絵が描けない人 | スピカの住み家

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気まぐれで更新します

最近まともに文章を書いていないもので文章力がとことん落ちた気がします。やはり英語や筋トレと一緒で継続していかないとダメですね。どっちもやってないですけど。え、仕事でいつも書いているじゃないかって? あれは違います。パズルです。


ちょっとまとまった文章を書こうと思うので、このブログを練習の場にしようかなと。筋トレならぬ文トレです。お付き合いいただけましたら幸いです。



突然ですが私にはとんでもない欠点があります。何だと思いますか。今日だけは指を折って考えても怒りません。


それは絵が描けないということです。致命的にまったく絵が描けないのです。下手なんてものではありません。

地球の人口は約80億人といわれていますが、順位にしたら79億位くらいでしょう。3歳児といい勝負、4歳児にはギリ負けます。大袈裟ではありません。


よく某番組で「絵心ない芸人」って回をやるじゃないですか。アレを見て、さすがにやらせだろうと思う方もいると思います。はい。実は私もです。だって上手いからです。恐らくですね、あの方々は一部本物もいそうですが「まともに描こうと思えば描けるけどあえて下手に描いている」人が多いんじゃないかとにらんでいます。


本物はあんなものではありません。テレビに映せないのです。


元々コンプレックスでして、あまり人に言ったことがなく、この事実を知っているのはごく僅かの方のみです。今日で一気に広めてしまいましょう。なぜ絵が描けないのか。


きっかけは幼少期ですね。ドラえもんの塗り絵帳を買ってもらったのですが、ただの真っ白な絵があるだけで何も魅力を感じませんでした。そしてダルいと感じたのかまったく塗りきらなかったんです。


次いで恐怖心です。信じられないかもしれませんが、絵を塗ることによって「もうこの白いページには戻れない」「なんか勝手にやったら怒られる」といった感情もありました。


それから色を塗ることを躊躇うようになり、絵自体も描けなくなりました。クレヨンしんちゃんとかでラクガキするなと怒られるシーンが多かったですからね、怒られることはしないようにしなければと思ったのです。


さてそんな人間を見て、学校の美術の時間帯はどうしたと思われるでしょう。

そこはうまく誤魔化しまくりました。何か題材があればですね、将棋の駒を頼りにしていたのです。あれは五角形なんで絵の技術が必要ありません。あとは筆記試験を無駄に頑張ったり、授業態度をよくしたりして乗り切っていました。それでも致命的に絵が描けないんで万年評価は3でしたが。


まあ正直、いましんどいだけで大人になったら絵なんて描けなくても生きていけるだろうという考えもありました。


しかし思わぬところで絵は必要になります。


まずは大学生の、塾講アルバイト時代。生徒に教えるときに、例えば小学校低学年の足し算だったら物を描いて教えることありますよね。全部でいくつ?みたいな。


この絵をボードに描けない。何を選べばいいのか。いちご?無理無理無理。りんご?無理無理無理。そうなんです。本当に簡単なものですら描けないのです。

仕方なく将棋の駒を使いましてなんとか耐えました。ここでも役立ったね将棋くん。人生で大事なことはすべて将棋が教えてくれた。


就活でも。とある会社のグループワークみたいなのがありまして、その課題が「イラストしりとり」でした。どこのグループが制限時間内に最も長くつなげられるかという感じです。


私にとっては地獄のようなミッションです。これ以上の苦行を学生時代に経験したことがありません。まあもう正直終わったと思ったのですが、私は当然知っています。これは絵の上手さを競うのではない。コミュニケーション能力を見られているのだと。幸い周りも受かりたいものだからみんな愛想いいしニコニコしています。私も人格チェンジして「絵が下手だけどよろしくねー⭐︎」みたいに振る舞ったんですよ。あっはっは。なんて。


で、いざしりとりが始まると……はい私のところではっきりと流れが止まりまして、「下手なんてもんじゃないだろ」という空気すらも漂うようになりました。大概みんな一発で次に進むんですけど、私の時だけ総出で「〇〇!」「△△?」と声が飛び交いまして。私のグループが飛び抜けてビリでした。ええ、正直申し訳ないことをしたと。あとでネットにクラッシャーがいたと書き込まれても文句言えないレベルでした。


そんな私の絵ですが、時に強烈な個性にもなります。


とある深夜。皆社会人になり、地元の友人たちとの場で「ライオンの絵」を描くという何気ないお題が出ました。


私の描き上げた作品を見て全員大爆笑。それをきっかけに私自身の絵のヤバさを打ち明けまして、ひとつ強烈な笑わせる武器を持つことができたのです。以降もいろいろ描かされましたけど、自分で見ても笑っちゃうレベルでした。


その中にいた友人のひとりが「これを世に出そう」という恐ろしいことを言いまして、TikTokに載せてしまったんです。私はやっていない&恥ずかしさで見れませんでしたが。


そこからそいつが調子に乗って、私の絵専用のアカウントを作りました。絵を見せて、何かをクイズ形式で投稿する感じです。これがまあそこそこ人気出たみたいでして、若者に多くの草を与えていきました。そこで本格的にいっぱい描いてくれと、ノートと上質なボールペンを支給されまして。ええ、画伯だった時代があったんです。報酬はご飯奢ってもらうくらいでしたけど。


しかし黄金の画伯時代は突然終わりを迎えます。私が描いたキリンの絵が男性器に判別されてしまいBANされてしまったのです。ネットは世知辛い。本人は悪意があって描いたのではないのです。大真面目だったのです。まあでも私は楽しかったですね。


下手な絵もここまでいけば芸術なのかなと。こうして私はコンプレックスを克服できたのです。絵が描けなくてよかった、で、皆さん肝心の絵を見たいと思うでしょう。いやーいやいやいや。画伯ですぜ私は。高くつきますよ。