社団戦初日【GAO】 | スピカの住み家

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月日が経つのはあっという間なもので、今年も社団戦の季節がやってきた。
今年も社団戦は翔風館GAOの一員として出場することになった。何年連続だろうか、久しぶりにまたいつものメンバーが揃うので、数日前から楽しみで仕方なかった。
今年は1部で戦うことになる。しかも順位は最下位だ。常に格上との戦いが待ち受けているが、チームワークで乗り切りたいところ。

浜松町駅に着くと既にリーダーを除いてメンバーが揃っていた。今年もついに始まったのだなと実感した。




1R VS蒲田大嘉


初戦は去年の優勝チームと。全員強敵だが、その中でも特に指したい人がいた。遠藤さんである。理由は昔書いたので省略。だが、今回遠藤さんは控えに回られていた。残念。

私は3将になった。相手は以前にも対局したことがある方。その時は勝たせてもらったので、今回も勝たせてもらえるように内心祈っていた。

将棋は序盤で相手に一失あり、こちらがリード。しかし中盤でうっかりがあり互角に。そこからまた頑張り、はっきり勝勢になったのだが、周囲をドン引きさせるほどの鈍足の寄せを見せつけてしまう。

相手の王様が入玉模様になってからも延々とノロノロ追いかけ、ようやく寄せたところで相手が投了。グダクダなのはいつものことだが、これほど恥ずかしい終盤を指したのは久しぶりである。チームメイトからも「さすがにあの終盤は弱過ぎるでしょ」「何回詰み逃した?」と呆れられる始末。もうこれ以上ひどい将棋はないなと思っていたのだが……

なお、チームは2-5だった。吉田さんが秋山さんに勝っており、それでいながら少しも驕らず堂々としていたのがかっこよかった。


それにしても寄せの切れ味というか、終盤力がとことん落ちた。それまではスパッと決めて(すっぽ抜けて)早々に終わっていたのだが、いつの間にか体力で勝つ将棋にシフトチェンジしてしまったようである。ああ、あの下手な寄せを遠藤さんも見られていたのだろうか。イヤー



2R VSオール早稲田


なんとなく名前を見てアレルギーを感じてしまうのは気のせいだろうか。当然ながら社団戦でも強い早稲田である。メンバーにはT橋、K村の両氏がいた。いやあもう、大学の団体戦を思い出してしまう。


私の相手はT橋氏。大学の個人戦で負けた相手である。
将棋はこちらの趣向で横歩取り模様になり、未知の世界の将棋になった。
途中まではこちらがややリード。しかし終盤で自玉を危ない方向に逃してしまい、逆転されてしまう。だが、こちらも離されないように懸命に喰らいつく。

最後の最後まで負けだったが、T橋氏が安全志向で指した手が失着となり、王手をかけ続けていたらぴったり詰んでしまった。踏み込まれていたら、もしくは難解な詰み筋を発見されていたらこちらの負けだったが、秒読みに救われた。


チームは3-4だった。私はとにかく勝てたことが嬉しかったが、
「勝つとこ、そこじゃないだろ」×7
ということで、虚しさも残る勝利だった。本当に巡り合わせが悪いものですね。



3R VS野島道場


さあ次こそチーム勝とう。いざ席に座ろうとすると、目の前には少年が。
その少年は翔風館でも何度か顔合わせがある史龍くんだった。後に聞いたが、今年の小学生名人戦で3位になったそうである。また強くなったんだなあとしみじみ。


将棋は私のノーマル中飛車に、史龍くんは急戦。指導将棋のように、最初は相手に技をすべてかけさせる。そうしておいてからよしよしと負かすのだ。……と思いきや、そうはいかなかった。普通に強いのである。

ならば一刀両断にするしかない(佐為風)。長考して自玉の安全度を見極め、ズバッと大駒を切り飛ばし、金を捨てる。史龍くんは首を差し出すような手つきで金を取った。この瞬間私の王様が詰めろになるが、その代わり相手玉を詰ましてしまうという、完璧なシナリオだった。

ところが……詰まない。錯覚していたのだ。史龍くん、金を取った時のあれは死んだふりだったかっ。慌てて自陣に駒を埋める。内心もう嫌だーと嘆いていた。
とはいえ、この埋めた手がしぶとく、もう一ラウンドとなる。以下、ごちゃごちゃとした争いが続いて、ようやく勝ちになった。
しかしまたも寄せ切れない。史龍くんの驚異的な粘りにあい、寄せがまったく見えなくなった。
そして、私は寄せを諦めた。

側から見たら、小学生を虐める大学生といったところか。本当に情けなく思う。1局目よりも酷い終盤力を出してしまった。
勝つには勝ったが、猛反省の内容。さすがに今度はドン引きなんてもんじゃなかったのか、誰からもヤジの声がかかることはなかった。


チームはなんと残りをすべて取られて1-6だった。反省会では当たりが悪かったということで落ち着いたが、1部は恐ろしい。全体のレベルが高いとはいえ、1-6はへこんだ。


4R VS調布SC


対局前、時計の設定で両チームとも困惑する事態になった。調布の方が直してくれたのだが、時間が30分となっていて間違っていた。社団戦の持ち時間は25分である。失礼、ともう一度同じ人が直したらまた30分になっていた。これには両チーム爆笑。調布の方々から「笑い取ろうとしてるんじゃないの」と笑顔が。歳をとってもこういうチームの中にいたいなあと思った。



私の相手はT徳さん。私のゴキゲン中飛車にT徳さんは超速。
序~中盤は自分でも惚れ惚れするほど上手く指し回しており、その結果桂を二枚得することができた。その代わり相手陣には物凄い厚みを築かれており、それはもうとてつもない手厚さだった。歩で小細工する方法もなく、得した桂の使い道もわからないという状態になった。
指し手に迷ってからは悪手の連続。厚みを生かされて一気に悪くなったが、そこからまた惚れ惚れするほど上手く追い込み、一手争いになった。

T徳さんも苦しそうにボヤいてくれるのである。これはパニックになってるなと思った。気分は逆転だったが、潜在的に負けの筋がちらつく。もし読み切られていたら正確に指されて負けてしまうだろうと思った。

そこで私は相手が読んでなさそうな強手を連発した。なんだこれ、とT徳さんも何度も首を突き出す。作戦は成功したかに思えた。
ところが指した自分も読めておらず、なんでこんな手指したんだとこちらもパニックになってしまっていた。

最後は詰ました!と思ったらすっぽ抜けてしまい終了。悔しい悔しい投了となったが、久しぶりに楽しい将棋が指せた。今年一番の内容といっても過言ではなかった。


チームはここまで三連敗だった二人に片目が開いて二勝。ゆーてんも逆転勝ち。吉田さんも強過ぎる内容で勝ちと、ついにチームに4つ勝ちが集まった。
チームに感謝。私はここまで三連勝していたのだが、一切チームに貢献していなかった。そこで三連敗から最後に勝ったチームメイトからの一言。
「きみは団体戦の戦い方というものを知らないねえ」



初日を終え、チームは1-3となった。二日目以降も残留を目指して頑張ります。
この日は富士通杯出場についてもたくさん声をかけてもらいました。ありがとうございました。