辺の長さから三角形や四角形の面積を求める公式として、
・ ヘロンの公式…三角形の面積
√{s(s-a)(s-b)(s-c)}、2s=a+b+c
・ブラーマグプタの公式…内接四角形の面積
√{(t-a)(t-b)(t-c)(t-d)}、2t=a+b+c+d
・ブレートシュナイダーの公式…四角形の面積
√{(t-a)(t-b)(t-c)(t-d)-abcdcos²(θ/2)}、θ:対角の和
があるのはご存知かもしれない。
これらの公式を美しく表したのが上の表記だが、実際に使う際は割と不便である。
これらの式によって簡単な計算で面積が求められるのは全ての辺の長さが有理数の時に限られるだろう。
しかし、実際に面積を求める図形には長さが無理数(だいたいは平方根)の辺が1つないし複数存在することが殆どである。
公式に代入するより、なす角の正弦を求めて解く方が速い。
ところで、これらの公式を展開したことはあるだろうか?4次の対称式になることは想像つくだろう。実際に展開してみると、
・s(s-a)(s-b)(s-c)={2(a²b²+b²c²+c²a²)-(a⁴+b⁴+c⁴)}/16
={(a²+b²+c²)²-2(a⁴+b⁴+c⁴)}/16
・(t-a)(t-b)(t-c)(t-d)={2(a²b²+b²c²+c²d²+d²a²+a²c²+b²d²)-(a⁴+b⁴+c⁴+d⁴)+8abcd}/16
={(a²+b²+c²+d²)²-2(a⁴+b⁴+c⁴+d⁴)+8abcd}/16
となる。そうすると、
・ヘロンの公式
(1/4)×√{(a²+b²+c²)²-2(a⁴+b⁴+c⁴)}
・ブラーマグプタの公式
=(1/4)×√{(a²+b²+c²+d²)²-2(a⁴+b⁴+c⁴+d⁴)+8abcd}
・ブレートシュナイダーの公式
=(1/4)√{(a²+b²+c²+d²)²-2(a⁴+b⁴+c⁴+d⁴)-8abcdcosθ}
と表記することができる。辺の長さは2乗すると根号が消えるものが多いので面積を求めやすくなると思う。