12分サイクルと他のパターンとの比較をしていきます。
前回
☆10分サイクルとの比較
一般的にラッシュ時を除いて60分の約数のサイクルのパターンダイヤが覚えやすく良いものとされています。1時間におけるサイクル数から、
1…60分、2…30分、3…20分、4…15分、5…12分、6…10分・・・
のようになります。これ以上は短すぎるので使いにくいです。
1〜6まで整数分になるのは、60=2²×3×5で約数が12個と1/5もあるからです。1〜6で半分出てきたので次は6分10サイクルとなります。
ところで日常的に十進法を用いているので、1サイクルが10の倍数分だと1の位が揃って非常に覚えやすくなります。特に10分サイクルは1の位だけ覚えればよいので好まれます。
次いでわかりやすいのが10の約数である5を素因数とする15分サイクルです。5の倍数の1の位は0か5の2種類しかないのでまだ理解しやすいと思います。
最後は12分サイクルで、10との最大公約数が2と小さいので覚えにくく、計算も面倒です。
〇10分サイクルの利点
・時刻が覚えやすい
・本数が毎時1本増える
・枚方市〜丹波橋〜京都三条の接続がスムーズ
・間隔が短いぶん、考慮されていない箇所でも乗り換えが短くなる(門真市内〜寝屋川市以北など)。
〇10分サイクルの欠点
・本数が多すぎる
・準急が枚方市まで先着させるには、
大阪京橋で接続をとって特急の直後に発車させるか、特急を減速させる必要がある。
前者は大阪京橋以外からは大阪京橋で特急から乗り換えなければならず、不便で特急が混雑する。
後者は最速の53分ならば12運用で7分ずつ折り返えせるが、枚方市で接続をとるには約2分遅くしなければならず、5分ずつしか残らない。不可能ではないが、遅延時には厳しく座席指定のある特急には難題である。13運用の場合はまたの機会に考える(少なくとも現行よりは余裕あると思われる)。
・香里園で待避させた場合、
大阪市内〜光善寺・枚方公園は、待避の2分が入るぶん遅くなる。これは10分サイクルと12分サイクルの差であるが、待ち時間は平均すると半分になることを留意しなければならない。
寝屋川市以西〜樟葉・中書島・丹波橋以北へは、準急の場合は香里園で特急を待避したあとの接続が丹波橋だと特急が詰まるので、準急を通しにするのは難がある。そこで、萱島付近で特急に追い越される普通を枚方市まで先着させて、丹波橋・京都三条で接続させるのが良い。準急を大阪府内で完結させると8両編成を投入できるので、普通よりかなり混雑する準急の混雑緩和に役立つ。しかし、枚方市まで18本を維持しなければならず、また、萱島止まりを30分間隔は入れる必要があるので、さらに萱島まで区間急行を2本必要とする。なお、普通・区間急行は準急より5分遅く、寝屋川市より先へは遅すぎるため準急を消すことは大きく利便を損なう。
・臨時列車を差し込む余裕がない
準急が香里園で特急を待避するので、続行の臨時準急・急行・快速急行はそれより大阪側で待避することになる。寝屋川市には設備が無く、萱島は準急以外通過するので、守口市〜萱島の複々線区間か守口市で待避する必要がある。複々線区間では守口市で準急と普通が接続するので、普通の真後ろを走らなければならない。守口市で待避してA線(急行線)を走行することになる。しかし、守口市しか速達効果が期待できず、複線区間では普通とスジが被る。
特急系の臨時列車の場合、枚方市〜丹波橋〜京都三条の接続が綺麗にできるが、逆に臨時列車を入れる余裕が無い。これがあるからか、香里園待避の準急が通し運用で、樟葉でも接続をとって余裕を作っていたのだろう。
〇12分サイクルについては逆であるので簡潔に。
重要な問題点は門真市内の利便性の確保が難しいことである。準急と普通では守口市〜萱島の所要時間の差が5分である。準急が枚方市で接続するとき、普通は香里園まで先着できず、逆に複々線区間で抜かされることもできない。
もしくは、萱島・大阪京橋で接続をとると綺麗になるが、大阪京橋〜守口市は駅が多いことで有名であり、実際6,7分余計に時間がかかるので好まれない。
しかし、12分サイクルに急行系が2本入る夕方では、大阪京橋・守口市で後続の列車とも接続させることで、複々線区間で上手く特急に追い越され、準急との接続が短くて済むようになり、萱島止まりの普通から準急に乗り換える際にホームで特急の通過を待たなくてよく安全である。門真市内の利便性を確保するには本数を増やすしかないので、長サイクル(による1サイクル2本化)・短編成化による本数増加は良いのではないだろうか。