借金すると相続税が安くなるって本当? | 相続税申告は自分で出来る!

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プロの税理士が相続税を易しく解説します

よくお客様から受ける質問です。


相続税に限って言えば、本当です。


土地と家屋の評価減によって、相続財産
の圧縮が起こるからです。


例を挙げて説明しましょう。


2億円を借金して賃貸マンションを建設した場合
を考えてみます。


借金する前の土地の相続税評価額を3億円とします。


その土地の上に2億円のマンションを建設します。


相続税の課税価格がどのように変わるか
見てみましょう。


建設前の相続税課税価格


土地    300,000千円
課税価格 300,000千円


建設後の相続税課税価格


 土地   237,000千円(注1)
 家屋     84,000千円(注2)
 借入金 - 200,000千円
課税価格 121,000千円


建設前の相続税課税価格は300,000千円
だったのに、


建設後は121,000千円となり、179,000千円
も減額されました。


土地と建物の評価減によるものです。


(注1)土地の評価減の計算


300,000×(1-0.7×0,3)=237,000千円


賃貸マンションが上に建設された土地は
貸家建付地といって、借地割合×借家権割合

の割合だけ減額されます。


この場合、借地権割合が70%ということに
して計算してあります。


(注2)家屋の評価減の計算


次に、建物の価格は<固定資産評価証明書>の
金額に、0.7を乗じた金額
です。


固定資産評価額は市町村で値段をつけますが、
大体、新築価額の55%~60%位です。


200,000千円で建築した家屋は、


200,000×60%=120,000千円


更に、0.7を乗じますから、


120,000千円×0.7=84,000千円


84,000千円が家屋の相続税評価額になります。


借入金200,000千円は相続財産から控除しますから、


以上のように、土地と家屋の評価減により、

相続税評価額が179,000千円も減額されるわけです。


借金して賃貸マンションを建設すると、相続税
が安くなる、というのは本当です。