たったの三枚。それでも、ついに新作を書いたという事実は、激しく脳みそを活性化させた。

十九日(日)
午前二時半すぎに寝る。

午前十時くらいに起きる。雨。休日。
とりあえず、いつものようにサイトに原稿を上げる。しかし、そろそろこの作業には飽きている。
明日からは貴賎小説に取りかからねばならぬので、今日のうちに何かまた別の三枚を書きたいところだった。
桜庭一樹『私の男』を読む。
勤め先の男と結婚することが決まった花。彼女は十年以上前、震災孤児となったときに親戚の淳吾という男に引き取られ、以来ずっと一緒に暮らしている。二人は押し入れの奥から異臭のただようアパートの一室で、結婚前夜のいまでも身体を重ね合わせている。二人を結びつけるものは何か。二人の抱える秘密とは何なのか。
なかなか読ませるが、真相がほとんど読めてしまう中盤以降は、興味が失われてきつつあった。あと、びっくりするほど、読後に何も残らない。
桜小説の直しをするにとどまる一日だった。しかし、もうこれはセンセ宛てに送れる状態にはなっただろう。できれば、もう一作と思っていたけど、まァそれは追い追いでいいか。

二十日(月)
ふと、思いついて、三行半小説を書きはじめたけど、こりゃさすがに倫理的にアウトか? ストックかな。
午前零時半に寝る。

午前八時前に起きる。仕事。歯の詰め物が取れて、右下奥歯の手前の歯に穴があく。ちょっとシミる。
K田サンはやはり次回は欠席の模様。
貴賎小説を書きはじめる。じわじわと。序盤が一番難しいなんてよくいうが、やっぱり何も考えずに書くと、のっけにダラダラと情報を書きすぎる。サイトや仕事の説明は最小限に抑えるべきだろう。なんとなく雰囲気だけ伝われば……。麻雀と同じである。

二十一日(火)
午前零時半すぎに寝る。

午前八時前に起きる。仕事。
書き進めている。

二十二日(水)
午前零時半すぎに寝る。

午前八時前に起きる。仕事。
ちょこちょこ貴賎は書き進める。帰ってからは桜小説の直し。もう直すところはなくなったか。

二十三日(木)
午前零時半に寝る。

午前八時前に起きる。仕事。
ストックかな、と思っていた三行半小説をやっぱり最後まで書く。直して三枚におさめる。なかなかわるくないなあ。そういえば、どこぞの大家は「……は、男女のことを書くものだ……」といっていたけれど。勝負ごとにこだわる必要はやっぱりないなあと思わされる。
無駄を徹底的に削った上で、自然なリズムを意識しているのがいいのかもしれない。(藤原伊織の影響はおおいに受けている……いや、阿部牧郎か?)

貴賎にも活かしたいところだ。

二十四日(金)
午前零時半に寝る。

午前八時前に起きる。仕事。
つまらず読める、ストレスフリーな文体をめざし、貴賎は最初から見直し、書き直す。普通が素敵。
帰ってからは三行半をきっちりと直す。完成か。
この土日で貴賎はできるところまでやって、桜と三行半も合わせてセンセに送るつもり。