はじめての工事
本日は、わたしの第一号ユーザーさんのケーブル引き込み接続工事を実施した。
午前9時45分ころからはじめて、完了は午後2時過ぎになってしまった。
工事概要:ここのお宅は、通常のUHFを受けるアンテナが3本、BS用とCS(スカパー用)パラボラアンテナが2つ設置してある。接続されているテレビは、3台。3台とも地上デジタル対応のハイビジョンテレビである。
すぐ近くまで来ている当社ケーブルテレビのタップから道路をまたいで、お宅までケーブルを引いてくる。
ケーブルからの番組信号をアンテナのところで3分波して、これまで3本のUHFアンテナから室内のテレビに送られていた信号に替える。
室内配線に古いフィーダー線が使われていたので、同軸ケーブルに張り替える。
室内では、1台のテレビは、「アナログ」と「デジタル」のアンテナ接続口が一つになっていて、そのまま分波されたアンテナ信号をつなぐ。他2台は、「アナログ」と「デジタル」の接続口が別になっているので、2分波器でそれぞれにつなぐ。
以上、なるべく現状の配線を変更しないで済むようにケーブルを引き込み、各テレビに接続する工事である。
BSとCSの受信信号は、現状のまま。
これで、ケーブルテレビの多チャンネル(54チャンネル)と地上デジタル放送、加えてBS、CS放送が受信できるようになった。
上の工事と平行して、各テレビとビデオのチャンネルをケーブルテレビ多チャンネル用に調整作業をする。マニュアル作業で54チャンネルを調整するのだから、ひとしごとである。地上デジタルのチャンネルは、スキャンにより自動調整にまかせるので楽だ。
多チャンネルのチャンネル調整は、TV3台とビデオ3台に実施するので、結構時間がかかる作業であるが、多チャンネルのケーブルテレビを実感できる作業なので、経験の少ないわたしには、ちょっと楽しみな作業である。
作業が終了し、ご主人に操作説明をすると、目を輝かせていた。わたしは、子供のころにはじめて白黒テレビが家に来たときの経験を思い出していた。
それから、地上デジタル放送を大画面に映したときの、あっと驚く美しさには、一同目を見張った。アナログ放送のぼんやりした画面には、もう戻れない。(たしかに、これからの大画面薄型テレビは、あきらかに、デジタル放送をターゲットにつくられているのを、はっきりと実感した。)
Oさんのウキウキした気分の楽しさが目の輝きに出ている。この楽しさをもっともっと多くの人に味わってもらいたい。
猫のポコちゃん
今日もまた、相生町1丁目界隈をまわった。
ケーブルテレビに興味のない人が多い。興味があってもお金がかかる(月々3,150円)ので、入れないという人もいる。
面白い店があった。心太(ところてん)専門店である。小さな店だが、外に材料の天草が干してある。桐生には海がないので、一風変わった光景である。
ご主人に聞くと、生まれが天草の採れる海のそばで、親戚が送ってくれるとのこと。スーパーマーケットでパック詰めで売られているものしか知らないわたしにとっては、新鮮なお店である。
80過ぎのご主人には、ケーブルテレビもインターネットも興味がなさそうである。直接は、わたしの商売にはならないが、ホームページを開設することには、ちょっと目が光った。
近隣のお宅をまわっているうち、「猫のポコちゃん」が玄関でお出迎えするSさんと出会う。
この猫のポコちゃんは、男の子で3歳くらいだそうだ。さすがに元気のいい猫で、わたしが玄関に入るなり、ファーと吹いたが、Sさんとお話をするうちに、静かに目をつぶって話を聞いている。なかなか賢いポコちゃんである。
ここのお宅とは不思議な縁があるかもしれない。また、お伺いすることになる。
はじめての契約
8月1日に入社して、まだ右も左もわからない。
お盆前は、外に営業に行くことなく、社内で資料を読んだり作成したり、ケーブルテレビをお客様の家に引き込み接続する実際の工事に参加したりした。
そうこうするうちに、町にはりめぐらされている電線には今までまったく興味がなかったが、車の運転中にちょくちょく電線を見るようになった。ケーブルテレビは、町にケーブルをはりめぐらし、テレビ番組を送る仕掛けである。新規のお客さんをみつけるにも、現在施設されているケーブルがカバーしているエリア内でなければ、加入していただくのは物理的に無理である。
したがって、ケーブルテレビの営業は、物理的に加入できるエリア内での活動、というのが原則である。
ところが、当方は伊勢崎市に住んでいるので、桐生の地理があまり、というか、ほとんどわからないのが現実であった。
そこで、炎天下の中、当社のケーブルがカバーする地域を実際にまわってみて、自分の目で確認する作業も必要になった。
会社には、親切なマニュアルや手順書などがまったくない状況なので、結局自分で考え、自分で行動し、自分でやり方をみつけなければならない。これが現実である。
ちょっと頼りないが、考えてみれば、めっぽう自由である。
お盆休みが開けると、実際に外に営業することにした。
どこから営業していいか、まったくけんとうもつかない。大先輩の営業、Sさんに、身内や知り合いがいれば、とっかかりになるよと、何度がアドバイスを受けていたが、あいにくわたしには、桐生には親戚や知り合いがまったくなかった。
ただ一人、思い浮かぶ知り合いは、大学受験のため通っていた予備校で知り合ったTだったが、あれから、かれこれ、20年以上も年月が経っている。ちょっと変わったやつで、思い出だけは、不思議なくらい強烈であるが、電話番号も住所もわからず、今何をやって、どこにいるかも、まったくわからない。
(Tがこの町にいるのなら、営業をしているうちに、ひょっこり、どこかで、出っくわす感じがする。20年以上も会っていないが、出っくわせば、きっとすぐにTだとわかるに違いない、と予感はしているのだが。)
なんかないかと探したら、母がちょっと前まで加入していたカラオケの会の会員名簿と、昔よく母のところでテレビやビデオの接続なんかでお世話になったHさんという人が、この町に関係ある情報として浮かんできた。
調べた結果、カラオケの会員名簿では、当社のケーブルが現在カバーしているところに住んでいる人は、2名しかなく、Hさんもカバーエリア外であることがわかった。仕方ない。とにかく、その2名のところに営業に行ってみよう。そして、Hさんにも機会を見て会ってみよう。と決めた。Hさんは、最近定年退職して、小さな食堂をこの町でやっている。テレビやビデオ関係に詳しい人らしいので、なにかのとっかかりになるだろう。
そいうわけで、営業1日目は、カラオケ会員名簿のOさん宅を中心に出かけてみた。
出かけてみると、Oさん宅は留守だったが、近くまできている当社のケーブルを観察してみると、すでにケーブルがOさん宅へ引かれている。残念、すでにお客さんだった。
仕方ない、ご近所のお宅を訪問してみると、Oさんのお宅から20mくらいの同じ苗字のOさん宅で、当方の話を聞いていただけた。門前ばらいのような調子ばっかりの中で、うれしい会話だった。すぐには加入してもらえそうもないが、営業フォローするお宅を見つけたのはうれしい。
そして、営業2日目、カラオケ会員名簿の残りのお宅を訪ねたら、ひとしきりカラオケ会の話なんかで、なごやかに会話が進んだと思ったら、「やってみよう」という話になり、あっさりと契約が決まってしまった。
このOさん宅は、ご家族が中心で、「O精密」という小さな鉄工所をやっている。その仕事場の事務所で契約がすぐに決まった。わたしの両親(父はすでに他界)も、長いこと夫婦で鉄工所をやっていたので、懐かしい油の匂いの中で、不思議な感慨があった。
第一号契約が、あんまりあっけなく決まったので、なんとかく手放しでは喜べない。これまでのわたしのビジネス経験から考えて、おそらく100件以上の見込み客を確保しなければ、第一号の契約にはこぎつけないと思って覚悟していた。
100件の見込み客の、ほんとうにはじめのところで、契約が決まってしまった。ということは、考えてみれば、次の契約は、おそらく今後の100件の見込み客の後に続くものと覚悟しなければならないだろう。
そういう気持ちで、とにかくがんばろう。
それにしても、まだまだ経験不足で、決まったお客さん。ちゃんとケーブルテレビを楽しんで、幸せになってもらうため、しっかりと工事のフォローやその後のサポートをしなければならない。
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「ケーブルテレビ@桐生in群馬」のはじまりはじまりです。
わけあって、50歳でケーブルテレビのセールスマンになりました。これまでは、パソコン用ソフトウエアパッケージ商品の開発と販売をやってきました。
わたしがはじめて会社に就職したときは、東京の情報処理関連の会社で、まだパソコンが今日のように本格的にビジネスで活躍していなかった時代でした。やっと8インチのでっかいフロッピーディスク付きのパソコンが出回りはじめ、パソコンビジネスの夜明けのような時代でした。
ところで、わたしが大学を卒業して、はじめて就職試験なるものを受けた会社は、TBSでした。その頃は、映像に興味をもっていましたので、TBSにチャレンジしましたが、落ちました。
そんなかんなで、その頃、ビジネスの芽が出始めて、給料もよかった情報処理の会社へ就職しました。
それから、今日までのことは、折に触れてお話できると思いますが、ここにきて、ケーブルテレビのセールスマンになるとは、なにか螺旋階段のめぐり合わせのような気分です。
徒然というのは、かの「徒然日記」で有名な言葉ですが、本来の漢語の意味は、「同じ状態がずっとつづくこと」、「退屈でつまらないこと」などだそうですが、わたしとしては、「気ままに思いつくまま」というような意味で、このブログをはじめようと思っています。
なにはともあれ、みなさんの「つれづれ(徒然)」を少しでもまぎらわすことができれば、幸いです。




